パピとママ映画のblog

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ゼロ・グラビティ3D ★★★★

2013年12月14日 | アクション映画ーサ行
トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極限的状況を最新VFXと3D技術を駆使して描いたSFドラマ。
スペースシャトルのメディカル・エンジニア、ストーン博士とベテラン宇宙飛行士のマットは、船外作業をしていたところで予想外の事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。空気も残りわずかで地球との交信手段も断たれ、たった1本のロープでつながっているだけの2人は、絶望的な状況の中から生還を目指すが……。
ストーン博士役にサンドラ・ブロック、マット役にジョージ・クルーニー。撮影は「トゥモロー・ワールド」も担当した名匠エマニュエル・ルベツキ。脚本はキュアロン監督と、監督の息子ホナス・キュアロンによる。
注意:全部ネタバレで書いてますので、あしからずご了承ください。
<感想>早速昨日、3Dで観てきました。舞台は地球上空60万メートル__音も酸素も気圧もない、無重力空間<ゼロ・グラビティ>。サンドラ・ブロックと、ジョージ・クルーニー扮する宇宙飛行士が、予測もしなかった事故によって宇宙空間に投げ出され、絶体絶命の危機に陥る。果たして二人は地球に戻ることができるのか?・・・。

「アバター」以来の臨場感あふれる3D映像とも称賛され、ジェームズ・キャメロン監督も「史上最高の宇宙映画」と絶賛したという。
まずは、冒頭から観る人を壮大な宇宙へ連れて行ってくれる。終りのない膨大なる空間、オープニングは、母親と子供を結ぶ“へその緒“のような、たった1本の管で繋がれた危うい生命の絆を頼りに、フワフワと無重力の無限の空間を遊泳する人間の姿が見える。それは人間が大自然の中ではいつも小さな、頼りのない存在であることを見せているかのようだ。
スペースシャトル・エクスプローラーの、テレスコープへ新しいシステムを取りつけるミッションを持って送り込まれたライアン・ストーン博士に、サンドラ・ブロックが演じてます。この女性は宇宙にいること自体どこか不安げで、居心地が悪そうに見えた。訓練を受け選ばれた宇宙飛行士なのに、どこか落ち着かない女って感じです。
もう一人は、余裕たっぷりのベテラン宇宙飛行士コマンダーのマット・コワルスキーには、ジョージ・クルーニーが演じている。彼はこれが最後のミッションだというので、新しく開発された命綱なしで宇宙を自由に飛べるジェットバックの機能性をテストしたりして楽しんでいる。

そんな時、ロシアの通信衛星の一つがミサイルで破壊され、大惨事に巻き込まれる。その通信衛星が粉々になり凄い勢いで破片が飛んで来るのだ。
あわてて、サンドラはミッションを早くすまそうとするも、時すでに遅しで粉々になった破片がビュンビュンと、それは3Dですので顔面の近くまで破片が飛んで来るような錯覚が恐怖です。それに、サンドラがぎゃあぎゃあとワメキ散らす声が煩くて、この女性は本当に半年間の訓練を受けた選ばれた宇宙飛行士なのか?・・・でも、人間は誰しも急な事態には、このように落ち着きがなくワメキ散らしてジタバタするものなのか。でも、このサンドラはとにかく性格もあるのでしょうが、ひどいですよ。どちらかというとコメディ要素があって、緊迫感を和らげるために選ばれたのかもしれませんね。

とにかく、彼女たちが乗っていたエクスプローラーが宇宙のゴミに破壊され、宇宙飛行士たちがその犠牲になってしまうのも、もちろん映し出され悲惨な現状です。
宇宙のゴミの破壊力は、使い捨ての古い衛星の破片や、過去のミッションで使われ放ったらかされた部品などが、ゴミの川のようになって、地球を回る軌道に乗りもの凄いスピードで飛び交っているんですから、これは恐怖です。
今、宇宙のゴミは深刻な問題になっていて、NASAがそれをケスラー・シンドロームと呼んで、危険性をすでに発表している。ゴミとゴミがぶつかり合って、さらにゴミの数が増える。宇宙飛行士たちがゴミの破壊力の危険にさらされているのは現実そのもので、それはいずれ地球にも影響を及ぼす可能性があるというのだ。
さて、宇宙空間に放りだされ生き残った二人は、地球とのコミュニケーションも断たれ、暫くは頼りにしていたマット(クルーニー)が「俺がハンサムで驚いたろう」とか「ソユーズ宇宙船へ行こう」と発案する。宇宙服もリアルで、手についた鏡で時おりサンドラを見ているジョジー。
東の空が明るく太陽が昇っているのが見える。美しいなんて感傷にはひたってられない。とにかく、ソユーズまで二人はゆらゆらとマットの背中に背負ったジェットバックで飛んでいく。

