パピとママ映画のblog

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ハイ・ライズ ★★★

2016年09月21日 | アクション映画ーハ行
巨匠J・G・バラードのSF小説を「マイティ・ソー」のトム・ヒドルストン主演で映画化。上層階と下層階の間に大きな階級格差が存在する40階建て高層マンションを舞台に、ある出来事をきっかけに内部の秩序が破壊され、それまで死守されてきたヒエラルキーが崩壊していくさまを、不条理かつ退廃的なタッチで描き出す。共演はジェレミー・アイアンズ、シエナ・ミラー、ルーク・エヴァンス。監督は「サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~」のベン・ウィートリー。

あらすじ:セレブばかりが住むゴージャスなタワーマンションで、一体何が起きたのか?現代社会のヒエラルキーの崩壊を描くミステリードラマの傑作!1975年のイギリス。ロンドンから北2マイルに位置する富裕層向けの新築タワーマンションは、ラグジュアリーな内装や抜群の眺望のみならず、敷地内にスーパーマーケット、プール、銀行、医療施設、小学校、レストランなど、ありとあらゆる設備が整う、人々の生活の夢を具現化したかのような住居空間だった。

医師のラング(ヒドルストン)は25階に新たに独りで越してきた。入居者たちは俳優、モデル、アーティスト、TVプロデューサーなど、すべて一流のセレブリティばかり。彼らは毎晩、派手なパーティーを開き、自らの成功に酔いしれ人生を謳歌していた。ラングもまた、この狂乱の宴の中に身を投じていく。最上階に住む、マンションのコンセプトを考案した建築家ロイヤル(アイアンズ)にも気に入られ、順風満帆な生活がスタートするかに思えた。ある時ラングは、ワイルダー(エヴァンス)という住民と出会い、フロアの高低に基づく階級間の摩擦が存在することを知る。そして突如起こった停電を境に、ついに住民たちの問題は顕在化する――。

<感想>「太陽の帝国」で知られるJ・G・バラード原作のSF小説を映画化。理想のライフスタイルを求め高層マンション群の「ハイ・ライズ」に引っ越してきた医師のラング。上層階にはよりセレブが、下層階には家族連れのそれなりなセレブが多く住み、フレンドリーな雰囲気に反して『階級』がガッツリ根ざすセレブマンション。

自分で設計したビルの最上階に住み、屋上庭園でくつろぐタワーの設計者ロイヤルは真っ白な服をまとい神のような存在である。演じているのはジェレミー・アイアンズ、しかしここでの神なんて渦巻く思念の前では通用せず引きづり下ろされるのだ。

憧れてビルの中階に仲間入りをしたトム・ヒドルストンの医師のラングが敵役である。それに、低層階に住むワイルダーに扮したルーク・エヴァンスの存在感に圧倒される。だが、ビルの内部崩壊の図式化を急ぎ過ぎて人物像が混乱し、リアリティを欠いたことも確かであります。

これは評価が分かれるようですね。物語世界のカオス化と同時に語りもカオス化するお話しを、1本の筋書きとして追えなくなり、時間も空間も混乱するという大胆さゆえに高く評価する人もいるだろうが、一方では崩壊する過程の描き方が単なる思わせぶりな映像の断片の羅列ではないかという、これは演出の放棄ではないかと思うのだが。

合理的な世界ではないので、どうしてみんな逃げ出さないのか、という疑問も湧く。上下のあるところで人が暮らすと、本作のように、だからと言って前後しても「スノーピアサー」のように死人が出ても誰もマンションから出て行かず、その破滅をただただ受け入れ・狂い・暴動を起こし上へ上へと昇っていく。

スーパーの食料も底を尽き、牢獄のようなディストピアと化す。犬のバーベキューに、タワーの設計者ロイヤルの屋上庭園で飼っていた白い馬のバーベキューを見た後での高層ビルの実景描写が妙に恐ろしく感じた。

決して良いとは思わないが横並びが無難で、それを分かっていた昔の日本の長屋の暮らしはたいしたもんだと痛感できた。映像も凝りに凝っているし、出演者の顔ぶれにもグッとくるし、特に主人公のトム・ヒドルストンのスーツ姿の着こなしぶりに惚れた。

舞台となる高層マンションを筆頭に、仮装パーティーのベルサイユ宮殿のような雰囲気とか、美術や衣装はクラクラするほど完璧で良かった。

しかしだ、肝心のビル崩壊への経緯も崩壊後の混乱も、死んだ人間はプールが墓場となり、金持ち人間は掃除洗濯など生活一般のことが出来ない人たちばかり。だからなのか、ダラダラしてばかりでノレないのだ。

文句を言えば、使用人を使ってないのか掃除とか、インフラ整備もスムーズじゃないし、スーパーの品揃えなんて明かに乏しいし、ダストシュートが狭くて粗大ごみ袋はダメなんて、どうするのセレブなのにゴミ分別までやらなければならないの。至れり尽くせり設定のマンションなのに、設備や内容がそこまで魅力的じゃないのが残念であり、そこが惜しい。

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