パピとママ映画のblog

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幸福のアリバイ~Picture~★★★・5

2016年11月18日 | アクション映画ーサ行
俳優の陣内孝則が「スマイル 聖夜の奇跡」以来9年ぶりにメガフォンをとった監督第3作。「葬式」「見合い」「成人式」「出産」「結婚」という人生の節目となる5つの出来事に焦点を当て、登場人物たちの悲喜こもごもの人生模様をオムニバス形式で綴るヒューマン・コメディ。中井貴一、柳葉敏郎、大地康雄はじめ多彩なキャストが豪華に共演。

<感想>1番目「葬式Last Reguest」は、ヤクザの葬式とは知らずに会をとりなす葬儀屋の佐藤次郎と、故人の残した遺書の内容で揉める親族・知人・息子。そこへ、ヤクザの親分の若頭らしき風貌の大地康雄が顔を出す。

座敷では、ヤクザだからすぐにドスを出して喧嘩が始まるが、そこはお通夜ということもあって場が鎮まる。しかし、明日の告別式では、遺言により80歳で亡くなった大物会長の今までの写真を公開するというのだ。

その写真の中には、表に出してはまずい写真もあり、つまり政治家との癒着とか、愛人が何人いたとか、子分が女装をして一緒に写真を撮っている。どれも、個人が好んで撮った写真らしく、笑っている顔がすこぶるいいのだ。その写真を見せて、みんなが泣き笑いをして終わる。

2番目「見合い、Gift」が、ヒモ男の話で、女はプロの写真家を目指しているが、まだまだ一人前ではなく、年齢的にも婚期を迎え、そこへ父親から歯医者の高学歴、高収入の男とのお見合い写真と履歴書が届く。

好条件の見合いに目がくらむ女と、運悪く浮気が発覚する男。もう、この辺でヒモ男と別れて、父親の進めるお見合い結婚でもしようかと悩んでいる。男は働く意欲もなく女の部屋でヒモ暮らしで、ケータイ電話には、別の若い女からの電話が入っている。これは、ここできっぱりとこの男と別れなくては。

3番目「成人 Suits」は、20歳になった息子が特攻服で成人式へ行くという。母親の木村多江は、紺色のスーツ姿で行きなさいと、父親の中井貴一は、その特攻服でもいいじゃないかといい、コーヒーを入れて息子に進める。だが、息子はコーヒーは苦くて飲めないといい、彼女はいるけど「まぁ、まぁな女だよ」と、「おれもそんなにいい男じゃないから妥協しなくては」と言う。

そして、父親に「どうして母親と結婚することにしたの」と聞く。すると、父親も息子と同じことを言うのだ。家族で記念写真を撮ろうと、特攻服に派手なバイクに乗って仲良く写真に納まる家族。いつの日か、息子も結婚をして家族を持つことだろう。

4番目「誕生 Father in law」は、田舎町に電車でやってきた父親に柳葉敏郎が、一人娘を妊娠させた男の真っ赤な車で、今にも生まれそうな赤ん坊と娘のために、義父となる男を呼び寄せた若者は、パンクロック・バンドマンらしく、革じゃんにピアス、細い革のパンツを穿いた男で、「順番が違う」と怒る義父と会話が続かない車の中。

すると、CDをかけると、「パパはヒーロー」そこから娘の声が聞こえる。それは、娘が家出をしてアイドルを目指して、デビューとなるはずの歌だった。母親は、娘を生むと直ぐに家を出て行ったそうです。おろおろしながらも、父親になる覚悟が出来ている若者と、あからさまに八つ当たりをする義父。しかし、病院へ着くと初孫の顔を見て、義父はニッコニコの顔をして娘と男の結婚を許すのであった。

5番目「結婚 Wedding March」は結婚式、今流行の代理人として、あのヒモ男が俳優として出席していた。そこへ、元モデルで芸能プロダクションの社長の、美人に目が止まる男。だが、そこには、プロ野球で首位打者となった現役選手が来ており、美人社長とは大学時代の同級生だった。盛り上がるプロ野球選手と元モデルの周りには人だかりができる。ヒモ男だったのに、その美人社長の心をつかむために、超一流のプロ野球選手に無謀な野球勝負を挑む、うだつのあがらないフリーター男…。

一球入魂とばかりに、野球の勝負をするも、無残にも負けてしまうバカな男。ここでは、2番目のプロ写真家を目指していた女とヒモ男が出てくる。最後には、またヒモ男が写真家の女を口説くのだが、あっさりと断られる。

どれも甲乙付けがたしで、写真は思い出を記録し、記憶に止めるためのものである。現在進行形の物語においての”写真”は過去を視覚化したものとなるが、写真は思い出そのものである。葬式の大地康雄さんは貫禄がありヤクザの親分にはピッタリでした。葬儀屋の佐藤二郎さんの、オドオドとした演技も良かった。それに、父親の中井貴一さんに、柳葉敏郎さんと、母親の木村多江さんには、文句のつけようがないくらい、名優に恵まれていると言えます。若手俳優陣も木南晴夏や浅利陽介など、それぞれイメージ通りの役柄で自然な演技で良かったです。

個性は俳優の陣内孝則の長編映画3作目では、オムニバス形式を取っているが、写真という共通のモチーフを用いることで、想いでや記憶の在り方を笑いで包んで見せている。
一種、風変わりな登場人物たちは、どこかで共感できる悩みを抱いた普通の人々ばかり。そんな悩める人々が惑う様子をコミカルに描き切った、泣き笑いのヒューマンドラマ&コメディに仕上がっていた。クスっと笑い、結構ゲラゲラと笑わせてくれる場面もあり、ホンワカとした気分にさせてくれます。

長編2作目は『スマイル 聖夜の奇跡』
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