パピとママ映画のblog

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サン・オブ・ゴッド ★★★.5

2015年01月16日 | アクション映画ーサ行

2013年3月からヒストリーチャンネルで放送された、全10話のテレビシリーズ「ザ・バイブル」を基にした歴史ドラマ。イエス・キリストの誕生から復活までを、壮大なスケールで追い掛けていく。メガホンを取るのは、「ザ・ローマ 帝国の興亡」などのテレビドラマで活躍するクリストファー・スペンサー。モデル出身のディオゴ・モルガドがキリストを熱演、その美しいルックスが、アメリカでの公開時に話題となった。政治や歴史の情勢からもキリストの運命を見つめるという視点にも注目。
あらすじ:イスラエルの王になると預言されて生まれた男、イエス・キリスト(ディオゴ・モルガド)。伝道の旅の末、エルサレムに入ったイエス・キリストは、隣人愛と神への進行を説くものの、ローマの支配からの武力解放を望む民衆との温度差は埋めようもなかった。
やがて彼の教えは人々に広まるようになっていく。

しかし、そんなキリストを権力者たちは危険人物と見なして迫害。「過越しの祭り」の前夜、民衆の暴動を警戒し、裏切り者ユダを使ってイエスを逮捕に動く大司教。イエスは、その夜が「最後の晩餐」になると弟子たちに告げる。
保身に走るローマ総督ピラトは、大司教の煽動する民衆に、イエスの処遇をゆだねる。ユダヤの民から石持て追われたイエスは、十字架を背負いゴルゴダの丘に向かう。

<感想>TVシリーズは見ていませんが、新約聖書に記されたイエス・キリストの姿を忠実に映画化したものです。波乱に富んだイエス・キリストの生涯を、ドラマチックにかつ分かりやすく映像化しています。
ストーリー前半は、いかにイエスの教えが人々の心を掴んでいったのかを、美しくも感動的なエピソードを散りばめテンポ良く描き、後半では、エルサレム入りしてからの“危険人物”イエスを巡る、ユダヤ教祭司やローマ総督の暗闘がサスペンスフルに展開する。

また、TVドラマ版から引き続き主役のイエス・キリストを演じるディオゴ・モルガドが、あまりにもイケメン青年過ぎるという話題にもなっている。ポルトガル出身のモルガド、その色男ぶりは、苦難の道を歩むキリスト像にはちょっと難役かもしれませんね。それでも神秘的な眼差しは、物語に説得力を与えているようです。

今作では、神の子としてのイエス像だけでなく、ローマ帝国支配下のイスラエルでいかに民衆を扇動する危険人物とされたのか、大祭司とローマ総督の政治的駆け引きも見ものです。
それに、イエス・キリストが起こす奇跡のシーンも満載です。寝たきりの老人を病から生き返らせて歩かせるし、嵐のガリヤラ湖を歩いたり、ラザロが死んで4日経っているのに洞窟の墓から蘇らせたりと、聖書に描かれたイエスの“奇跡”を余すところなく映像化している。
さらには、分け隔てすることなく、あらゆる者に深い愛情を注ぎながら教えを説いて回る彼だったが、その一方で弟子に対して挑発的な態度を示したり、怒りに任せて神殿を汚す両替商の屋台を破壊し、祭司たちを偽善者とののしるなど、感情的で人間味にあふれる人物でもあった。

しかし、十字架に張り付けになる前に、40回もの鞭打ちの刑を受けるシーンでは、綺麗なボディにムチの傷跡が、血が滲んで痛々しさを感じました。天に存在する父親である神が、人間の神の子としてこの世に遣わした肉体を持った救い主。

肉体を持つ人間と同じく体に鞭打たれ、自分の十字架を背負わされて、すべての人間の罪を背負いながらゴルゴダの丘の上まで歩く苦渋など、人間であるがための肉体の痛さを体験しつつ、十字架に張り付けにされ両手、両足を釘で打ちつけられ心臓を槍で突かれて死んでしまう。とても痛々しい重い拷問にでもあっているような、我が子が十字架に張り付け処刑されるのを、何もできずに見ているだけの母親マリアの悲しみ、そんなシーンについ涙が出てしまいます。

イエス・キリストの数奇な生涯を解き明かす歴史スペクタクル。それは、時間軸にそって分かりやすく進んでいきます。救世主の誕生、奇跡、愛、裏切り、死、有名なイエス・キリストの復活であります。分かっていても、あまりにも酷すぎて、思わず目を逸らしたくなる場面もあります。
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