二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ12 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-31 22:10:41 | 習作SS


続いたネタ12 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


1945年 東京

大日本帝国の大使として吉田茂が赴任したように、
21世紀の日本もアルヌスの丘から1945年の日本に足を踏み入れた。

「なんだこの発展ぶりは!?
 本当に1945年の東京なのか?」

「自動車も多い…それに高層ビルもある」

そして派遣された官僚たちの感想は驚愕であった。
元々帝国日本側から提供されていた資料から、
自分達が知る歴史以上に発展しているのは知っていたが想像以上であった。

「満州の油田…。
 それに中東の石油利権、
 これらに何が何でも関わらなければ!」

「通貨の取り決めが決まっていない当面はバーター取引だが、
 それだけでも儲けがおおきい、早急に交易について決まりごとをしなくては」

さらに既に開発されている満州の油田、
未だ手がつけられていない中東の油田に興奮する経済産業省、
バーター取引で貴金属での交換を予想する財務省の官僚が興奮を隠さなかった。

大半は得られる利益と利権に楽観的な事を考えていたが、
しかし、この日本を取り巻く環境と発展ぶりに違和感を感じるを人間がいた。

「まさかこの時期になってもヒトラーが生きているとは。
 おまけに強制収容所、はじめ帝国日本側からの説明ではまさかと思いましたが、
 昨晩接触してきたドイツ大使館の人間が当たり前かのように話した時は歴史という奴を思い知りましたよ」

「しかもイギリスではバトル・オブ・ブリテンでチャーチル首相が死亡し、ドイツと停戦。
 アメリカは例の大西洋津波で壊滅、ソ連はスターリンが亡くなって以来ガタガタ、歴史が違いすぎる」

そう嘆息する外務省の官僚達。
違いすぎる歴史に思わず頭を抱える。

「そしてこの日本の発展ぶり、一体何なのだ?
 下水道の整備が妙に進んでいるいるし、関東大震災後の対応が見事すぎる。
 投下された予算が史実より多いこともあるが、聞けば元々関東大震災の日が防災の日になっている、偶然か?」

「フォン・ブラウン博士が招待されているし、冷遇されていた八木教授が優遇されている…妙だ」

史実の貧弱ぶりを知る国交省の官僚が国内の異常な発展に疑問を浮かべ、
さらに科学技術庁の官僚が20世紀後半に関わる重要な技術発展に関わる人物が優遇されていることに違和感を覚える。

「だからこそ貴方方も違和感を覚えるがゆえに伊丹レポートに注目している、そうでは?」
「………………」

海自の武官である江田島五郎二等海佐の言葉に沈黙で肯定を表現する。

伊丹レポート。
それは特地で見た日本軍と特地の報告を記したものだが、
その中に1945年の日本が先の歴史を知る未来人による関与の可能性を示した。

通常ならそんな内容が書かれた報告書自体通ることはないが、
伊丹二尉が未来人の証拠として示したオタ文化は確かに21世紀の日本にあるもので、
戯言と切り捨てるわけにいかなく、かといって公に認めるわけにいかず、
とりあえず、公には口にせず内心で可能性に同意しているにとどめている。

「仮に未来人がいたとすれば関与した時期はかなり早いでしょうね。
 歴史の流れは幕末から変わって来ていることから見て最低幕末からでしょう、
 彼らは関わって来たのは、それ以前の歴史には我々の歴史と流れは同じですから」

江田島二佐の推測に官僚たちが頷く。

「そしてそれは1人ではない、集団だ。
 また組織を作っている、そうでなければ国を動かすことはできない」

「ええ、そうでしょうね。
 でないとここまで変わるはずがない」

官僚の1人の言葉に江田島二佐が同意の言葉を送る。

「だが、それは日本だけではないと思う。
 ドイツでは未だヒトラーが健在で公式映像を見る限り健康そのものだ。
 もしかするとドイツでも未来人、それもヒトラーの健康不良を知る人間が関わっているのかもしれない」

さらにドイツがイギリスとの停戦に漕ぎ着け、
ソ連と戦いで勝利を収めてカール大帝の次に統合された欧州を作ったヒトラーに疑惑の目を向ける。

史実のヒトラーはパーキンソン病を始め薬の副作用で健康面に重大な問題を抱えていたが、
この世界のヒトラーはどういうわけかそうした問題の兆候すら見当たらず、史実を知る人間の介入を疑った。

「日本の事もそうだが今後はドイツの事も調べる必要があるな…。
 はぁ……まさか未来人の存在を真剣に議論する時が来るとは一体どんなファンタジーなのやら」

「おや、そもそも銀座の門その物がファンタジーですし、
 案外我々の存在は誰かに物語として描かれているかもしれませんよ」

「普段ならそんな馬鹿なと笑い飛ばせるが、平行世界にいる身としては真剣に考えざるを得ないな…」

江田島二佐の冗談にドイツ未来人介入説を唱えた公安の人間が苦笑交じりに返答する。

「しかし既に疑わしい組織は分かっています――――内閣直属の機関、総合戦略研究所です」

1920年代は大幅な軍縮と同時に数多くの政府組織が設立された。
特に史実と違う改変は軍需省、大日本帝国中央情報局、通商産業省の設立で、
史実の日本が弱点としていた点を克服すような組織であるが、中でも総合戦略研究所の存在は目立っていた。

何故なら軍事、経済、外交の様々な分野の専門家達によって構成される日本最大のシンクタンク組織であり、
研究所から提言された意見が政治家、ならびに各省庁に強い影響力を与えており未来人が研究所を通じて介入しているのを疑っていた。

「彼らに接触することで今後の優位に立つ、それが私たちの目的なのですから」

そして1945年の大日本帝国に派遣された官僚達は彼らに接触することで、
今後アメリカを始め、拡大するであろう世界間の交流で優位に立つことを目論んでいた。








相州戦神館學園 万仙陣




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