噛みつき評論 ブログ版

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役に立つ野党を

2017-05-29 10:20:44 | マスメディア
 米国ではワシントンポストやニューヨークタイムスなどの主要メディアや民主党がトランプ大統領の足を引っ張ろうと頑張っています。その結果、弾劾となりトランプが降ろされたり、次回に民主党が政権を取ったりする可能性があります。そうなればまともな大統領が選ばれて事態がよくなるという期待・希望があります。

 一方、我が国の野党と朝日などのメディアは森友学園や加計学園の問題などで安倍政権の足を引っ張ることに大変熱心です。しかしこれが成功して安倍政権が倒れた場合、どんなことになるのでしょうか。民進党(民主党)政権は過去の実績で無能が確認済みであります。多くの人は蓮舫政権や共産党政権を望みません。その先にあるのは希望ではなく絶望です。したがってたいていの人は野党を応援しようという気にはなれないでしょう。

 とすると左派メディアと野党の熱心な行動に果たしてどんな意味があるのか、考え込んでしまいます。まあ政府の監視という意味だけはありますが、国会の機能の多くを使うほどのものではないでしょう。

 調査によって若干の差がありますが、5月の民進党の支持率は概ね6~7%の水準です(テレ朝の報道ステーションの調査だけは11.9%となっていますが、統計誤差としては考えにくい数値なので無視することとします)。前回の政権党としてはまことに情けない支持率ですが、民進党の行状を見ているとこれはごく妥当な数値だと思われます。

 2009年「沖縄の基地を最低でも県外」あるいは「高速道路無料化」など、バラ色の公約を掲げて民主党は政権を取りましたが、3年余りの政権運用ですっかり信用を失いました。しかし現在の支持率低下はそれだけでは説明のつかないと考えられます。

 その理由のひとつとして彼らの言葉の信頼度が低いことが挙げられると思います。野党と左派メディアは安全保障関連法案を戦争法案と言いふらしました。また組織的犯罪処罰法改正案を共謀罪と呼びます。まあそういった要素が多少あったとしても呼び名を変えると誤解を招きます。一般の人は法案の内容を詳しく知りませんから、それを承知の上で誤解を意図しているように見えます。不誠実な手口です。

 また政権の閣僚が失言した時、大臣としての資質がないなどと針小棒大に騒ぎ立てるのが常です。この過激な対応は野党としての立場を目立たせる意味があるのでしょうが、あまりに過激な言葉は現実と乖離し、その信頼を失います。信頼の低下こそ支持率6%の大きな理由であるように感じます。

 先日、実に120年ぶりに明治時代に作られた民法の改正案が成立しましたが、この中にはもっと早く改正すべきであったと思われるものも含まれます。民法や税法のなかには時代の変化に合わせて変えるべきものが多くあり、それらを調査し、提案するのも野党の仕事として重要でありましょう。野党議員は野党議員である前に立法府である国会の議員です。時代に合わなくなった法を探し出し、改正案を作るのにはかなりの勉強が必要ですが、勉強の苦手な議員が多いのかと思ってしまいます。

 そしてどういう社会を目指すのか、具体的なイメージを示すことがさらに重要なことは言うまでもありません。人口、財政、格差などの問題に対して現実的な目標を示すことが必要ですが、あまり伝わってきません。支持率が低下していることに有効な手を打てず、一向に変わる気配が見えないのは首脳部の頭が硬くなっているためでしょうか。

 今の野党のやり方を見ていると昔の万年野党、社会党を見ているようです。先祖返りなのか、それとも一種の安定形なのでしょうか。まあどうであれ、国民に役立つ存在には見えません。野党がこんな状態では国民の選択肢も制限され、政治の世界に競争が働かなくなります。旧態依然の左派メディアとの関係も硬直化の理由であると思います。
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メディアは国を規定する

