パピとママ映画のblog

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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!★★★.5

2014年04月18日 | アクション映画ーワ行
『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』などのエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト主演という黄金トリオが放つSFコメディー。故郷の街でパブのはしごをする中年男性5人組が、いつしか世界存亡を懸けた戦いに身を投じるはめに。『思秋期』などのパディ・コンシダイン、『ホビット 思いがけない冒険』などのマーティン・フリーマンら、イギリスの実力派が共演。奇想天外な設定や物語に加え、サイモンとニックが繰り出す息の合った掛け合いも見ものだ。
あらすじ:ひと晩に5人で12軒のハシゴ酒という学生時代に達成できなかった挑戦にリベンジすべく、故郷であるイギリス郊外の街ニュートン・ヘイヴンに戻ってきた中年男性たち。終点となる12軒目のパブ、ワールズ・エンドを目指して、ひたすら飲みまくっては大騒ぎする彼らだったが、どこか街の住民たちの様子がおかしいことに気付く。やがて、住民が何者かによって操られていることが判明。目を光らせて青い血を流す彼らに追い掛けられながらも、五人はハシゴ酒を成し遂げようと逃げては飲んでを繰り返していく。

<感想>この映画は究極なまでにサイモン&ニック&エドガー的な映画になっている。何しろ」、約20年前に成し遂げられなかった「「一晩で12軒のパブで、1パイントずつビールを飲み干す」というミッションを、アラフォー世代となったオッサンたちが、故郷で再会して今度こそ果たそうという同窓会から、地球侵略SFの展開でお決まりの怒涛のアクションムービーになっている。しかし、今回のアクションは前2作をしのぐ爆裂っぷりですから。
そして、最終的にストーリーは、現代のアーサー王物語へと半ば強引に展開していくのである。爆笑に興奮、そして脱力の3つがヤバイ配合で、しっちゃかめっ茶化に合わさったバッドドリップ度がさらにアップしていて、遂には、やつら行きつくとこまで行っちまった感じなのである。

さてそこで思いを馳せたいのが、このサイモン&ニック&エドガーの3人はいったい、このシリーズで何をしたのかということだ。何しろ3本とも、清々しいくらいにバカバカしい映画である。しかし、ただひたすら観客を笑わそうと悪ふざけをしているのとは、全く違うのだ。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」も「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」も、今回の「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」も、本物の映画バカによる大真面目のおバカ映画としての明確なメッセージに貫かれているのである。

大人になりきれない大人たちが、大人になりきれないまま悲惨な状況に立ち向かわざるを得なくなる。それが、「コルネット三部作」のパターンであるから。途中で、酒の勢いが入る点と、いい年こいてきたからこそ濃いキャラになる男の友情を描いているという点では、「ハングオーバー!」シリーズにも共通するけれど、自業自得で面倒に巻き込まれていく展開という意味では、「ハングオーバー」シリーズの方が、もうちょっと古典的なコメディとしては気楽に観られる。

特にサイモン・ペッグ演じるキャラクターに、実はこの世はかくあるべきというこだわりと、使命感のようなものがあり、どんくさいようで実は一番それを理解して、そこについて来てくれるニック・フロストが演じる法律事務所で働くアンディがいて、その二人の意志の団結が、のらりくらりとしながらも、熱くストーリーを引っ張っているのだ思った。
これは、エドガー監督やサイモンが、映画なんかで世界は変わらないという冷めた視点は持ちつつも、悲惨な世の中を映画で笑い飛ばしてやることによって、少しは変わるのかもしれないという青臭さを、大切にしているということなのだろう。

この映画を観て思ったのが、「光る眼」や「地球が静止する日」といった侵略SF映画と類似しているように見受けられた。街の人々は、ロボットと入れ替わっていたのだ。ゲイリーたちはロボット軍団から追撃されながら、パブではしご酒をして、謎を解き明かそうとする。
前二作にも登場した英国特有の文化の象徴であるパブが主要の舞台であることに、日本人は若干戸惑うかもしれない。国際資本によって均一化していく故郷への違和感には、きっと日本人も強く共感できるはずです。
ちなみに本作は、「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」に続く三部作の完結編とされていて、同種の映画はこれが最後となるらしい。
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