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著書『誇りに思う日本人たち』
『ビッグショッツ』
『黒い火』ほか

10月13日・マーガレット・サッチャーの行動力

2016-10-13 | 歴史と人生
10月13日は、シンガーソングライターのポール・サイモンが生まれた日(1941年)だが、英国初の女性首相、マーガレット・サッチャーの誕生日でもある。

マーガレット・サッチャーは、マーガレット・ヒルダ・ロバーツとして、1925年、英国イングランドのグランサムで生まれた。父親は食糧雑貨商で、市長を務めた名士だった。
代々メソジストの敬虔な信者で、質素倹約、自己責任、自助努力を家訓とする家に育ったマーガレットは、オックスフォード大学に進み、化学を専攻した。大学卒業後は、一般企業で研究者となり、アイスクリームに空気を混ぜて、たくさんに見せる技術の研究などをした。25歳のとき、政治家を志し、保守党から下院議会議員に立候補し、落選。
26歳になる年に、ビジネスマンのデニス・サッチャーと結婚し、マーガレット・サッチャーとなった。結婚に際し、マーガレットは将来政治家として立つ意思を告げ、夫は彼女に全面的に支援することを約束した。マーガレット・サッチャーは34歳で下院議員に初当選を果たし、45歳で教育科学相、50歳のときに保守党史上初の女性党首となった。
51歳のとき、ソビエト連邦の機関誌が彼女のことを「鉄の女」と呼んで非難し、それが彼女のニックネームになった。
1979年、54歳のとき、規制緩和と民間委託による競争原理の導入を訴え、選挙で保守党を大勝利に導き、英国初の女性首相に就任した。
就任後は公約通り、公務員を減らし、電話、ガス、水道、空港などの国営事業を民間へ委託し、所得税と法人税を下げ、消費税(付加価値税)を上げる荒療治をおこなった。結果、英国病と呼ばれた経済は息を吹き返し、シティーには世界各国から資金が集まった。
1982年、彼女が57歳のとき、南大西洋の英国領フォークランド諸島へアルゼンチン軍が侵攻する事件が起きた。サッチャー首相は反撃と島の奪回を即決。内閣の閣僚たちが軍隊の派遣に反対すると、彼女はこう言い放った。
「この内閣に男は一人しかいないのですか?」
英国軍は駆逐艦、フリゲート艦を失い、250名以上が死亡するという痛手を負いながらもアルゼンチン軍を駆逐し島の奪還に成功した。この勝利によりサッチャーの英国内の人気は高まった。
1990年、サッチャーは65歳で首相、保守党党首を辞職。以後、貴族院議員となり、晩年は認知症をわずらっていた。英国王室からガーター勲章、日本の皇室から勲一等宝冠章を授与された後、2013年4月、脳卒中のため、ロンドンで没した。87歳だった。

サッチャーの新自由主義の経済政策は英国に喝を入れ、新風を招き入れた。それは外国の資本を呼び込んで、自国の企業を外国企業の子会社にしただけの「ウィンブルドン現象」だとの批判もある。また、国民に自助努力を求め、公務員をクビにして政府支出を減らし、市場競争をあおった結果、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンのような成功者が登場する一方で、大量の失業者が出た。失業者たちはサッチャーこそ英国を悪くした元凶だと批判し、彼女の死が伝わると各地で祝賀会が催されたほどで、いまだに彼女の経済政策の評価は定まっていない。全員が歓迎する政策などないのだろうが、サッチャー首相の有言実行、断固とした行動力は尊敬に値するだろう。彼女は言っている。
「もしも好かれようとしているのみならば、人はいつもなんにでも妥協するよう身構えていて、結局何もできないままでしょう。(If you just set out to be liked, you will be prepared to compromise on anything at anytime, and would achieve nothing. )」(Goodreads Inc: http://www.goodreads.com/)
(2016年10月13日)




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