2017-05-14 23:49:21 | マスメディア
 今回の韓国大統領選挙では有力立候補者3名がそろって慰安婦問題についての日韓合意の見直し・再交渉を公約に掲げました。それは15年末の「最終的かつ不可逆的」とされた日韓の合意で、この文言はそれまで韓国側が何度も約束を反故にしてきた経緯を反映したものです。「最終的かつ不可逆的」とは今度こそは約束を守るという意味があったわけですからそれさえも破ろうという神経には驚きます。今後、この国との約束は不可能になるのではないでしょうか。

 注意したいのはこのような公然と約束を重視しない姿勢は一部の政治家ではなく、国民の多数が支持するものであることです。ここに我々との文化の違いを感じずにはいられません。こちらは国民多数の意向とは断言できませんが、核開発の中止を条件とした援助を受けながら何度もそれを破った北朝鮮の国家としての姿勢とも似ています。これらの国は文化人類学や比較文化学の対象として興味深いものでありましょう。

 それはともかく、反日を掲げなければ大統領が当選しないという珍しいお国柄であることは確かなようです。それは国民の多くが反日であり、親日派は少数派であることの反映なのでしょう。日本にとってはなんとも困った隣国です。

 朴前大統領の「千年たっても恨みは消えない」という発言から想像できるように執拗な国民性があるのか、それとも政権が国内の安定や結束のため外部に日本という「敵」を作ってきた結果なのか、あるいはその政策の影響によって子供達に反日教育を受けさせて来た結果なのか、多数の国民が反日である理由はいろいろ考えられます。

 さらにメディアの存在も重要です。国民の考えに非常に大きな影響を与えるからです。メディアが反日でなければ国民の多くが反日という事態には恐らくなってないでしょう。歴史的な遺恨が政府の安定に利用され、それが教育を通じて国民に浸透し、メディアがそれに乗じる、そしてまた反日政権が生まれるといった一種の悪循環が起きているように思われます。

 このような状況、日韓が対立するような状況は少なくとも長期的には日韓両国の利益にならないと思うのですが、あろうことか朝日新聞は従軍慰安婦問題を歴史の中からわざわざ掘り起こすだけでなく虚偽報道までして、その韓国社会の悪循環をさらに「強化」しました。韓国の反日メディアと朝日は協調して両国の対立に油を注ぎ、結果として双方に不利益をもたらしたことは否めません。

 韓国メディアの継続的な反日報道によって、反日は韓国の国是になった感があり、メディアが同国の外交方針を規定してきました。ユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものである…」という有名な言葉がありますが、韓国のメディアは戦争の下地を作っているとも言えるでしょう。つまり長期的な観点からは、韓国メディアは同国の利益に反するところがあったと思われます。

 こうして見るとメディアが国に与える影響、役割の重要性について改めて考えざるを得なくなります。日本の左翼メディアも似たようなものです。9条のおかけで日本の平和が守られてきたといった妄想を広めたために、安全保障に関する日本の選択可能範囲はずいぶん狭められました。メディアの見識が国の命運を決めると言ってもよいと思います。メディアがアホならば国もアホになるというわけです(民主主義国家ならば)。戦争の可能性が迫っているときに、森友学園事件をしつこく追及しているようなメディアもまた困りものですが。
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東芝危機に見る発想の硬直化

2017-04-30 23:52:19 | マスメディア
 東芝は米子会社で発生した巨額の損失のために危機を迎えているようです。2年続けて債務超過になれば上場廃止になると騒がれています。そのため、稼ぎ頭の半導体部門を別会社にし、それを売却することによって利益を出して債務超過を回避する計画であると報道されています。買収側が提示した価格は2兆円とか3兆円と言われています。

 素人ながら疑問に思うのは、2兆円か3兆円もの時価価値の資産があるならば売却しなくても時価に見合うよう再評価するだけで資産が増えて債務超過を回避できるのではないか、ということです。現在はそれが会計上の理由などでできないらしいですが、売却したとたんにその資産が何倍にも増加するというのは不合理です。

 きっかけは米子会社の損失を減損処理したことですが、これは資産価値を再評価して評価を下げることです。ならば同様に半導体子会社の資産価値を上げるように見直すことがなぜできないのか、不可解です。複数の買収提示価格という客観的な時価があるにもかかわらず、です。両者には正負の違いがあるだけで同じ意味の操作です。

 企業のオーナーが死亡した時、相続における株の評価価格は一般に額面ではなく時価で算定されます。つまり課税時には時価評価して、より高額の税を徴収できる仕組みです。この場合、時価評価は現実に行われているわけであり、合理性もあります。

 東芝の半導体子会社の売却は国益を損なうリスクもあるとされ、将来にわたって東芝が保有するのが最善だと思われます。子会社を任意に時価評価することが形式上無理ならば、規則や解釈を変えれば済むことではないのでしょうか。そりゃいろいろと不都合なこともあるかもしれませんが、憲法9条の下で自衛隊を持つ苦労に比べれば、大したことはないでしょう。

 私が無知なためかもしれませんが、東芝問題を会計の枠組みの変更で解決するという議論があってもよいのではないでしょうか。形式を重視し、実質を軽視する思考のためか、あるいは従来の枠組みの中だけで考えるクセがつき、枠組みそのものを問題としない頭の硬直化のためでしょうか。

 このような傾向は既存の枠組みの中で過ごした期間が長いほど、また脳が柔軟性を失うほど顕著になると、一般化してもよいでしょう。例えば、これは環境がどんなに変わろうとも憲法という枠組みを頑として変えたくない人たちにも適用できるかもしれません。蛇足になりますが、9条の会の呼びかけ人9名の内すでに半数以上が故人であることは当初からこの会が頑なな高齢者(最年少者が1935年生まれの大江健三郎氏)で結成されたことを示し、この推論を裏付けているとも考えられます。
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戦争危機の過少報道

2017-04-17 00:22:24 | マスメディア
 米国と北朝鮮の間で緊張が高まって、一触即発の危機にあるとも言われています。双方の代表であるトランプ大統領と金正恩第一書記、いずれも何をするかわからない人物であることが危機を予測困難にしています。戦争が起きる確率など計算しようがないというわけです。確率が不明であるが、その結果が極めて重大であるとき、できる限りの準備をするのが当然です。

 M8以上の南海トラフ大地震が起きる確率は今後30年以内に60~70%、今後10年以内に20%程度とされています。つまり大雑把に言うと、ここ10年間は1年あたり2%程度の確率と考えてよいでしょう。それでも地震への準備は進められています。98%起きなくても、起きた時の重大さを考えれば2%でも準備するのが当然です。

 北朝鮮はやがて米国を核攻撃する手段を持つようになるとされています。米国はそれまでにその脅威を取り除く意志がある筈です。中国からの圧力が成功しなかった場合、単独での軍事攻撃に踏み切る可能性が低いとは言えないでしょう。先延ばしは北朝鮮の攻撃能力を高め、米国だけでなく韓国や日本の安全をさらに脅かします。

 一方、米国が主導する政権が北朝鮮にできるのを嫌って中国が先に北朝鮮を攻撃する可能性もないとは言えないと思います。中国が北京-平壌間の国際定期便の一時停止したり、北朝鮮との国境に中国軍が終結しているとの報道もあります。今後どうなるか、予測は全く困難です。

 つまり日本が戦争に巻き込まれる可能性は無視できるほど低いとはとても言えないわけです。しかし一部を除けば、多くのメディアは戦争の可能性をあまり伝えていません。とくに左派メディアはその傾向が強いと感じます。この時期にスケート選手の引退報道を2日間トップニュースで報道した姿勢は理解に苦しみます。朝日・毎日は北朝鮮関連のニュースをあまり載せず、多く載せている産経と対照的です。

 護憲を主張するメディアは憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」を金科玉条のごとく扱ってきました。日本を攻撃する諸国民の不公正と不正義などあってはならないのではないでしょう。こんな国が存在すれば憲法前文や9条の存在が危うくなります。自衛隊の予算拡大に反対することも困難になります。

