パピとママ映画のblog

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ネオン・デーモン★★★

2017年03月03日 | アクション映画ーナ行
「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督がエル・ファニングを主演に迎え、欲望と嫉妬渦巻くファッション・モデルの世界を舞台に、一人の新人モデルがのし上がっていく中で体験する悪夢的恐怖をエロティック&バイオレンスに描いたスタイリッシュ・サスペンス。共演にクリスティナ・ヘンドリックス、ジェナ・マローン、キアヌ・リーヴス。
あらすじ:美しく純真な16歳の田舎娘ジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるためロサンジェルスへとやって来る。するとその美貌が人々の目に止まり、すぐに事務所と契約できたかと思えば、気難しいことで有名な一流カメラマンのジャックに撮影してもらうことにも成功する。嫉妬が渦巻くなか、彼女の周りで奇妙な出来事が起こり始める。トップモデルの夢に向かって順調すぎるほどの素晴らしいスタートを切ったジェシーだったが…。

<感想>これまで暴力的な男の世界ばかり描いて来たニコラス・ウィンディング・レフンが、なんとヒロインもの、熾烈な女子バトルという新たな世界に踏み出した傑作であります。田舎からトップモデルを目指して単身上京してきた美少女ジェシーには、エル・ファニングが扮していて、ジェシーが身を投じるのはLAのファッション業界だが、トップモデルになるため、悪魔に魂を売り渡す業界の、邪悪な毒に染まる姿を映し出す。

とにかくエル・ファニングありきの映画で、彼女の容姿の魅力がヒロインのキャラクター造形に直結して、映画全体のテーマを表しているといっていい。彼女が着るドレスに、アルマーニ、サンローランなどのハイブランドが提供した衣装の数々が、映像美に一層磨きをかけているが美しい。ジェシーが血まみれでメイクルームにいる光景や、自らを売り込むためのイメージ写真撮影の、おぞましい姿でソファーに横たわるショッキングなシーンとか。

そのモーテルの事務所の男ハンクに、キアヌ・リーブスが合鍵で部屋に入ってきてはレイプするという、セリフ無しのゲスイ男に扮しているし、ジェシーに恋をしているカメラマンのディーンに、カール・グルスマンが出演している。

ベッドの上でレズビアンごっこを強制する美女のメイク係、ルビーに扮したのは、「ハンガー・ゲーム」シリーズのジェナ・マローン。ルビーの副業が葬儀社の死体化粧師というあたりに、レフン監督のブラックな意図があるようだ。彼女が住んでいる豪華な屋敷に、盛りを過ぎたモデルともだちが2人いる。一緒に住んでいる3人とも、レズビアンらしい。


さらにジェシーに苛烈な嫉妬を抱くサラ役には「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のアビー・リー、全身整形を繰り返す売れっ子モデルのジジ役には「高慢と偏見とゾンビ」のヒースコートと、新進の美女が共演を果たしている。
さらに、怪しげなネオンに照らされるジェシーをフォーカスした場面のほか、何者かがモーテルの部屋にいる気配がして、事務所のキアヌを呼んで来るもモーテル内でライオンを飼っていたとか、ベランダを開けていたので入って来たらしい怖い描写もある。

トップデザイナーであるロバートのショーに出演するため、下着姿のモデルたちが文字通り身ひとつで勝負を繰り広げるさまが描かれるます。静まり返った会場で、ベテランモデルのサラ(アビー・リー)はウォーキングを披露するものの、ロバートは目もくれず、屈辱を味わうサラ。

その後ジェシーが現れると、一瞬で魅了されたロバートの態度は急変し、採用を即決。その後は、ロバートの思うままに裸にされて、体に金色のタールを塗られて撮影される。

サラは、天性の魅力を振りまくジェシーへの嫉妬を隠し切れず、うろたえた表情を見せる。その後が怖かった。トイレで自分が写った鑑を壊し、そこへ入って来たジェシーに襲い掛かるシーンもある。

若い新人のモデルが入ると、すぐに目をつけられ、古い21歳過ぎのモデルは仕事がなくなるのだ。熾烈なモデル業界の裏側では、女たちの戦いがトイレで殴り合いや、挙句には水の入ってないプールへ落とされて死を迎えるが、急にジェシーが居なくなっても誰も気にしない。

先輩のモデルたちが、自分たちの築いた地位を若いポット出のモデルに仕事を奪われるのが憎いし悔しい。何故かというと、その地位を得るためにダイエットをし、金を賭けて美容整形をして美を極めて作り上げた体が資本だから。
彼女たちには、何も手入れをしないで自然のままに、その美が目に止まるのは許せないことなのだ。そして、まさに人を喰ったようなオチを迎える。美容整形した古いモデルたちがまたもや自分たちの座を得て動き出す。

だから、若い子を食い物にしてのし上がってゆく様を文字通りに描いているのだ。ことの起こりは、ジジが吐き出したジェシーの目玉だ。それに対して、サラはその吐き出された目玉をまた口に入れるという恐ろしさ。まるでホラー映画のよう。
熱烈なシネフィリー(映画愛)を基盤に、美しくもグロテスクなヤバイ妄想力と卓越した演出力で、甘美な悪夢を創出するレフン・アートの世界観。常に自己更新を続ける彼の伝説はまだ始まったばかりなのだ。

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