パピとママ映画のblog

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マジカル・ガール★★★

2016年05月07日 | アクション映画ーマ行
日本の魔法少女アニメにあこがれる少女とその家族がたどる、思いがけない運命を描いたスペイン映画。独創的なストーリーや全編を貫くブラックユーモアが話題を集め、スペインのサン・セバスチャン国際映画祭でグランプリと観客賞を受賞するなど、高い評価を獲得した。監督はこれが長編映画デビュー作となる新鋭カルロス・ベルムト。
あらすじ:白血病で余命わずかな少女アリシアは、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファン。ユキコのコスチュームを着て踊りたいというアリシアの夢をかなえるため、失業中の父ルイスは高額なコスチュームを手に入れようと決意する。しかし、そんなルイスの行動が、心に闇を抱えた女性バルバラやワケありな元教師ダミアンらを巻き込み、事態は思わぬ方向へと転じていく。

<感想>父親のルイスの物語がバルバラへの物語に、そしてそれがまた違う話へと展開していきます。いくつかの物語が交錯するというと、いろいろありますが、交錯自体のトリッキーさで驚かせるような安い群像劇ではなく、何がそれぞれの人生に影響を及ぼして行くのかを、しっかりと描いて行き、それがもう溜め息しか出ない結末へと向かっていくんですね。
オープニングで長山洋子のアイドル時代のデビュー曲「春はSA-RA SA-RA」が流れます。それに、日本の架空のアニメ番組で「魔法少女ユキコ」に憧れている少女が、そのキャラに成り切り、踊る姿が目に飛び込んでくる。
スペイン出身のカルロス・ベルムトは、東京は第2の故郷だといい、なんと年に4カ月は実際に滞在しているというのだから驚く。日本のカルチャー全般が好きだといい、長山洋子だけでなくエンディングでは、美輪明宏の「黒蜥蜴の唄」まで流れてきて、本当に筋金入りの日本通ということでもあります。

日本の魔法少女に心を奪われたスペインのいたいけない少女の“ある願い”が想像の及ばない角度で飛び火していき、ついには冒頭の女性徒と教師の、時を超えた再会と再戦のリターンマッチを用意する。
アリシアが魔法少女となって不幸な人たちを助けにいく物語なのかと思った。ですが、全然違っていて、不幸話の連続であり、アリシアの父親は、大人になったバルバラと浮気をして彼女を脅迫し、お金を取ろうとする。それは娘に魔法少女の衣装を買うために。

だから、金を工面するために、バルバラを怪しい風俗みたいなところで働かせる。そのお金で念願の高額なコスチュームを手に入れるのですが、肝心の魔法のステッキを見落としたのですよ。
娘のアリシアはガッカリして、魔法少女ごっこのアイテムといえば、まずはステッキが必要なのに、それも、そのステッキが超プレミア価格がついて260万円もするわけ。

だから、父親はそのステッキを買うためにまたもやバルバラを脅迫するわけ。それでもバルバラは風俗へいき働くのですが、それがハードなSMプレイでボコボコにされて、病院送りになってしまう。そんな彼女が小学校時代の先生に助けを求めるのだが、・・・。何故か先生は刑務所に入っていて、出所したばかりなんですね。この2人には、過去に何かあったんですよ、だから先生はバルバラの頼みを断ることが出来ない。そうして、先生は最後に、アリシアと父親を射殺してしまうわけ。

その旅路の動力源は、人生における不可能な因果、夢の成就と代償のシーソーゲームなのだ。つまりは、「私の幸せは誰か見知らぬ他人の献身、犠牲によって辛うじて成立しており、当然逆もまたあり得る」という考え方のようだ。
この監督の演出は、あえて肝要な場面を描写せずに、寸止めで省略して、観る側のイマジネーションを刺激するのが上手いように見えた。
結果としては、何一つ確かなことは分からず、謎がどんどんと増えていくのだが、何にしろ暗すぎるのだ。肝心のことを描いていないので、先生がなんで刑務所へ入ったのか?・・・・とか、結局は観客のご想像にお任せしますって寸法なのか、何とも魔術的な映画なのだ。

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