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5月16日・ロバート・フリップの静

2017-05-16 | 音楽
5月16日は、映画監督、溝口健二が生まれた日(1898年)だが、英国のミュージシャン、ロバート・フリップの誕生日でもある。「キング・クリムゾン」のリーダーである。

ロバート・フリップは1946年、英国ドーセット州ウィンボーン・ミンスターで生まれた。
彼は21歳のとき、「歌えるオルガン奏者求む」というバンド・メンバーの募集広告を見て、自分は歌わないし、オルガン奏者でもないくせに、それに応募し、バンドに加入したのが、本格的な音楽活動のはじまりだった。そのバンドを解散した後、フリップは別のミュージシャンと新たにバンド「キング・クリムゾン」を結成。
1969年、フリップが23歳のときにファースト・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」を発表。まったく新しい衝撃と感動をもったロック・ミュージックを創造し、世界の音楽ファンに「プログレッシブ・ロック」という音楽ジャンルの誕生を強烈に印象づけた。
この「クリムゾン・キングの宮殿」は、当時アルバム・チャートのトップを独走していたザ・ビートルズの「アビイ・ロード」を、トップの座が引きずりおろしたアルバムとして音楽誌によって宣伝されたために、よけいにセンセーショナルに受け止められた。
当時、フリップは「ロックの神」と呼ばれた。
以後「キング・クリムゾン」は、ロバート・フリップのみを唯一の存続メンバーとして、目まぐるしくメンバーを入れ替え、また長い休止期間をとりながら2011年まで続いた。
ロバート・フリップは、「キング・クリムゾン」としての活動のほかに、ブライアン・イーノ、デヴィッド・ボウイ、ピーター・ガブリエル、デヴィッド・シルヴィアンなどとアルバムを作り、さまざまな音楽の実験に参加し、マイクロソフト社のWindows Vistaの起動音を作曲するなど、幅広い活動をしてきた。
2012年、66歳のときのインタビューで、ロバート・フリップは、ユニヴァーサル・ミュージック・グループとの長い不和について言及しつつ、現役ミュージシャンとしての活動から引退する旨を宣言し、こう述べた。
「音楽産業のなかで働くことは『喜びをともなわない無益な活動』になってしまった」

ロバート・フリップの音楽は、嫌う人もすくなくないだろう。「宮殿」とか「太陽と旋律」とか。が、しびれる人は痛烈にしびれる。デヴィッド・シルヴィアンと彼の共作「ザ・ファースト・デイ」など何度聴いたか知れない。

ロック・ギタリストといえば、首を振ったり、からだを揺すったりして、みんな、なんらかのステージ・パフォーマンスをしながらギターを弾くのが常だけれど、ロバート・フリップは、椅子にすわって静。無表情で淡々と演奏する。観客に対して、愛嬌のかけらもふりまかない。こんなギタリストは、ほかにいない。クラシックのオーケストラの弦楽器奏者でさえ、もうすこしステージパフォーマンスをする。
ロバート・フリップはクールだ。
(2017年5月16日)



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