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著書『誇りに思う日本人たち』
『ビッグショッツ』
『黒い火』ほか

8月9日・トーベ・ヤンソンの創造

2017-08-09 | 文学
8月9日は、米軍の爆撃機ボックスカーが長崎に原子爆弾を投下し、7万人以上の人々が殺戮された日(1945年)だが、女流作家トーベ・ヤンソンの誕生日でもある。「ムーミン・シリーズ」を書いた人である。

トーベ・マリカ・ヤンソンは、1914年、フィンランドの首都ヘルシンキで生まれた。父親は彫刻家で、母親は画家だった。トーベは3人きょうだいの一番上の長女で、下に弟が二人いた。
ふだんスウェーデン語を話す父母のもとで育ったトーベは、両親のアトリエで芸術作品が生まれていくのを日々見ながら育つうち、自分も画家を目指すようになった。
15歳でスウェーデンの首都ストックホルムへ留学し、フランスやイタリアでも画家修行をした。
第二次世界大戦が終わった1945年、31歳のころには、雑誌に挿絵も描く名の知れた新進画家になっていたが、その年にムーミン・シリーズの第一作『小さなトロールと大きな洪水』を発表。以後、ムーミン・シリーズの児童文学と、大人向けの小説を書きながら、絵画や壁画も制作しつづけた。「ムーミンの産みの母親」というピュアなイメージとちがって、若いころからヘビースモーカーでアルコール好きだったという。
2001年6月、ヘルシンキで没した。86歳だった。

ずっと昔、観ていた「ムーミン」のシリーズは、もう再放送されないらしい。
1990年ごろに新しいテレビアニメ「楽しいムーミン一家」シリーズが放映され、これを機に、昔の「ムーミン」はお蔵入りとなり、「楽しいムーミン一家」が、本国の著作権管理者が認める公式認定の「ムーミン・シリーズ」になったそうだ。

「ムーミン」というのは、本来は種族の名前で、ムーミンパパとムーミンママのあいだに生まれた男の子は、原作では名を「ムーミントロール」という。原作者のヤンソンによれば、彼らは妖精ではなくて、スウェーデン語で「バーレルセル(存在してはいるのだけれど、どう呼んでいいからわからないもの)」。ムーミンたちの大きさは、電話帳くらいのつもりだそうだ。「トロール」は映画「アナと雪の女王」にも登場していた。

作者トーベ・ヤンソンは、50歳のころ、フィンランド湾の沖合に浮かぶ小さな岩礁の島に渡り、ひとり暮らしをした。一周しても数分しかかからない、電気も水道もないこの島で、太陽の光と、貯めた雨水を頼りに寝起きし、大人向けの小説を書いた。
そうしたスナフキンのような環境で書かれた短編小説をいくつか読んだ。ムーミン・シリーズのゆったりとのどかな雰囲気とは対照的に、短く切り詰めた緊張感に満ちた作品だった。
画家、児童文学作家としての成功に安住せず、さらに大人向けの純文学に挑んだのは、おそらく、彼女のなかの創造性の本能が、彼女をけしかけたのだろう。生まれつきのクリエイターであり、最後までクリエイトする貪欲さを失わなかった、創造の精神につき動かされて走りつづけた生涯だった。彼女の誕生日から、8月9日は「ムーミンの日」とされる。
(2017年8月9日)



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