 このような体質は攻撃される危機を出来るだけ小さく見せようという傾向を生じます。しかし攻撃の可能性がないという根拠もなく、また攻撃を受ける確率が計算不可能である以上、注意を喚起すべきなのは当然です。意図的に危機を過少に報道することは国民に対する重大な背信行為であり、国民を必要以上に危険にさらすことになります。国民の安全より党派的な主張を優先するバカげた行為です。

 危機を報じてそれが杞憂に終わったとしても、適切に伝えずに危機を拡大してしまうよりはマシです。北朝鮮のミサイルに備えて避難訓練をしているのは私の知る限り秋田県男鹿市だけです。株価も日本が戦争の影響を受けるという地政学リスクが織り込まれて影響を受けているようです。漫然と報道を見ているだけでは戦争の危機などほとんど感じられません。これが実態を正確に反映したものであればいいのですが。
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時代錯誤

2017-04-02 23:59:53 | マスメディア
 3月20日、時代錯誤が疑われる人、森友学園の籠池氏は自宅に野党4党を招待されました。首を並べて参加されたのは共産党:小池晃、民進党:今井雅人、社民党:福島瑞穂、自由党:森裕子の各氏だそうです。いずれも各党の幹部で、力の入れようがわかります。

 教育勅語を教えるような右翼の学園主宰者に共産党や社民党が「応援」に行くのはなんとも不思議な光景です。招待する方もされる方も、節操なきことこの上なし、です。まあそんなことよりもお互いに現実の利益と党利が何よりも大切なのでしょうけれど。

 ところで国会は政策を議論する場だと思いますが、その機能を籠池問題に費す野党の目的は果たして何なのでしょうか。安倍政権を倒して野党政権を樹立するのが最終の目標だと思いますが、小池晃政権や福島瑞穂政権、蓮舫政権などを期待する国民がどれだけいるのでしょうか。鳩山政権で散々な目に遭っているわけで、期待するのは北朝鮮と中国くらいではないでしょうか。

 国会の場で政府の疑惑を追及するのはかまいませんが、野党がしつこくやりすぎては国会の本来の機能を奪ってしまいます。この問題は国会の機能を独占するほど重要なものではないにもかかわらず、とくに左派メディアが大きく報道しています。それは安倍政権の足を引っ張る効果があるからでしょう。その大報道を重要問題だと野党が勘違いして、しつこくやりすぎればればやがて野党は国民から嫌われてしまうことでしょう。

 ところで、安倍昭恵氏から100万円の寄付を受領したという籠池氏の発言を朝日はその真偽も確かめず、朝刊の一面トップに載せました。その一方、それを否定した安倍氏側の発表は夕刊最下部のベタ記事でした。この扱いのひどい差によって印象は大きく影響されます。どちらが嘘をついているかわからない段階でこんな扱いはないでしょう。右翼の籠池氏側に立つのも野党と同じです。これが「不偏不党の地に立って…」と綱領に謳う朝日の真の姿でしょうか。

 以前から現在まで朝日など左翼メディアは野党と同様、自民党政権の打倒を目標にしてきた観があります。しかし国民の大多数は蓮舫政権や小池晃政権を望んでいないと思われます。それは低迷する政党支持率を見れば明白です。左翼メディアにしろ野党にしろ自民党政権を倒すという目標は見えるのですが、そのあとのビジョンが私にはどうも見えてきません。

 現実的な将来ビジョンを提示し、それを実現する政策を示すという政党本来の機能が明確でありません。だからなんでも反対の野党と揶揄されるのでしょう。民主党政権は、政府批判だけに安住してきた野党が左派メディアの協力によって偶然政権を得たものであり、その失敗は必然的だと言えます。初めから政権を運用する能力備えていなかったわけです。なんでも反対の野党と左派メディアが共存するという「ビジネスモデル」は過去のものになりつつあるようです。この旧秩序にしがみつくのもまた時代錯誤と言えるでしょう。
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安心とは妄想なり

2017-03-20 09:21:23 | マスメディア
 築地市場の土壌汚染が明らかになったことに対し、小池都知事は「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」「人の健康に影響を与えることはない」とおっしゃったそうです。ではコンクリートやアスファルトで覆われた豊洲市場はなぜ安全でないのか、という疑問は当然です。

 高木啓幹事長は報道陣に対し、「豊洲では(有害物質が検出された)地下水の使用は全く想定されていない。豊洲についても科学的知見をベースに判断するべきだ」と述べたそうです。全くその通りで、都の専門家会議や他の科学的な評価もほぼ一致しています。さらに築地の方はクリーニング工場跡地とされ、有機塩素系溶剤の汚染が考えられますが、多分、これはベンゼンなんかよりずっと恐ろしい。

 ところが小池都知事は豊洲市場では「安心」が得られていないとの理由で移転を認めようとしていません。科学的な評価では安全であっても「安心」でないから移転はしないということらしいです。科学的・合理的な安全ではなく、不安という妄想によって政策が決定されていいのでしょうか。

 メディアは大袈裟に報道するのが常です。読者・視聴者を不安にさせる報道についてはとりわけ顕著です。不安は読者・視聴者を関心を引き、視聴率を上げます。所沢のダイオキシン騒動はテレ朝がちょっと不安を煽り過ぎただけです。その結果、神経過敏な人や見識のない人の一部は過剰な不安に陥ります。彼らの多くは科学的な説明が通じません。これが都知事のいう「不安」と呼ばれるものでしょう。

 不安は報道の副作用ともいうべきものですが、それを作り上げた主犯はメディアです。したがってメディアはその妄想を解消する責任がある筈です。しかし不安が自らの産物であるという意識は感じられず、悪いのはいつも事業者などです。不安は不合理である点で妄想や迷信と同じであり、それを解消する努力もせず、当然の事実として政策に反映させることは問題の解決を誤ります。

 豊洲移転が遅れることはだれの利益にもならず、それによって生じる費用を都民が払わせられるだけのことでしょう。都議会は豊洲移転の過去の経緯を掘り起こすの熱心ですが、あまり意味があるとは思えません。

 メディアと政治は科学的なわかりやすい説明をして、不安という妄想を取り除く努力をすべきです。コンクリートに覆われた豊洲市場に実害がないにも拘わらず、誤解に基づく妄想があるからと、移転を延期するのはバカげています。次は祈祷やお祓いでもやるしかないでしょう。

 豊洲への移転を問題化させ、その騒動を利用して人気を得、支持を集めた小池都知事ですが、その根拠が誤解に基づく不安だけということなら都知事は批判を免れないと思います。都議会は昔の罪を掘り起こす裁判所のようになり、移転遅れによる経済的損失だけでなく、議会本来の機能を麻痺させました。それは他の有用な政策の実現を妨げたことを意味します。この方、都知事として大丈夫なの、と思ってしまいます。
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2017-03-06 09:12:24 | マスメディア
 明るい顔・暗い顔、賢そうな顔・アホそうな顔、暖かい顔・冷たい顔、腹黒い顔・善良な顔、優しい顔・残酷な顔、気品のある顔・ない顔、意志の強い顔・弱い顔、攻撃的な顔・すぐに逃げそうな顔。厚かましい顔・謙虚な顔と、顔を形容する言葉は数多くあります。一方、見るだけで不愉快になる顔やその逆もあります。それらは私たちが他人の顔から様々な情報を得てきたことを示しています。

 つまり顔の形や表情の変化から我々は他人の精神的な特性を読み取っているわけです。それは恐らく、今まで経験した他人の顔と性格との関係を学習してきた結果なのだと思われます。しかし京都大学の正高信男教授らが学習経験のないチンパンジーや人間の3歳児を対象にした研究によると蛇を見て怖がるのはどうやら本能によるものであるそうです。これは特定の形に何らかの感情を呼び起こすようにプログラムされていることを意味します。ヘビを恐れることは本能によるものなのか学習によるものなのかの論争は19世紀から続いてきたそうですが、ひとつの結論が出たわけです。

