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バリー・シール/アメリカをはめた男★★★・5

2017年10月22日 | アクション映画ーハ行

 

トム・クルーズがCIAの極秘任務を請負いながら、麻薬密輸で巨万の富を築いた実在の天才パイロットを演じるクライム・アクション。類い希な操縦テクニックで政府ばかりか、麻薬王からも雇われた男の破天荒な人生をコミカルなタッチで描き出す。監督は「ボーン・アイデンティティー」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のダグ・リーマン。

あらすじ:1970年代後半のアメリカ。大手民間航空会社のパイロットして働くバリー・シールは、愛する妻子とともに何不自由ない暮らしを送っていた。そんなある日、彼の天才的な操縦技術に目を付けたCIAが、彼をある極秘作戦にスカウトする。こうしてCIAの汚れ仕事を手伝ううちに、巨大麻薬組織“メデジン・カルテル”の伝説の麻薬王パブロ・エスコバルにもその腕を買われ、麻薬の運び屋としても大活躍するバリーだったが…。

<感想>この男、天才パイロット、CIAエージェント、そして麻薬の密輸王。CIA、麻薬組織、さらにはホワイトハウスと通じ、大金を荒稼ぎした男バリー・シール。彼らを騙したようで、実は米ソの東西冷戦のうねりに翻弄された実在のパイロットを、トム・クルーズが怪演した犯罪ドラマである。

制作にはロン・ハワードが参加して、「エキス・マキナ」のドーナル・グリーソンが、CIA局員・シェイファー役で出演している。悲惨だけども笑える“悲喜劇”にして、スリリングな娯楽作でもあります。

実在したパイロットのバリー・シールとは、1939年生まれ。麻薬の運び屋をして数十億円を荒稼ぎし、家にもオフィスにも溢れるほどのお金があったとか。頼まれると「NO」と言えない性格で、周囲からの信頼も厚かったようだ。46歳の若さで殺された。

1978年、CIAから任されたバリーの仕事は、中米諸国の共産系ゲリラの基地を偵察&盗撮すること。最新の小型飛行機をあてがわれ、銃弾をかいくぐりミッションをこなすが、意外と薄給で、それで、1980年南米コロンビアの麻薬カルテルの大物から、密輸の仕事をオファーされる。バリーはヤバイと思いつつも、1キロにつき2000ドルの高報酬に目がくらみ、請け負うことになる。

CIAのスパイ、武器の密輸人、麻薬の運び屋だったバリーが、コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルらと親交を築き、米大統領・ロナルド・レーガン政権下のホワイトハウスをも動かした仰天エピソードを映像化。冗談のようにスケールのでかい実力ドラマなのだから驚いた。

1983年、4人のパイロットを雇い、ビジネスを拡大する。どんどん金持ちになり、バリーを怪しんでいた妻も豪邸暮らしを満喫し始める。だが、そこへ妻の弟が現れ、それが問題を引き起こすバカ者で手がつけられない。屋敷の中や、納屋、事務所にと札束がぎっしりとあるのに目を付けて、金と使い始める弟。その弟が警察に捕まり、屋敷にも事務所にも金がたんまりあると白状し、困ったバリーは、金を渡して遠くへおっぱろうとするも、車に爆弾を仕掛けてあり、弟は車ごとしんでしまう。それをもみ消しするバリー。それに、FBIや麻薬取締局に目をつけられてしまうバリー。

時代の異端児と言えるバリー・シール、マジかつて思えることを、時代の波に乗りやってのけたこと。それがいかに歴史的で壮大かは気づきもせずにね。喜びも悲しみも閃光のスピードで駆け抜けた、アンチヒーロー的な生きざまに憧れる人は多い。しかし、子だくさんであり愛妻家なのもそうで、妻に対してはとても誠実で、妻も彼を信用しており夫と共に、歩く人生を謳歌していたようにも見えた。最後が妻と子供だけでも亡命するようにと、しかしFBIが豪邸に押し入り、根こそぎ持っていくのを見て、夫の死の後は、つましくウェイトレスをして生活していた。

55歳のトムも、監督のダグ・リーマンも操縦資格があるため、飛行のシーンはスタントを一切使っていない。飛行機の操縦はもちろん、バリーと妻の無重力シーンの他、随所に盛り込まれた低空飛行シーンなど、コックピットから後方座席へ移動して、急降下しながら、ブツを落とすという危険なシーンもすべてトムによるもの。高度操縦テクニックでスタッフを驚かせたというから凄い男だ。監督はヘリコプターで追いかけながら撮影したというの。

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