パピとママ映画のblog

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人類資金 ★★★

2013年10月27日 | アクション映画ーサ行
『亡国のイージス』『大鹿村騒動記』などの阪本順治が監督を務め、原作の福井晴敏と共に脚本も担当したサスペンス。いまだ、その存在が議論されている旧日本軍の秘密資金、M資金をめぐる陰謀と戦いに巻き込まれていく男の姿を活写する。佐藤浩市、香取慎吾、森山未來をはじめユ・ジテやヴィンセント・ギャロら、海外からのキャスト陣を含む豪華な顔ぶれが結集。彼らが見せる演技合戦はもちろん、壮大で緻密な展開のストーリーも見もの。
<感想>10兆円あれば、世界を変えることができる?・・・途方もなくスケールの大きな冒険に挑む男たちの経済ドラマ。物語の発端は、第二次世界大戦の敗戦間際に日本軍が持ち出したと言い伝えられるM資金。都市伝説化している莫大な額の金塊だが、主人公たちはこの金塊を元手にして行き詰まりを見せる資本主義経済を軌道修正しようとする。

世界最貧国であるカペラ共和国へ、ある物資援助を行うことでグローバル経済の均衡を崩してしまうことが狙いなわけなのだが。しかしだ、この映画大胆なことにM資金ありきで話が進んでいくところ。あるのかないのかなんてサンスペンスは飛ばして、その先の話、そもそもM資金とはいいつつも、舞台は戦中戦後ではなくて「現代もの」なのだ。
通称“M資金”、その都市伝説めいた話を使い詐欺を働き続ける男が、ある財団との出会いで“M資金”強奪の壮大なる計画に巻き込まれることに。「実在するM資金を奪い返して欲しい」と頼まれ、報酬に何と50億円とはおいしい仕事。
ロシアに向かった真舟は、北方領土をエサにM資金を母体とする投資会社に近づく。
やがて防衛省の秘密組織やアメリカの刺客からも命を狙われ追われる身となるが、彼は徐々にM資金の実態に迫っていくのである。

世界規模のマネーゲームの渦中の人物となる詐欺師、真舟には佐藤浩市がなりM資金に翻弄される男の姿を見せつける。そしてM資金の真相のカギを握る謎の男“M”を演じたのは香取慎吾。だいぶ前から英語を習っていたその会話が役に立つ、ミステリアスな役の一面を披露している。

そして、“M”の腹心、石を演じたのは森山未來。真舟と男同士の絆で結ばれてゆく様は骨ぽくて、森山が英語でロングスピーチを行う国連の会場では、流ちょうな英語でインテリジェンスに、若手実力派の力を発揮して迫真の演技で魅了させる。
更には、防衛省秘密組織の工作員(通称・市ヶ谷の工作員)に観月ありさが、身体能力抜群で実は、“M”の恋人である。そしてCIAハリー遠藤を演じる豊川悦司、ハロルドが依頼する暗殺者の遠藤には、韓国俳優のユ・ジテが演じていて、豊川の孫にあたる役どころ。

アメリカから真舟らを監視する欲深き大手投資銀行員のハロルドには、話題となったヴィンセント・ギャロが演じて、日本の俳優さんたちみんな英語が上手いのには感心しました。特に投資顧問会社の代表、笹倉暢彦を演じた仲代達矢さんの円熟味ある演技と流暢な英語にはびっくりですから。

それに、すぐさま殺されるが、海外の貧しい国に支援物資を送り続ける元日銀、現ベンチャー企業代表の本庄を演じた岸部一徳さんも素晴らしい。

その他に、ロシア極東ヘッジファンド代表のオダギリジョー、真舟の相棒、ヤクザの酒田に寺島進が結構役に立つのだ。

そして、日本、ロシア、アメリカ、タイでのロケを敢行。アメリカでは各国から5000人ものエキストラが参加して、マイナス18℃の極寒のロシア、灼熱の太陽が照りつけるタイ、これらの過酷な状況下でのロケを、足掛け2年、撮影実数わずか32日という強行なスケジュールで実行したというのだから。
これまで公になったことのない「M資金」に関するサスペンスフルな展開、そこに複雑に絡んでいく奥深き人間ドラマ。スタッフたちの熱き思い入れ、俳優たちの集中力が、スクリーンを通して緊張感とともに見る者に伝わってきます。
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