パピとママ映画のblog

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42~世界を変えた男~★★★★

2013年11月23日 | や行の映画
黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記ドラマ。白人の世界だったメジャーリーグに飛び込み、偏見や差別に屈することなく奮闘した彼の姿を描く。監督は、『L.A.コンフィデンシャル』の脚本家としても知られるブライアン・ヘルゲランド。テレビドラマ「FRINGE/フリンジ」などのチャドウィック・ボーズマンが、ジャッキーを快演。親身になって彼を支えたドジャースの重役ブランチ・リッキーを、名優ハリソン・フォードが徹底した人物リサーチと特殊メイクを施して演じ切っている。
あらすじ:1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。

<感想>みなさんの評判がいいようなので、終わらないうちにと鑑賞した。メジャーリーグ全球団で永久欠番となっている唯一の背番号「42」。この背番号を背負っていたのが、近代メジャーリーグ初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソン。
ウィキペディアで調べて見るとたくさんの選手の番号が載ってましたね。
そうはいっても、余りメジャーリーグに興味がない私には、初めて耳にすることばかり。日本の野球界で知っているのは、王貞治の1番と、長嶋茂雄の3番、沢村栄治の14番、川上哲治の16番、金田正一の34番くらいなものです。
いや、ここ数年の映画に出演した中でハリソン・フォードの演技がすこぶる良かった。球団職員には、「すべてお金のためさ」とビジネスマンとしての顔を貫き、ベンチ裏でロビンソンと2人きりになると、元野球少年の素顔をのぞかせ擁護してくれる。
それに、彼が演じたオーナーのバックアップにより、第二次大戦直後のアメリカ野球界の黒人選手差別の問題を、声高に叫ぶことなく忍耐と努力で乗り越えたジャッキー・ロビンソンの姿が神々しく見えました。

人種隔離制度が廃止されるのは1964年になってから。ロビンソンが球界入りしたのは、人種差別バリバリの時代で、黒人は白人と一緒にホテルに入れず、トイレも使用できなかった。野球場の中でも別に設置したトイレを使用した。これは以前に観た「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でも、黒人差別で酷かったですよね。
400人もいたメジャーリーガーたちは全員白人選手で、彼のメジャー挑戦がいかにどれだけ画期的なことだったかが分かります。天才興行師として鳴らしていたブランチ・リッキー会長の「1ドル紙幣は白でも黒でもない、緑色だ」という言葉が最高に奮っています。だから、ロビンソンを入団させることでチーム力がアップし、黒人層の観客動員が見込めることも頷けますね。そして、人種差別のない社会づくりに野球界が率先して取り組んでいることをアピールしているようでもあります。
実は、リッキー会長と契約を結ぶ前に、ロビンソンが所属していたのは黒人のリーグ。時速170キロの豪速球を投げた超人級のスター選手がゴロゴロしていたが、ロビンソン選手の温厚な性格も考慮しての抜擢だった。

UCLAにに在籍し、陸軍将校も務めたロビンソンなら、球場内外で起きるトラブルに絶えうる理性を持っているだろうと。実際に、フィールドに足を踏み入れたロビンソン選手は四面楚歌状態になる。対戦チームに観客は「ニーガ」の大連呼。デッドボールを投げられ、審判は不利な判定を下す始末。
チームメイトもファンもマスコミまでブーイングをする孤立無援のなかで、彼はみんなが、自分にも納得する結果を残さなくてはならないのだ。
一挙に盛り上がりそうなところを、ぐっと抑えて淡々と描いていくところなど、知的な脚本と、10年ぶりのブライアン・ヘルゲランド監督の演出が素晴らしいですね。
しかし、実際の差別はこんなものではなく、それは今日まで延々と続いていると言われていることで。永久欠番の「42」こそ、彼らが犯した行為がいかに罪深いかを示している証なのです。

野球映画独特の快楽もちゃんとあるのだが、「偉人伝を見た」という印象を受けた。人種差別をするのは悪人だし、差別に負けず地位を築いていく人は偉いし、差別心なく支える理解者は善い人。そういうズバリな演出で描かれている。
人種差別主義者は憎々しげに卑劣な行為をして、偉人の主人公は怒り返すこともなく、強い精神力で乗り越え理解者を増やしていく。忍耐と努力の人ですね。
ジャッキー・ロビンソン選手の得意技がリード、というところに目を付けたのが、何より成功の鍵になったのだろう。差別や迫害があり、打席では危険球を投げつけられるが、塁に出てしまいさえすればルールに守られ自由を謳歌できる。彼のガッツはその不敵な走塁術に託して表現されたのだ。
球場の外で描かれる彼の偉人伝的物語は、教科書的な再現映像として見えてしまうリスクもあったが、感動するシーンの方が断然強く印象に残ってしまった。
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