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監視者たち ★★★★

2014年09月19日 | アクション映画ーカ行
監視を専門とする刑事と武装犯罪グループの手に汗握る攻防を描き、韓国でヒットを記録したサスペンスアクション。犯罪グループの統率者を『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソンが、凶悪犯の行動を見張る韓国警察特殊犯罪課の刑事を『シルミド/SILMIDO』などのソル・ギョングが演じる。共演は『王になった男』などのハン・ヒョジュと、2PMのメンバーであるジュノ。緊迫感あふれるストーリーとアクションに目を見張る。
あらすじ:韓国警察特殊犯罪課で凶悪犯の行動監視を専門とする班長ファン・サンジュン(ソル・ギョング)と、記憶力、洞察力、集中力に人一倍たけている新人刑事ハ・ユンジュ(ハン・ヒョジュ)。二人はジェームズ(チョン・ウソン)率いる武装犯罪グループを追っていた。しかし、ジェームズは巧みな戦略で彼らの監視網をかいくぐっていき……。

<感想>冒頭にて、地下鉄の車両の混みあう中で、席から立ち上がるやいなや、目の前の女性客と接触し悪態をつかれる冴えない中年のメガネ男。まさかこの男が刑事でハヤブサと名乗る班長とは思っても見なかった。そして、可愛い女の子が、その様子うかがっている。まさかこの女の子も刑事なのかと、やっぱり大当りで、しかも監視者としての試験の真っ最中だったとは。
何の変哲もない車内の風景を映しながらも、どこか緊張感のあり謎をはらませつつ、彼らがこの映画の主要人物であることを見せていく。

この映画にはオリジナルがあって、警察と組織の攻防を描いた2007年の香港作品。ジョニー・トー組の頭脳、ことヤウ・ナイホイ監督が手掛けた「天使の眼、野獣の街」のリメイク作品なそうです。
それにしても、冒頭でここまでオリジナルと同じように描くのはどんな理由なのか。文句なしの傑作であるオリジナルに敬意を表してのことなのか。全編を通してたぶんどれも正解であろう、つまりは、オリジナルのプロットの緻密さとその魅力を的確につかんだ上で、オリジナル以上のものに仕上げるとの意思表明なのかもしれませんね。
しかし、韓国映画としてさらには、エンタテインメントとして醍醐味をより高めることに挑戦したといえる。リメイクの鑑ともいえる姿勢を持つ作品なのだ。

そんな作品が、ありがちな題材ともいえる警察ものにして、斬新かつ現代的なのは、街中の監視カメラを駆使し凶悪犯の行動監視を専門とする刑事たちと、ボスがビルの屋上から全体を見渡し指示を与える犯罪組織の「天上の眼VS天上の眼」を描いている点であろう。
互いに接触することなく、しかし監視側は見失わず、組織側は監視の目を感じながらの、じりじりとした攻防が、後半で彼らが接近遭遇するさいの、緊張感を異常なまでに高めて、サスペンスとしてはまさに1級品である。
リメイクでありながちな、恋愛の要素は一切入れずに、より緻密な監視描写やダイナミックなアクションに費やした姿勢にも感心する。

それと、今回の配役にも驚いた。犯罪グループのボスの“影”を「私の頭の中の消しゴム』「レイン・オブ・アサシン」「デイジー」のチョン・ウソンが演じていて、あの優しい顔で悪役を演じるのが、また素晴らしい。

一人一人が耳に通信網を付け、ハヤブサ班長の采配を待つ。みなアダナで呼ばれて、新人のハ・ユンジュは小鹿と自分で決めたのに、子豚になってしまった。他にも、イケメン青年のリス(イ・ジュノ)がカッコ良かったのに、犯人のボス“影”に見つかってしまいナイフで殺されてしまう。その時に、子豚も傍にいたので早くに救急隊に連絡したいのに、リスの傍にたくさんの監視員が近寄ることは許されないのだ。
ロッカーに閉まってある警察の制服も、着るときは誰かの葬式の時だというのだ。それに、監視者が刑事であるのに、喧嘩やレイプとかを目撃しても、今追っている犯人の事以外は、何もしないという、手を出してはならないのだ。
さらには、韓国版独自の結末には、個人的には因果応報的なあっけなさに、むしろ唸ってしまった。韓国ならばこその熱さと最後に凝縮させたものとして、これもありかと感心してしまった。
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