パピとママ映画のblog

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マラヴィータ ★★★★

2013年11月19日 | アクション映画ーマ行
監督を務めるリュック・ベッソンが、マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの黄金コンビをそれぞれ製作総指揮と主演に迎えて贈るクライム・ドラマ。原作はトニーノ・ブナキスタの『隣りのマフィア』。FBIの証人保護プログラムによってフランスに移住した元マフィアの男とその家族、というワケあり一家が巻き起こす大騒動を描く。共演はミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズ。
<感想>スコセッシ×デ・ニーロ×ベッソン!?まさかの組み合わせでよる快作である。泣く子も黙る製作総指揮のマーティン・スコセッシとデ・ニーロの最強コンビが、フランス勢力のヨーロッパ・コープ社長、リュック・ベッソン(監督・脚本)と組み、米・仏の両雄を繋げてしまったのが、原作「隣のマフィア」のトニーノ・ブナキスタである。

フランスのド田舎に都落ちした元マフィア一家のドタバタ喜劇を、あり得ない豪華キャスト&スタッフで描いたのが本作なんですね。驚異的な腕っ節の強さと団結力で観客を魅了してきた最強ファミリーの数々を振り返り、映画における家族の強さを考察します。
ところどころでフランス語の台詞、でも英語の台詞の方が多い。ド田舎でもフランス人気質というか、「アメリカ人は全員バカで無教養で味覚音痴だ」という地元民たちの冷ややかな視線を、ぐっとこらえてホームパーティを開き、自慢のパスタ料理を振る舞う母親役のミシェル・ファイファーの腕前には賞賛の声も。
アメリカ人というと、ホットドッグにハンバーグ、コーラとピザが定番メニューと思っている地元民。しかし、「あいつら濃い味が好きだから、バターさえ入っていれば何でもいいのよ」と言い切る姉さんには、プッツンと切れるとプロパンガス爆発でドッカンですからくれぐれもご注意を。

面白いのが父親役のデ・ニーロが、かつてブルックリンでブイブイ言わせていたころの回想シーンでは、まさにスコセッシのギャング映画を彷彿とさせる空気感が再現されていて最高。ブルックリン高架下を我が物顔でかっぽするデ・ニーロ親分の勇姿が、いまの時代に観られるとは感動しきり。
そして物語の中盤で、スコセッシ監督の傑作「グッドフェローズ」(90)が、慈善活動の映画鑑賞会で上映されるシーンで、本当はヴィンセント・ミネリの「走り来る人々」をやる予定が、フィルムが間違って届いたという設定になってます。そこで映像こそ見せてはいないが、隣の席にFBIのトミー・リー・ジョーンズが座り、デ・ニーロが「グッドフェローズ」の映画の解説をする場面があります。もちろん地元の人たちにはヤンヤの大喝采でした。

この地でのフレッド・ブレイクはもちろん偽名で、本当の名前はジョヴァンニ・マンゾーニである。かつてはイタリア系マフィアを率いていたボスだが、殺し屋から狙われる身となり、FBIの証人保護プログラムを適用され、フランスの地でごく普通のアメリカ人を装っている設定なわけ。原作者のブナキスタも名前で分かるようにイタリア系なのだ。タイトルの「マラヴィータ」とは、イタリア語で裏社会の意味だそうで、この作品の中では飼い犬の名前になっている。

しかしだ、素性を隠しつつ慣れないフランスでの生活に、ブレイク一家はアメリカとのカルチャーギャップでストレスを溜めたり、地元民からはナメた扱いをうけたりする。だが、妻のマギーはクソ店員や常連客のいるスーパーを即刻爆破し、長女ベルは数学教師を誘惑。小柄な長男ウォレンは、学校内の人間会計を把握してパワーゲームの制覇者となるなど、それぞれ最強ファミリーぶりを発揮するのだが、・・・。
父親の血の気の多さを引き継いだ娘役のディアナ・アグロンは、帰り道の分からない彼女を騙して遠くへ連れ出したスケベ野郎を、テニスラケットが折れるまで殴打して、自分で彼らの車を運転して家へ帰るのだ。その他にも、怠け者の癖に口だけは一丁前なフランス人野郎どもを、父親のデ・ニーロが配管工事に来た職人を野球バットで滅多打ちにするシーンなどが満載です。

そこへアメリカからギャングの殺し屋たちがやって来るのだが、田舎町の警察に行き警察官を撃ち殺し、消防署の人間も撃ち殺し、デ・ニーロの家を見つけてロケットランチャーを発射!・・・ドッカンという凄まじい音とともに家が木端微塵。幸い家の中にいたデ・ニーロ親分は犬と一緒に外へ逃げ出していた。
迎えの家に張り込んでいたFBIの捜査官たちも撃たれてしまい、そこにいた妻のマギーはピンチに。そこへ助けに来たのがデ・ニーロ。子供たちもヤワじゃない。銃を手に戦うのだ。もちろんFBIのトミー・リー・ジョーンズも助っ人に来ますよ。
主人公一家を監視するFBI役のジョーンズ星人とデ・ニーロは、本作が意外にも初共演だそうです。
最近のベッソン監督は、「96時間」シリーズで、“アクション+家族愛”に活路を見出し、全米でも大成功。しかし、忘れてはならないのがNYを舞台にしたイタリア系の殺し屋を描いた「レオン」が最高だった。それにプロデューサーとしては、「TAXI」や「トランスポーター」シリーズなど娯楽アクションもよかった。
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