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「警察 暴挙見て見ぬふり」 天皇制反対デモを右翼が襲撃  東京新聞より

2016年11月25日 | 政治社会

11月23日の東京新聞の記事より転載です。以下に

 

<東京都内で20日、天皇制に反対するデモを複数の右翼団体が襲い、デモを先導する車のフロントガラスが割られたり、負傷者が出る騒ぎになった。警視庁の機動隊が現場で規制をしていたが、逮捕者はいなかった。沖縄県の米軍施設建設反対運動では、参加者を警察官が「土人」と中傷した。昨今の警察は政治的中立性という「建前」すら無視してはいないか。(沢田千秋)

 

 襲撃されたのは「1120天皇制いらないデモ」。生前退位議論に絡んで、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅南口周辺で、約百人が参加して実施された。

 インターネット上にアップされた動画を見ると、右翼団体がワゴン車を囲み、左右に揺さぶったり、日の丸をつけたポールでフロントガラスを突くなどした。右翼団体の拡声器からは「殺せ、殺せ」という怒声が響き、ヘルメット姿の機動隊が制止に入ったが、右翼団体はそれを押しのけ、ワゴン車への襲撃を続けた。

 このデモに参加した男性(37)によると、ワゴン車はデモの先導車で、デモの開始前、井の頭通りに出たところを右翼団体に襲われたという。男性は「車がボコボコにされた後、吉祥寺駅近くまで3㎞弱の距離を1時間半ほどデモしたが、ずっと右翼団体に囲まれ、横断幕は破られ、拡声器を奪われたり、地面にたたきつけられたリした。右翼団体とのもみ合いであごから出血したり、歯が折れた参加者もいた」と話す。

 右翼団体は全体で30~40人、規制する機動隊は500人ほどいたという。男性は「右翼団体は何のデモか周辺の人びとに分からないようにすることが狙いだったようだ。わたしたちの主張が書かれているプラカードや、拡声器を集中的に狙っていた」と振り返る。

 当日、デモ隊、右翼団体双方から逮捕者は出なかった。男性は「これまで10年ほど運動をしているが、被害の大きさは過去最高。警察は右翼団体の暴挙を意図的に見逃しているようにしか見えなかった」と憤る。

 この点について、警視庁公安部は「現在捜査中なので、回答は差し控える」とコメントしている。

 ジャーナリストの斎藤貴男氏は「警察は本質的に体制の擁護者、国家の秩序維持が、その存在意義の一つだということは分かっている。そうだとしても、目の前の犯罪を取り締まらないとは度を越している」と批判する。

 沖縄県東村の米軍北部訓練場ヘリパッド移設工事に反対する運動では先月、警備にあたっていた大阪府警の機動隊員が反対派市民に「ぼけ、土人が」などと発言し、戒告の懲戒処分を受けた。だが、鶴保康介沖縄北方担当相が「(警官の土人発言は)差別とは断定できない」との認識を閣議決定した。

 斎藤氏は「土人発言を大臣が擁護することは、日本が差別を率先する国になっていることを意味する」と危機感を抱く。「戦後、少しづつ改善された人権意識が全部壊され、社会秩序を守るべき警察が積極的に社会をぶち壊す側に回っている。ここまでひどいのは戦後初めてではないか」

 さらに、こうした警察の振る舞いの影響を危ぶむ。

 「今回は天皇制反対のデモだったが、これからはどんなテーマであれ、お上に逆らう人びとに対しては、罵詈雑言を浴びせたり、暴行しても権力が擁護する社会になるかもしれない。この無残さは人の世とは思えない。どれだけ意見に相違があろうとも、デモへの襲撃は犯罪にほかならない」>


*実はこの集会に参加していた。集会参加者の何倍もの機動隊や公安が周囲にいた。集会中も右翼の拡声器が妨害の罵声を吐き出していた。警察は止めようともしなかった。

足の具合がまだ悪く、デモには参加しなかったので、新聞記事のような場面を体験しなかった。友人知人の話を聞くと、新聞記事とほぼ同じだった。物的被害が25万円ほど。

天皇制廃止というテーマは右翼と国家権力にとって、国家の基幹に関わる問題なので、暴力をもって粉砕しようという意思を持っているのだろう。

その意思は、この間突然出てきたものではない。戦後70年間、彼らはもち続けてきたが、この間の情勢に勢いづいて出てきたのではないか?

左翼の衰退と、安倍の登場と高い支持率、トランプにみられる世界的な差別排外主義の台頭。一方、現天皇の生前退位発言は、右翼には気に入らない。彼ら天皇主義者にとって、天皇は万系一世の存在でなければならない。歴史を見れば、それが虚構であることは明白だが。万系一世を否定するような発言に彼らがいら立っているのではないか?

かれら天皇主義者や国家権力・警察権力がどう思うかより、自分たちの直面する課題の克服が第1に重要な問題である。

こうした攻撃によって「反天皇制」の闘いは潰すことはできない。逆により強固な闘いの軸が形成される。


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