 ホラー映画に出てくるような顔を怖いと認識するのは多くの人に共通することです。それは後天的な学習というより本能によるところが大きいのかもしれません。まあそれでも賢そうな顔や残酷そうな顔などという複雑な意味を認識するのは後天的な学習によるものだと思います。リンカーンの「男は40歳になれば自分の顔に責任を持たねばならない」、大宅荘一氏の「男の顔は履歴書」という言葉は顔と性格の関係性を前提にしたものと理解できます。

 人を評価するとき、我々は様々な要素を参考にします。身なり、言葉、経歴、顔、表情などですが、この中で顔だけは誤魔化しが困難です。立派なことを言う人だと感心したところ、あとでそれが本や新聞からののコピーであることがわかり、がっかりした経験があります。言葉による短時間の評価は危険です。また経歴は事実であってもその人の社会的な側面(外面)を評価するのに有効ですが、内面の評価にはあまり役立たないようです。ノーベル平和賞を受賞したマザーテレサは社会的には立派な人物ですが、サイコパスであり実は冷たい人間であったとする見方があります。

 トランプ大統領の顔はどうみても知性や気品があるようには見えません。最近、金王朝とも呼ばれる北朝鮮のロイヤルファミリーの面々がよく登場しますが、このロイヤルファミリーという言葉から想像される気品にはほど遠いように感じます。まあ政治家のの顔から謙虚さを感じることはめったにありません。私はいろんな顔を見てあれこれと想像を楽しんでいるのですが、鳩山元首相の顔だけはいくら観察してもわかりません。宇宙人と呼ばれる所以でしょう。

 顔による評価には精度という点ではちょっと頼りないところがあるものの、誤魔化しがききにくいだけに顔からの情報は貴重です。ただ気をつけたいことは観察がとくに有効なのは初期段階で、顔を見慣れるにしたがって得られる印象が他の要因のために変化することです。第一印象が重要視されるのはこんなところに理由があるのかもしれません。

 顔と性格の関係性に関心を持ち観察を続けていれば、ある程度は評価の精度も上がることと思います。顔のパターンと性格の関係を定式化した研究でもあればいいのですが、今のところ経験的な印象に頼るしかありません。将来、顔の画像分析が進んで、様々な性格が点数化されると面白いでしょうね。余談ですが、サイコパスというSF映画で、計測器が付いた銃を怪しい人物に向けるとその人物の「犯罪係数」が表示されるというのがありました。その数値によって即「処分」が決まるというわけです。ジョージ・オーウェルの管理社会のアニメ版にというところです。
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ポストトゥルース

2017-02-20 09:12:42 | マスメディア
 ポストトゥルースとは「ポスト真実」と訳され、客観的な事実が重視されない時代を意味するそうです。その結果、客観的な事実より感情的な判断が重視され、それに基づいた世論が形成されると言われています。近代の合理主義とは相容れないものですが、英のEU離脱やトランプ大統領の誕生などの現象の説明には有効であるように思います。

 客観的事実の軽視は言葉にウソがあってもそれほど批判されないことを意味します。トランプの言説にはウソが多く含まれていますが、それでも支持率がさほど低下しないという現象はそれを裏付けているようです。オルタナティブファクト(もう一つの事実)という言葉がトランプ側近によって使われていますが、客観的事実がいくつもあるわけがなく、嘘の別名に過ぎないでしょう。

 古今東西、ウソは非難されるべきものとされ、当然ながら嘘つき人間は信用を失います。しかしなぜ今回は大統領が嘘をついても寛容に受け止められるようになったのでしょうか。もう少し細かく見ると、大統領のウソに寛容なのはトランプ支持者だけであると推定できます。

 ここで疑問なのは、なぜ客観的事実を軽視するような人間が大量発生して大きな政治勢力を形成するようになったのか、ということです。むろん移民や難民がナショナリズムを刺激したことは大きい要素です。しかし私見ですが、これには既存メディアの影響力低下とネットの普及が強く関わっていると思います。

