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5月26日・モンキー・パンチの苦み

2017-05-26 | マンガ
5月26日は、「モダン・ジャズの帝王」マイルス・デイヴィスが生まれた日(1926年)だが、漫画家、モンキー・パンチの誕生日でもある。「ルパン三世」の作者である。

モンキー・パンチこと、本名、加藤一彦は、1937年に、北海道厚岸郡浜中町で生まれた。
高校時代から漫画を描いていた彼は、高校卒業後、上京し、東海大学の電気科に入学した。が、アルバイトの漫画のほうに夢中になり、大学を中退。本格的に漫画家を目指した。28歳のとき、「がむた永二」のペンネームでデビュー。
29歳のとき、出版社側から押しつけられたペンネーム「モンキー・パンチ」を名乗った。
30歳のとき、雑誌に「ルパン三世」の連載を開始。連載開始のころには「ルブラン原作」とクレジットが入っていたという。
この「ルパン三世」がヒットし、テレビ・アニメ化され、映画化され、ゲーム・ソフト、パチンコ台にまでなり、時代を越えて多くの世代に愛される彼の代表作となった。
2003年、65歳のとき、東京工科大学の修士課程に入学。自分がさらに進歩するため、現代の情報メディアを勉強し直す必要を感じたためという。
2010年、73歳で、東工大の客員教授に就任。

もともと、007号ジェイムズ・ボンドと、怪盗アルセーヌ・ルパンを合わせたらどうなるかというところから構想されたという「ルパン三世」は、「トムとジェリー」のトム役に銭形警部を、ジェリー役にルパン三世を、と登場人物を配し、トリックは古今東西の推理小説から借用して作られた。そういう、ごった煮的な匂い、ある種のいかがわしさも、本来の「ルパン三世」がもつ魅力である。

マンガ、テレビ、映画などなど、バリエーションに富む「ルパン三世」は、どれもおもしろいけれど、もっとも強烈な魅力を感じるのは、雑誌「漫画アクション」に連載されていた元祖「ルパン三世」である。
モンキー・パンチ自身が構想を練り、描いていた元祖漫画版のほうは、エロチックで、サディスティックで、いかがわしくて、ギャグの精神を忘れない、大人の味わいを持った漫画作品だった。たぶんあの形のままでは、ここまでのメジャー展開はむずかしかっただろうけれど、あそこにこそ「ルパン三世」の本質がある、という気がする。

自ら映画「ルパン三世」を監督した際、モンキー・パンチはこう発言していた。
「女性をほっぽりだしても自分は逃げると。そういう冷たさみたいなものをルパンはもっている。戦うときも女の子をかばわない。ハードボイルドタッチと、ゲーム的なおもしろさを出したい」
小説のアルセーヌ・ルパンもそうだけれど、元祖漫画版の「三世」にも、独特の苦みがある。この「苦み」こそが、漫画でも音楽でもなんでも、秀逸な作品を、凡庸な作品から隔てている急所である。
(2017年5月26日)



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