そこで、ジョジー兄貴が「俺はここでお去らばだ」と繋がれていたホースを外して飛んでい行ってしまう。そこからは、サンドラ姉さんが一人で地球へ帰還するため奮闘するわけ。ソユーズの中は散乱しており、宇宙船の中では、宇宙服を脱ぐとスレンダーな、サンドラの肢体が無重力の中を泳ぐように進むのが見えます。
ところが船内で火事が発生。消火器で消そうとするも、とても一人では消すことができず、脱出ポットの中へ入る。そこでも、訓練では一度も着地が出来なかったと嘆くサンドラ。でも、そんなこと言ってられない。マニアル本を読んでスイッチを押す。脱出成功するも何かが引っかかって、逆戻りです。パラシュートのロープが絡んでいて、それを外さないと、ところが、早くしないと次から次へと宇宙のゴミがぶつかって来るのだ。ところがソユーズに宇宙のゴミに当たって崩れ、一歩間違えばサンドラも、ゴミと一緒に軌道にのってしまうところだった。

宇宙服を着て、船外へとロープを切断するために。だが、パラシュートのロープが足に引っかかって取れない。そこへ、ジョジー兄貴が飛んできて助けてくれる。なんて頼もしいお方なんだろう。自分はいいからと、中国の宇宙ステーション神舟、天宮まで無事到達できるのか。それが行くのですね、彼女のパワーはどこから湧いてきてるのか、「宇宙なんて大嫌い」という彼女。ただ地球へ帰りたいとそれだけを思って行動するのみです。中国の通信網と接触するも、犬がワンワン吠えているし、中国語で話すし、赤ん坊の泣き声もラジオみたいな、それでも暗い宇宙で狭いポットの中では、そんな音も嬉しい。
酸欠状態で、途中で気を失ったサンドラ、夢の中に突然ジョジー兄貴が現れて隣の座席に座っているのだ。かなり勇気ずけられた様子。いつも着陸に失敗していたサンドラ、マニアル本をしっかり読んでと、これが凄いのなんのって、消火器のようなボンベで噴射しながら入口へと進んで中へ入るんですよ。

そこからも大変、中国語なんて読めないし、で適当にボタン押しまくって脱出成功なのだが、とにかく船内が熱いのだ。ロケットの外が燃えているし、中国ステーションもバラバラになって一緒に地球へ落下しているのですから。
それでも、やっぱ何処だかしらないけれど、海の中へザブンと着水成功。でも扉開けたら海水が入って来て、沈んでいくし、これでは溺れ死んでしまう。急いで宇宙服を脱ぎ捨て、海面へ浮上する。砂浜の大地が嬉しいよね。無事、地球へ帰って来たんだもの。それが、違う星だったら、なんて考えるのはよしましょう。

殆ど全篇、サンドラの独り言でまくし立てて、パニック状態を見せつけられる。だが、実はNASAで宇宙飛行士としての特訓を受けているそうです。しかし、全てがCGで作られており、実際のセットはまったく使われていないのだ。だから実写映画というよりは、人間を使ったCGアニメーションに近い。このシンプルな映画も圧倒的な視覚効果と、そして生への確信という力強いメッセージを送るために作られたものだから。
ヒューストンからサンドラに連絡している声を、エド・ハリスが演じているそうです。最後の方なので、よく注意して耳を澄まさないと分かりませんよね。
未知の宇宙体験、すごくリアルでした。地平線が少しぼわっと霞んで見え、サンドラがヘルメット越しに観る地球も、息で少し曇っていて光が差し込んできて、空気がないから光の感じ方も違うそうです。ですから、映画の中では、宇宙でゴミがぶつかる騒音なんて聞こえないし、音が無いというのだ。でも、あのもの凄い騒音の音響効果が、恐怖とスリルを煽るのだ。それと感動のラストシーン、科学的事実を反映したリアルな部分と、まったくの虚構の部分を、とてもうまくミックスしていると思います。まさに映画史に残るスペース・サスペンス・エンタテインメントですね。
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