パピとママ映画のblog

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残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋− ★★★★

2016年02月03日 | アクション映画ーサ行
人気作家・小野不由美の第26回山本周五郎賞受賞作『残穢』を竹内結子と橋本愛の主演で映画化したホラー・ミステリー。奇妙な音がするというマンションの住人からの投書をきっかけに、その原因究明に乗り出した主人公たちが繰り広げる調査の行方と、やがて明らかとなる驚愕の真実をミステリー・タッチで描き出す。共演は坂口健太郎、滝藤賢一、佐々木蔵之介。監督は「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」の中村義洋。

<感想>いやぁ、さすがに怖かった。ホラー映画とはこのことを言うのだろう。ワケあり物件で暮らす人々の恐怖体験を描いている。日常に潜む恐ろしい真実をテーマとした映画であるのですが、橋本愛さんが演じる大学生の「久保さん」は、自分の部屋で起こった怪奇現象をきっかけとして、竹内結子演じる小説家の「私」と出会う。そうして、「私」の作家仲間である平岡(佐々木蔵之介)、さらには心霊マニアの坂口健太郎も巻き込みながら、好奇心の赴くままに怪現象の原因を探っていくわけ。

それが、謎の真相に近づくにつれ、自分たちの周囲に根づく信じがたい負の歴史を知ることになる。ホラーテイストの作品としては珍しく感情を押し殺した演技を見せるお二人さん。だから、彼女たちの醸し出す奇妙な静けさが、映画全体に漂う不穏な恐怖感を増幅させていくのです。
ホラー作家のもとに各地で起こった様々な怪奇現象が報告されるが、辿って行くとやがては、現象の起こる根源に辿り着き、お話が1本に繋がっていくという展開。恐怖は全国各地へと伝わり飛び火していくのだ。つまり、死穢に感染した土地や人間たちに触れた、関係して調べあげた人間も感染するわけで、小説家の竹内も女子学生の橋本愛もその他の人間たちも何らかの感染をしているということ。

それは、美気味な幽霊が出没するという怖さではなく、自分が暮らしている空間で、かつて何があったのかという不安感を煽られます。冒頭の河童にまつわる話では、河童の幽霊が出るというが、実は黒い煙のような四つん這いになった人間が、恐ろしいうめき声を上げながら這いずってくる。
この墨のような怪物が襲ってくる現象が、後で久保さんと「私」と佐々木蔵之介に坂口健太郎と共に、九州の福岡へと因縁の根源を探しに行き、その奥山家の怪異が明らかになる。奥の座敷に魔除け札がたくさん貼られていた。そして、笑う女の掛け軸にまつわる女性の嬰児殺しなど。赤ん坊の泣き声はこれからくるものらしく、その跡地に建てられた家に住む男の子が、電話魔で奇妙な悪戯電話をするというのだ。それが、何故か、小説家の「私」の家にも電話が掛かってくる。
焼け焦げた腕、すなわち炭坑で焼死した人たちのうめき声と共に、呪いが充満してくる。この家が根源であり、事故で死んだその家主が一家を惨殺した後に自分も火を放ち死ぬという。

つまりは、九州の炭鉱の爆発事故で埋められて死んだ人たちの霊が、その炭抗王の家の一族を狂わせて全滅させ、尚も、そこに後から来て住んだ家族にも、災いが降りかかり、東京まで引っ越したのに、またもやその土地で災いが起こり、住んでいた人たちが奇妙な死に方をする。
娘の結婚式の日に、式が終わった後で家の座敷で首吊り自殺をする母親。それには、娘が結婚するまでに妊娠をして中絶をした祟りがあったとも考えられるが、母親が何故か首吊り自殺をした。そして、その後に出来た大きなマンションに住む久保さん。その他の住人たちにも、災いが降りかかるという呪の連鎖であります。ですが、何にも感じない住人もいます。

つまりは、久保さんが部屋で感じた「ほうきで掃く」ような音がした。その音の根源が、結婚式の後に母親が首吊り自殺をした後に、帯が垂れて畳をこする音なのだ。それは、やはり惨忍な映像であり、黒い怪物が這い出てくるのも意外と怖い。
そして、以前、久保さんの部屋に住んでいた若い男の人も、その音を聞きノイローゼとなり引っ越したものの、移転先のアパートで首吊り自殺という残念な結果になる。久保さんのお隣さんも恐怖に怯えるのだ。ですが、そのマンションの全室ではなく、意外にも炭坑王の親族が越してきた土地の後地に建った部屋ということなのか。

その前に、マンションが建つ前に、その土地には一戸建ての家があり、ゴミ屋敷の孤独老人が病気で死んだ映像も悍ましかった。お寺の住職はちゃんと成仏するようにお経を唱えたのだろうか。そのゴミ屋敷で亡くなった老人も、きっと九州の炭鉱で死んだ人たちの怨霊の声を聞いたのだろうか。もう一軒の家では、頭の可笑しな息子を座敷牢に閉じ込めたが、夜になるとトイレの便器の穴から這い出て来て、縁の下で遊びまわっていたという。その精神病の息子が叫ぶ声が、「殺せ」「殺せ」と、また恐ろしいのだ。赤ん坊の泣き声は、女が赤ん坊を殺しては縁の下に埋めたという話と、助けてくれという生き埋め炭坑夫たちの重苦しい叫びと、なんとも恐ろしい人間の狂気と因縁のお話。

主人公の竹内さんに橋本さんの二人は、ホラーな映像なのにキャーとか騒がないし、九州の炭坑王の家の中へ入っても堂々たるもので、暗いし何か出てくるぞっ、って思っていたらやっぱり出てきた。その墨の怪物が、エンドロールの後にも、男の部屋に出てくるのだから。

小説家の「私」の新居にも出ると思うよ、きっと。結局は、人間が一番怖いってことなんだよね。この映画の根底には、人の情念や想いは、死んでも残るという、因縁の連鎖がいつまでも残っていくものだという、恐ろしい祟りでもあると思います。
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