パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ★★★

2016年11月01日 | アクション映画ーハ行
ピュリッツァー賞作家A・スコット・バーグによる全米図書賞受賞の評伝本『名編集者パーキンズ』を豪華キャストで映画化した伝記ドラマ。アーネスト・ヘミングウェイやスコット・F・フィッツジェラルドを発掘した伝説の名編集者マックス・パーキンズと彼に見出された若き天才作家トマス・ウルフの知られざる交流の日々を、小説の編集という作業を通して紡がれる2人の葛藤と絆とともに描き出す。主演は「英国王のスピーチ」のコリン・ファースと「シャーロック・ホームズ」のジュード・ロウ。共演にニコール・キッドマン、ローラ・リニー。監督はイギリス演劇界を代表する演出家の一人、マイケル・グランデージ。本作が記念すべき映画監督デビューとなる。
あらすじ:1929年、ニューヨーク。ある日、敏腕編集者マックス・パーキンズのもとに、出版社をたらい回しにされたという原稿が持ち込まれる。作者は無名の作家トマス・ウルフ。原稿を読んだパーキンズはその才能に惚れ込み出版を約束する。ただし、その条件として膨大な原稿の大幅な削除を要求、抵抗するトマスと激論を重ねながらの気の遠くなるような編集作業に取り組んでいく。2人の苦闘の末に完成した処女作『天使よ故郷を見よ』は評判を呼び、瞬く間にベストセラーとなるが…。

<感想>名編集者パーキンズを演じるコリン・ファースを観たさに行ったのだが、天才作家のトマス・ウルフに扮したジュード・ロウの演技も良かった。

それに、トマスの年上の愛人役のニコール・キッドマンも加わって、さながら演技合戦のごとき有様。史実を基にしドラマチックに脚色してあるのだが、イギリス映画らしいしっとりとした落ち着いたトーンがよい。
敏腕編集者マックス・パーキンズは、アーネスト・ヘミングウェイやスコット・F・フィッツジェラルドなど、失われた世代の作家たちを世に送り出した著名な編集者でもある。黒子の編集者に焦点を合わせた企画がとても秀逸であります。

ですが、ウルフの原稿は膨大なページ数であり、とてもそのまま本にすることは出来ないのだ。そのため、パーキンズがページ数を減らすための編集作業も、膨大な時間を費やすわけなんですね。決してウルフの小説を台無しにしているわけではないのだ。
しかし、クラシカルな色調や調度を目指したであろう映像のルックが、なんとなくオールドライクな文学的イメージとしてしか、機能していないように書く行為、編集する行為、それに携わる人々の生きざまがすべてただのポーズにしか見えないのが惜しい。

執筆という想像を絶する孤独な作業と、向き合う作家の内面に触れずして、エキセントリックな奇人は生まれないし、編集_削除ではないのだから。二人の関係性もその周りの女性や家族の描き方も記号に過ぎず、男性的なロマンに溺れたナルシシズムばかりが、後に残っているように見えるのだが、・・・。実話がベースなので致し方ないのだろうが、脚本はもうちょっと繊細にしてほしかったという気もします。

室内でも帽子をかぶったままのコリン・ファース。どこかで必ず取るだろうと予想をしていたが、食卓につく時も、一人で書斎にこもっていても、パジャマには着替える時にも、どうしてなんだろう?・・・パーキンズには、妻と5人の娘がいたそうで、最後の最後に帽子を取るとは、心憎い演出であった。

文学と作家に対する愛情と献身あふれた編集者と、奔放な作家トマス・ウルフが、アメリカ文学の傑作を誕生させる裏話が興味深いですね。現在トマス・ウルフの著書はベストセラーの「天使よ故郷を見よ」をはじめ新刊で入手できるものは一冊もないようだ。これを機会に読んでみたいのだが、再刊を望む他ないのだろう。
2016年劇場鑑賞作品・・・233映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
『映画』 ジャンルのランキング
トラックバック (8)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ブリジット・ジョーンズの日... | トップ | 白い帽子の女 ★★ »
最近の画像もっと見る

あわせて読む

関連するみんなの記事

8 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (風に吹かれて)
どんどん削ろう 公式サイト http://best-seller.jp 実話に基づいた映画 原作: 名編集者パーキンズ (A・スコット・バーグ/草思社) 1920年代のニューヨーク。ある日、編集者マッ
ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ / Genius (勝手に映画評)
実在の作家トーマス・ウルフと実在の編集者マックス・パーキンズの友情を描いた作品。 作家は名前が出ますが、編集者は名前がでません。でも、作家の名作の裏には、名編集者あり......
ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (映画好きパパの鑑賞日記)
 戦前に活躍したアメリカの小説家トーマス・ウルフと、彼を世に送り出した名編集者パーキンズの絆と苦闘を描いています。ただ、ウルフは日本では知名度がなく、僕も読んだことが......
【映画】ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (アリスのさすらい映画館)
  ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ(2016) イギリス/アメリカ 原題:Genius 監督:マイケル・グランデージ 脚本:ジョン・ローガン 出演:コリン・ファース/ ジ......
映画・ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (読書と映画とガーデニング)
原題 GENIUS2015年 イギリス 実話に基づいています1920年代、まだ無名だったヘミングウェイやフィッツジェラルドなど数々の世界的作家を見い出した実在の名編集者パーキンズ(......
『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』 (beatitude)
1920年代のニューヨーク。アーネスト・ヘミングウェイ(ドミニク・ウェスト)の『老人と海』やスコット・F・フィッツジェラルド(ガイ・ピアース)の『グレート・ギャツビー』など......
ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ (映画的・絵画的・音楽的)
 『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』を新宿の角川シネマで見ました。 (1)コリン・ファースとジュード・ロウの競演が見られるというので、大変遅ればせながら、映画館に行......
「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」強い絆! (シネマ親父の“日々是妄言”)
 20世紀前半の、アメリカを代表する作家として現在も愛されているトマス・ウルフ。そしてそのウルフの才能を信じ、世に送り出した名編集者マックス・パーキンズ。そんな2人の男......