 既存メディア、例えば日本のテレビは視聴率を最重要、つまり金儲けを最優先してメディアとしての役割を優先せず、その結果アホな番組の大量生産をしてきました。しかし少なくとも報道番組では概ね事実を尊重し、建前としては社会正義の下に編集されて読者・視聴者に届けられました。つまりメディアは一種の情報フィルターの役割を果たしていました(フィルターの性能によっては問題がありますが)。そしてこのフィルターは概ね知的レベルの高い人々によって運営されてきました。

 それに対してSNSなどのネット世界では裏付けのないウソ話や本音むき出しの差別主義、利己主義が蔓延することを防ぐ手段がありませんでした。言わば床屋談義や井戸端会議レベルの情報が全体に影響するようになったと見ることができます。社会正義などによって排除されてきた差別主義などが自由なネット環境の中ですくすくと育ってきたと考えられます。

 もしこの推測が正しければ米国やヨーロッパで見られる社会の分断現象はこの先も続くであろうと思われます。多くの先進国では分断・混乱が起きていますが、幸いなことに日本ではそのような大きな混乱は見られません。その政治的安定は多くの支持を集められない無能野党のおかげであるともいえましょう。しかし将来、賢い野党が現れて、不満層を取り込んで社会の分断を目指す、そんな日がやってくるかもしれません。
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トランプ騒動から見えるもの

2017-02-06 09:42:03 | マスメディア
 このところ、テレビニュースが面白くてたまりません。トランプ大統領は次にどんな非常識なことするだろうか、それに対して世界の国やメディアはどう反応するのだろうと、興味津々の毎日です。同時に、臨場感豊かに繰り返し放送されるテレビに対して、このような刺激的なニュースにおける新聞のメディアとしての無力さを感じます。

 トランプ大統領に関する批判はもう出尽くしている感があるので今さら言うこともありませんが、ただそれらの批判の多くはトランプ嫌いのメディアから流された情報がベースになっているものであることを意識しておく必要があるでしょう。バイアスがかかっている可能性があります。

  中東・アフリカの7カ国を対象にした入国禁止令には世界各国で反対のデモが起きました。このデモ風景では、参加者それぞれが手製と思われるプラカードを持っていたのが印象的でした。プラカードの形や表現は様々です。日本や韓国のデモによく見られる、全員が同じプラカードを掲げて行進するのとはかなり様相が異なります。

 欧米で見られるデモでは参加者が自発的に参加したように見られます。これに対して日本や韓国でよく見られるデモは裏に組織や団体などがあって、主としてそれらが動員したデモであるようです。見かけは同じでも日本のデモは野党や野党系の市民団体による計画的な示威運動という色合いが濃いわけです。デモの規模が一定以上にならず限定されたものになるのはそのような事情があるのでしょう。一般人をも参加させるほどのデモがないことは社会にひどい分断がないことを示しています。

 ツイッターとトランプとヒットラーを合わせてトランプ大統領をツイットラーと呼ぶそうです。ヒットラーを思わせるところもあり、なかなかうまい表現だと思いますが、なぜかあまり普及していません。しかしトランプ氏は偶然出現したわけでなく、ごく簡単に言うと非インテリ層とキリスト教信者によって選ばれたと言われています。日本の鳩山由紀夫元首相は前代未聞の人物でしたが、彼をもってしてもトランプ氏の足元にも及びません。

 西欧諸国では宗教の影響力が徐々に下がっているが、アメリカだけは宗教の影響力が強くなっているとリチャード・ドーキンスは著書で述べています。いまだに半数の学校で進化論を教えていない事実はそれを裏付けているようです。進化論を知らない、あるいは否定するキリスト教右派がトランプ誕生に力を貸したとされています。

 非インテリ層と宗教信者が多数を占め、彼らの選んだ人物が国を支配する、これは「正しい民主主義」の姿です。ポリティカル・コレクトネス、フランス革命以来の自由や平等の価値など、彼らにとってはどうでもいいのかもしれません。民主主義だからとあきらめるしかないのでしょうか。

