パピとママ映画のblog

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彼女の人生は間違いじゃない★★★・5

2017年08月08日 | アクション映画ーカ行

福島県と東京を舞台にしたヒューマンドラマ。週末ごとに東京で風俗嬢として働く女性とその周囲の人々の姿を描く。『やわらかい生活』『PとJK』などの廣木隆一が執筆した小説を、自らがメガホンを取って映画化。『グレイトフルデッド』などの瀧内公美、テレビドラマ「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」などの光石研、『横道世之介』などの高良健吾、『俺たちに明日はないッス』などの柄本時生らが顔をそろえる。

あらすじ:東日本大震災からおよそ5年がたった福島県いわき市。市役所に勤めている金沢みゆき(瀧内公美)は、週末になると仮設住宅で一緒に暮らす父親・修(光石研)に英会話教室に通うとうそをつき、高速バスで東京へ行き渋谷でデリヘル嬢として働いていた。ある日、元恋人の山本(篠原篤)からやり直したいと迫られるが、別れる原因にもなった震災で死んだ母をめぐる彼の言葉を思い出してしまう。さらに、震災で妻を亡くし、仕事を失ったことから立ち直れずにいる父親にいら立ちを募らせる。

<感想>震災から6年後の故郷福島県いわき市に住む親子の物語。母親は震災の津波で亡くなったのか、いない。父親と2人で仮設住宅で暮らしているが、父親には光石研が扮していて、仕事もせず朝からパチンコ屋にいりびたりだ。そんな父親は、農作業しかできないと威張りちらして、確かに汚染された田畑はあるが、それが食べて行けるようになるには、何時になるのかが分からない。そうかといって、父親がこのままでは絶対にダメで、娘の稼ぎと被災者に支給された手当で食べているのだ。だからということもあるのだろうが、娘は市役所に勤務して真面目なのだが、現実から逃れるために、週末には東京の
渋谷に行き、デリヘル嬢として働いている。経済的な面のこともあるのだろうが、何故に震災津波被害者の女性が、デリヘル嬢になるのか?・・・きっと彼女は現実から逃避するために、そんな仕事をしているのかもしれない。
自分で課した自虐的な制裁なのか、それとも暗い優越感かもしれない。もう2年目で、すっかりプロに徹して仕事をこなしている。かつては、デリヘルに向いてないと言われた時に、
運転手兼用心棒の三浦秀明役の高良健吾に「やらなきゃダメなんです」と泣いて頼みこんだみゆき。それに、客が暴力をしようとすると電話をしてきてもらうのだ。

デリヘリの店長は「あんただけが特別じゃない、己惚れるな、仕事だから守ってやるんだ」といって、すっ飛んでくる。中には、ヤバイ客もいるだろうに、自分の身体は自分で守るべきで、何もデリヘル嬢でなくとも、もっとはけ口ならあるだろうに。彼女の考えていることが分らない。
ダメって何が?・・・仮説で暮らす隣に住む女(安藤玉恵)は、独りで働かないで部屋に閉じこもりだ。その女が自殺を図るが、夫は除染作業に追われてすぐ帰ることもできない。この夫婦にも希望があればいいのに。

市役所の広報課員として働く新田勇人に柄本時生が扮していて、家族もバラバラで孤独なのに、卒論で被災地を取り上げたいといって来た女子大生に、柄本時生が惚れ込んでしまう。だが、彼女は卒論のためと言って、残酷な質問をしてくる。彼には答えられない過去の惨状があるからで、それを簡単に口にするのは難しい。いつも背一杯明るく振舞っているのに頭が下がる。
そんな役所の同僚のエピソードなどと比べると、主人公のみゆきの生き方は独りよがりのゲームのようで、納得しかねるのだが、それでもいつまでも続けることではないし、その内に自分の生きるべき道が見つかるはずだと思う。
とにかく、現実に生きていくのが辛くて死ぬことばかり考えるよりは、ちょっと馬鹿みたいだけれど、自分の生き方はそれぞれなのでいいと思う。

それに、震災前に付き合っていた恋人がいるのだが、別れてしまったらしく、男の方が未練たっぷりに彼女に会いに来る。しかし、彼女はもう別の生き方を選んでしまったのだ。
東京駅のトイレで着替えて化粧をする彼女が、いつも出会う若い女に声を掛けられ、彼女はキャバ嬢だと言うが、一緒に東京に部屋を借りないと誘われる。しかし、みゆきには、帰る家があるし、待っている父親という家族がいるから。
時折映し出される福島の帰還困難区域は、荒れ果てた街並みが閑散としていて、原発が遠くに見えており何も進展しない土地が、ここにはあるのだ。
この作品は、監督が実際にその女性に会い、見聞きしたもので実在する彼らの姿が刻まれている。
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