今頃ISについて、コメントするのは遅いということはわかっているが、考えたことをアップする。
2015年2月にISについての記事をアップしたが、その記事の不十分さを当時も感じていた。その点を補足できると判断しアップする。
1、ISの特徴
①彼らのテロは組織化されている
②戦略があるように思われる。
どのようなものかは明確ではないが、イスラム原理主義の国家を創ろうとしている
③テロの対象は一般市民も含まれる。
それ以前のテロの対象は限定された個人
④思想的には反米・反資本主義・反西欧
⑤結集軸はイスラム教スンニ派(宗教)かつ武闘主義
⑥国民国家という枠に縛られない。闘争の舞台はインターナショナル。
*④以外は、それ以前のテロと大きく異なっている。
2、IS登場の政治的意味
・91年のソ連邦崩壊後に登場
ソ連の崩壊は社会主義の敗北・マルクス主義の敗北とマスコミなどでは宣伝され、多くの人々は、そのように思い込まされている。しかし、これまでも書いてきたが、ソ連の崩壊はマルクス主義の敗北ではない。マルクス主義はまだその存在価値を失っていない。世界が資本主義社会である限りマルクス主義の生命力はなくなりはしない。
ソ連の崩壊が労働者の階級闘争によるものではないことが問題。
それは、戦後、マルクス主義を掲げている様々な左翼勢力が階級闘争を組織する結集軸としての力を有していないことを示していた。それはマルクス主義の本来の力がなくなったからではなく、左翼を自認する人々・団体(我々も含めて)が思想形成=マルクス主義の形成に失敗したこからである。なぜ失敗したのか?この点を明らかにしなければ展望は開けない。
ソ連の崩壊によって、マルク主義への期待は大きく減少し、反帝国主義・反資本主義を闘う人たちはの中には、結集軸をマルクス主義以外に求めざるを得なくなった。
ISの結集軸が宗教であることは中世のキリスト教が国民統合のツールであったのと同様であるがしかし、ISは国家に基礎をおいていないので、国民統合する必要はない。彼らは組織の結集軸として宗教を使っている。選択肢は他にはない。
ISは1970年代初頭に登場した連合赤軍や反日武装戦線の武装闘争によく似ている。彼らもまた60年代の新左翼学生運動が東大闘争に敗北し、その展望を見失い絶望し戦略なき武装闘争に突き進んだ。両者に共通しているのは、マルクス主義の弱体化である。この状況は世界的なので、日本も例外ではない。先の安保関連法や、現在の共謀罪反対闘争においても、その主張にマルク主主義の思想を見出すことはできない。
安倍が改憲をスケジュールののせた。改憲攻撃に対する闘いも早急に具体化しなければならない。すでにその方針は、本ブログにアップしている。改憲攻撃と闘うその思想性こそがマルクス主義思想となっていなければならない。それは、あらゆるブルジョアイデオロギーから独立した思想でなければならない。厳しい思想闘争となる。それに耐えられなければ、敗北である。