パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

僕とカミンスキーの旅 ★★★

2017年06月19日 | アクション映画ーハ行
『グッバイ、レーニン!』のヴォルフガング・ベッカー監督とダニエル・ブリュールが再び組み、ダニエル・ケールマンの小説を映画化したロードムービー。ヨーロッパを舞台に、美術評論家の青年と老画家が行く先々でトラブルを巻き起こす様子を活写する。有名な画家を『007』シリーズなどのイェスパー・クリステンセンが好演。魅力的な登場人物による型破りな旅の行方に注目。

<感想>『グッバイ、レーニン!』が大ヒットしたヴォルフガング・ベッカー監督、主演がその映画で国際的なスター俳優にのし上がったダニエル・ブリュールであり、なんと12年ぶりの顔合わせというから期待しない方がウソになる。ピカソとも親交のあった盲目の画家マヌエル・カミンスキーの絵は観ていないので知らないが、今度のブリュールの役柄は31歳の美術評論家。とはいえ、評論家とは名ばかりで、無知で無能な一匹おおかみである。

美術史にその名を残す85歳の天才画家カミンスキー、演じているのがイェスパー・クリステンセンで、カミンスキーを引っ張りだして自伝をでっち上げて一儲けを企むお話。
ところでこの天才画家であるマヌエル・カミンスキーとは、いったい何者なのか?・・・ポーランドからパリへ出てマチスの弟子になりピカソらとの交友の後、ニューヨークで「盲目の天才画家」ともてはやされるものの、突然引退してスイスの山に引きこもり、という怪しげなプロフィールが冒頭で紹介されるものの、その後の人生はこの映画が引き継いだかっこうで、スイスで隠遁生活を送るカミンスキーを見つけ出し、接触を試みるゼバスティアン。

スイスまで押しかけ、“招かれざる客”となったセバスティアンが、カミンスキーの娘をはじめとする周囲の人々に煙たがられる様子が描かれる。しかし当のカミンスキーは、セバスティアンの空気の読めなさや図々しい振る舞いを内心面白がっており、一見正反対の2人の相性の良さを感じさせるシーンとなっている。

地下室にあるアトリエから、カミンスキーが描いた油絵を何枚か盗んでいくセバスティアン。最後に、本当に自分の自伝を書いてくれとカミンスキーが、彼が盗んだ絵にサインをしてやるところで終わるものいい。
食えない老人、カミンスキーに振り回されながらも、彼がかつて愛した女性のもとへと一緒に旅に出るセバスティアンだったが…。31歳の美術評論家と85歳の盲目の天才画家の二人三脚の旅が描かれていく。
いうなれば、“うさん臭さもここに極まれり“といった超個性派2人の勝手気ままなロードムービーなのだが、どこまでが本当なのか、何処からがウソなのか、変幻自在に虚実が入り乱れていての連続であり、とにかく85歳の盲目の画家であるカミンスキーが、もしかして認知症でボケが入っているのか、旅行ができない心臓病とか病気はないのか?心配ばかりしてしまった。

それでも、不即不離の2人の関係は、途中で車を盗まれて困ってしまい、セバスティアンの恋人の家まで行き、車を失敬して旅行を続けるという。

その恋人の家が、また贅沢で日本のものが好きと見えて、書道の漢字を書いた額が壁に飾ってあったりと、部屋の備品とか日本贔屓がまた良かった。
やがては化学反応を起こしてカミンスキーの「永遠のミューズ」との再会へと至るのだが、ギャグ満載の巧みな筋運びと、毒の効いたセリフで見事な風刺喜劇に仕上がっている。
だが、何といっても勝因は2人のキャスティングにあると思う。ここのところ、幅広い役柄に挑戦して絶好調のダニエル・ブリュールは言うまでもなく、カミンスキーを演じたイェスパー・クリステンセン爺さんの怪演ぶりは一見の価値がありですから。

もともとはデンマーク出身の「007」シリーズのミスター・ホワイト役で名を馳せたが、頭を丸めてサングラスに蝶ネクタイ姿もピタリと決っているのはさすがでした。他にもチャールズ・チャップリンの実娘のジェラルディン・チャップリンがカミンスキーの元恋人を演じており、かなり老齢ではあるけれど、昔は魅力的だっただろうという感じと、完全にボケている恋人に話を合わせる優しさもある。レオス・カラックス監督作の常連ドニ・ラバンがホームレス役を演じっているのも良かった。

老いと人生の皮肉を描いている、カミンスキーは海辺でたそがれるシーン。そして、唯一彼の哀しみを理解してくれるだろうゼバスティアンが持ち出した作品に、サインをする。ここで描かれるカミンスキーは実在の画家ではないけれど、こんな画家はいそうですよね。
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どこがボケで、どこまでがおとぼけ? 公式サイト http://www.meandkaminski.com 原作: 僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅 (ダニエル・ケールマン著/三修社)監督: