パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞、未公開DVD、お気に入り自己所有のビデオ・DVDの感想などネタバレ有りで記録しています。

リスボンに誘われて★★★★

2014年11月01日 | アクション映画ーラ行
2004年に刊行されて以来、全世界で発行部数400万部を突破しているパスカル・メルシエのベストセラー「リスボンへの夜行列車」(早川書房刊)を、ジェレミー・アイアンズ主演、「ペレ」「愛の風景」の名匠ビレ・アウグスト監督により映画化。
スイスの古典文献学教師ライムント・グレゴリウスは、妻と別れて以降、ひとり暮らしの単調な毎日を過ごしていたが、そんな日々に特に不満も疑問も抱いていなかった。しかしある日、一冊のポルトガルの古書を手に入れたライムントは、その本に魅了され、アマデウ・デ・プラドという謎の著者について知るため、衝動的にポルトガルのリスボンへ旅立つ。旅先でアマデウの家族や友人を訪ね歩き、徐々に明らかになっていくその素顔や人生を知ることで、ライムントもまた、自らの人生と向き合っていく。メラニー・ロラン、シャーロット・ランプリング、ブルーノ・ガンツ、クリストファー・リーら豪華キャストが出演。

<感想>一冊の本を手にしたことから、スイスのベルンからリスボンに行くことになった主人公。まず見ながら連想したのは、タイトルからして柔らかくて、渋い黄金色に包まれた雰囲気の、どちらかというとふんわりとした内容の映画を想像していた。
全体は、ポルトガル反政府運動を背景としたメロドラマという仕上がりで、亡くなった作家の足跡をたどる主人公の旅は、実際に途中で名前が言及される。複数の人間たちの生き生きる旅となっていく。原作小説は読んでいませんが、どことなく哲学性を乞う方に退くけれども、非常によくできたメロドラマ映画で見ごたえがありました。
冒頭で、いつもの朝と同じように学校へ向かう教師のライムントは、橋の上で今にも川に飛び込みそうになっている赤いコートを着た女性を助ける。その女性を高校の教室までついてくるように説得する。というのも、土砂降りの雨のな中で、自殺しようとした女性を助けてそのまま放っておけないのだ。だが、授業が始まるとその女性は、ふっと出ていってしまう。
授業を途中にして赤いコートを手に、教室を飛び出し女性の後を追うのだが、見失ってしまう。普通だったら、教室へ戻るのだろうが、彼はそのまま授業へは戻らず、赤いコートのポケットに入っていたリスボン行きのチケットで、夜行列車に乗ってしまうのだ。

ここまで一気に物語にのめり込んでしまう。これからどうなることやらと。ですが、映画の流れるような展開にこれこそ映画らしさを思い知らせてくれるのが嬉しい。主人公の教師ライムントに扮しているのは、初老のジェレミー・アイアンズである。ベルリンからリスボンまで、今は妻とは離婚して独身の身、朝の紅茶を飲むにしても箱の中は空っぽで、昨日飲んだ捨ててあるテーパックを拾い、またそれをカップに入れて呑み干す。
真面目で堅物で融通がきかないようなそんな教師に見えたのだが、それがありうべからざる行動をとりながら、衝動的にリスボンへ行かなくてはと、思わせるあたりには、本当に観客の心を掴んで離さなくなるのだ。

列車の中で夢中になって本を読むライムント、学校からの電話で、途中で授業を放り出してしまったこと、これからリスボンへいくことなど手短に話す。そいて、翌朝にリスボンに着き、泊まるホテルの前の通りは坂道と交わっており、この風景が繰り返し登場するにつれて、映画は静かに私たちの中に溶け込み、歴史の時間に人々が結びつき、深さが増して行きます。
旅情、叙情、慕情に劇場が詰っている物語。ベタといえばベタな展開だし、各人物の背景やエピソードも、それほど濃密に描いているわけでもないのに、始終魅せられていく。

アマデウ・デ・プラドという謎の著者に逢うために、リスボンの街を彷徨いながらアマデウの家族や友人を訪ね歩き、徐々に明らかになっていくその素顔や人生を知るのだ。街を歩いていて、後ろから来た自転車とぶつかり、メガネが壊れてしまう。かなりの分厚いレンズのメガネで、鼻もケガしてしまうのだが、この自転車の男は謝りもしないで、「気を付けろ」と怒鳴って走り去ってしまう。

旅先でのケガ、次の日眼科に行き、優しそうな女医師に本のことを話すのだ。その若くて美人の女医師は、親切にも自分の叔父が施設に入っていて、その当時のことを知っているというのだ。

船で老人介護施設まで向かう二人は、これから恋人になるかもしれないという予感がした。
リスボンの風光明媚という“押し絵”が作用してか、そんな気持ちにさせられるのかもしれないが、早速帰りに本を買って帰ろう。

原題は「リスボンへの夜行列車」で、内容は映画「リスボンに誘われて」として、原作を忠実に再現していながら、見事に映画として自立した作品になっていたのだ。だから、ここも違うと思い浮かべながらも、本と映画が一体となってどっちがよいとか、どうとかは、そんなことは関係なく、原作を読んで2倍楽しめること請け合いです。

映画のラストが意味深で、駅のホームで見送る女医師が、「このまま、残れば」と誘ってくれる愛の告白が素晴らしく良かった。
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