 時代が逆行しているような印象がありますが、これは稀なことではありません。ギリシャ時代に栄えた科学がローマ以後、主としてキリスト教支配の影響によって千年もの長き後退に陥ったこともあります。トランプ政権の誕生には白人労働者層ばかりが注目されていますが、キリスト教信者も一役買っているというわけです。
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トランプ革命

2017-01-23 09:28:41 | マスメディア
 不確実性はしばしばリスクと同様に扱われますが、経済学では起きる確率すらも計算できないものを不確実性とすることが多いようです。両者を厳密に区分することは難しいと思いますが、リーマンショックやこのたびのトランプ大統領誕生はまさに不確実性の好例でありましょう。何が起きるかわからない世界に我々は生きているという事実を改めて認識しました。

 それはともかく、約1年という長い時間と莫大な費用を使って民主的に大統領を選ぶ仕組みからトランプ大統領は生まれました。トランプ氏を支持したのは主として低所得の白人労働者層だと言われています。図式的に言えば既得権益層に対する虐げられた階層の反乱、つまり一種の平和的な革命であるという見方ができます。これは左翼が大好きなパターンであり、従来、このようなケースでは左翼メディアは絶賛してきました。

 ところが今回の左翼メディアの反応は全く異なります。アメリカ国民の意思が示されたとか民主的な手続きで誕生したからという理由でトランプ大統領を歓迎すれば、メディアの見識が疑われかねないという配慮からか、トランプ批判一色の観があります。

 さらにここで問題にすべきことですが、トランプ大統領を生んだ民主的制度に対する言及がありません。民主主義のもつ危険性を検討し、その弱点をなくする努力を怠れば第2第3のトランプが出てくるでしょう。ヒトラーも民主的な手続きによって生まれましたが、その特異な人格は世界に大災厄をもたらしました。国民が直接投票する直接民主制は特に危険性が高いように思います。

 低所得層の増加を招いたものは格差の拡大でしょう。格差を取り上げたサンダース候補は若年層からの圧倒的な支持を得ましたが、それをアメリカ社会の地殻変動だとする見方もありました。またピケティ氏の「21世紀の資本論」が売れたことは格差問題が深刻な域に達していたことを示すものです。トランプ大統領の誕生は格差問題が大きな広がりを持っていたことを証明したと言えます。恐らくそれは新自由主義の副作用なのでしょう。これらのことにメディアはかなり鈍感であったように感じます。

 さらに既成メディアの信頼低下も指摘されています。既成メディアはポリティカルコレクトネスなど理想論の建前があり、このことが社会にあるべき方向性を与えていた部分があります。しかしネット情報は本音中心で、こうした理想とは縁が薄く、これが白人労働者層の投票行動に影響を与えたとも考えられます。投票行動を決めるものは情報です。とは言っても日本の民主党政権の誕生には既成メディアの誤った認識があったと思われるのでいつも既成メディアが正しいとは考えられません。ややこしいことです。ネットの普及が衆愚政治への道を切り開くと言えましょう。

 我が国のメディアでも格差問題はしばしば取り上げられていますが、どこか他人事のような観があります。マスメディア、特に放送は業界別の所得が最高であり、累進課税の強化などが実施されれば不利益を受ける立場にあります。きっと自分たちが損をする方向に行くと大変なので、安保法制のようには熱が入らないのでしょう。

 格差の深刻化や貧困家庭の増加などを報じますが、その改善のために自分たち中高所得者層からもっと税金を出そうとは決して言いません。公正さや公平さを追及すれば課税強化につながり、自分たちが損をするという一種の利益相反の立場なのです。それを解消するには彼らをうんと低所得にする必要があります(実現は無理でしょうけど)。

 オバマ氏の就任演説は理想を高く掲げた格調高いもので、胸に響くものがありました。それに対してトランプ大統領の就任演説は一言で言えばアメリカ一国の利己主義の表明です。トランプ大統領の支持者層を反映した結果なのでしょうけど、理想や正義からあまりにも遠い内容です。アメリカのみならず、今後世界はこういう人の支配をうけることになるわけです。
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