パピとママ映画のblog

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君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~★★★

2017年06月28日 | アクション映画ーカ行
『神の舌を持つ男』シリーズなどの向井理の祖母・芦村朋子さんの半生が描かれた「何日君再来」を、『神様のカルテ』シリーズなどの深川栄洋が映画化。戦後の混沌とした日々を歩んだおよそ50年にわたる軌跡を映す。向井が自身の祖父を演じ、祖母を『そして父になる』などの尾野真千子が好演。貧しい中でも、愛することの素晴らしさを教えてくれる物語に感銘を受ける。
あらすじ:81歳になった芦村朋子(野際陽子)は慣れないパソコンを操作して、亡き夫・吾郎(向井理)との日々を、「何日君再来」と題した手記として残そうとしていた。だが、彼女は病に侵され、代わりに孫の理(成田偉心)が手記をまとめることになる。そこにはこれまで家族が知らなかった祖父母の苦難の歴史が記されていた。

<感想>本作は俳優デビュー11年目にとなる向井理・出演となる、向井理の祖母である芦村朋子さんの原作を映画化したものであります。10年以上前に遡って、向井理が大学生の頃に、祖母が年を取ってからの手記を、戦中、戦後の時代を夫や子供もたちと貧しくも懸命に生きてきた半生について書き綴っている。

この映画の原作である「何日君再来」は、多かれ少なかれ同じ時代を生き、祖母である芦村朋子さんの手記にあったのと同じような体験をされていると思うんですよね。私の亡くなった母親もそうだったと思います。その人たちのおかげで今の自分たちがいるということも事実ですし、多くの日本人に共通する普遍性のある物語だと思いました。
もう一つは戦争中、戦後の大変だった時代のことを多くの人たちに知ってもらいたいと感じたそうで、現在の恵まれた生活が成り立っているのも、この時代の人たちの頑張りようで、今の日本が出来たということを忘れてはならない。

実話であることも説得力があって良かった。昭和15年の日本、お見合いをする祖母の芦村朋子さんと祖父になる吾郎との喫茶店での出会い。アイスクリームにウエハースが付いている。恥ずかしがって中々食べない着物姿の尾野真千子演じる朋子に、白いスーツ姿で決めた向井理が演じている五郎がアイスクリームを2つも食べてしまうところから始まる。
向井さんは、祖父の五郎さんとは会っていない。若い自分に亡くなってしまったからで、戦争中に兵隊へ行くことも無く、結婚をすると直ぐに南京へと移住。その後が大変だった。すぐに長男が生まれ、次男も生まれ2人の子供を養うために五郎は働きに出る。

初めは石油関係の仕事で経済的にも良かったのだが、社員に金を持ち逃げされて会社が倒産をしてしまい、日本も戦争に負け終戦となり日本へ帰ることになる。まだ家族4人で船に乗り帰ることが出来たことは幸せだ。その時代は、子供を中国に置き去りにして、親だけ日本へ帰って来た人もいるからだ。帰国の船の中で、朋子が目を離した時に、次男坊が他の女性に抱かれており、その女性は自分の子供を亡くしたらしいのだ。

日本へ帰ってきても働く場所がなく、妻の実家である愛媛県へと、田畑を耕すといっても、山の未開地を切り開いての畑なので、身体の丈夫でない五郎にはきつい仕事だったらしい。妻の祖父も、力仕事である畑仕事がうまくいかないのに文句を言う。ちょっと腑外のない亭主の吾郎さんなのだ。酒が大好きで、すぐに仕事に疲れると酒を呑みへべれけになる気弱な性格。

この時代の日本は、男尊女卑の時代であり妻たるもの夫に口答えなど出来ない。本当は、もっと子供たちの為にも頑張って働いて欲しいと言いたいところだろうに。田畑の重労働に嫌気をさした吾郎は、妻と子供を連れて引っ越しするといい、茨城県の片田舎へと、さらには福島県棚倉町へ移住する。

仕事もボロいトラックを買い運送業を始めるもダメで、タイル工場と職を転々と変えるが骨盤を痛めてしまい、重労働が難しくなり踏んだり蹴ったり。そこへ3人目の赤ん坊、長女が生まれる。そこでも仕事探しをして歩くも全然働くことが出来ない。
そこへ、吾郎の友人から寒天を送って来たので、初めは夏はトコロテンにかき氷、冬はおでんと、お店は食べて行けるだけの稼ぎはあった。
しかし、酔っ払いの客が来て、酒を出せといい、客と吾郎が喧嘩をしてしまう。酒を置けば、客は来るしもっと稼げるのだが、何しろ吾郎が飲んベイなので、妻は酒を売るのを止めていた。結局は店も壊されてダメになってしまう。そうしているうちに、吾郎が病気になり、ほどなくして亡くなってしまう。

どの時代でも、家族というものは夫婦間の信頼があった上で豊かに育まれるもの。悔しい思いや不幸なこともたくさんあったけれども、精神的に満たされていた素敵な家族と思いたいのですが、妻の朋子にすれば、夫の死後は、末っ子の娘を愛媛の実家へ預けて、男の子2人を連れて吾郎の知人に頼み仕事をもらい住み込みで働くことになるのだ。

老人になって一人で住んでいる祖母、末っ子の娘はいまだに「私のことを捨てた」と、母親を恨んでおり、あの時に3人もの子供を連れて、どうやって生きて行けばよかったのだろうか。若くして死んでしまった夫の吾郎、上手くいかなかった吾郎の人生に寄り添った妻の目から、そのまま自然体で描いたのが良かったのかも。妻の朋子の苦労は、きっとここで描いているよりも、言葉に表せないくらいの苦労続きだったに違いないと思うからだ。エンドロールに高畑充希の歌うテーマ曲「何日君再来(いつの日君帰る)」がいつまでも耳に残った。
残念なことに、後半の祖母の芦村朋子を演じた、つい先頃亡くなった野際陽子さんの遺作となってしまった。ご冥福を祈ります。

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