幸福学専門30年 筬島正夫が語る本当の幸せ


自著『第3の幸せ』【60ページ無料プレゼント中】         

空しさの三段階(ハイデッガー)

2009-03-12 | 不安

 
 ドイツの哲学者、ハイデッガーの空しさの三段階について書かれている。
 「むなしさ」というものを哲学的に考察した人。

 1.手持ち無沙汰の空しさ
   ドイツの片田舎で電車を待つ空しさ
 2.友人宅でパーティーに参加して楽しんで、
   それが一区切りして自宅で机に向かう時の空しさ
    ・文化祭、修学旅行の後
    ・面白うてやがてかなしき鵜飼かな
 3.人間存在そのものの空しさ
   何時来るか分からない。いつもある。
 
  
 3番目のはみんな軽視している。
 だけどこれこそ一番重視しなくてはならない、とは言ってる。

  太宰の『トカトントン』という小説がある。
 何か事を起こそうとすると頭の中から「トカトントン」という音がする。
 その音がしたら、何やってんだ、と思って急にヤル気がなくなる。
 最初に主人公がその音を聞いたのは玉音放送。戦争負けた瞬間。
 何やってきたんだろう、という思いが胸を覆った。
 小説書いて最後の場面を考える。ところがその時音がする。
 冷めちゃう。原稿やぶってしまう。
 政治運動に参加。みんなで話をしている。
 しかし音がする。もうやめちゃう。
 誰かを好きになる。しかし音がする。別れる。
 そして小説の終わりの方は
「この小説は遺書です。しかしこれを書いているうちにも音がしている。」
 と書いている。

 芥川は「人生は狂人の主催したオリンピック」
    「ぼんやりとした不安」 


 と言っている。
 これも3番目のむなしさを言っているといえる。

 人間存在そのものの不安、これを親鸞聖人は無明の闇と

 言いました。

 この心こそ苦しみの一番奥深いところにある迷いの親玉です。


●関連記事 浄土真宗親鸞会(東京オアシス)





最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (norin♪)
2005-07-19 00:18:18
>人間存在そのものの空しさ

何時来るか分からない。いつもある



学生の頃はこんな事はよく考えていました。

自分がここに存在する意味はなんだろう

なんて



太宰治の『人間失格』を読み終えた後は

一種の嫌悪感と虚無感が残りました。

なぜだろうと分析はしませんでしたが

タイトルの意味がなんとなくわかりました。

返信する
そう言えば。。。 (kiko)
2005-07-19 10:13:41
最近、空しさは感じてないなあ。

毎日が充実しているからなのか、気付いてないからなのか???

一時期は、空しさばかり感じていたんだけどなあ。
返信する
空しさを乗り越えられるか! (ゆうすけ)
2006-04-19 13:09:41
空しさは、いつ何時おこってくるかわかりませんよね。



私は、空しさというのは、とことん楽しんだあとに、唐突に襲ってきます。



例えば、旅行などの帰りのバスの中とか、ブログなどで、盛り上がりすぎて、その後、自分自身を見失って空しくなってしまったりとか。



でも、そんな繰り返しで、生きているんでしょうね。



ただいま!
返信する
Unknown (ぱんだ→ゆうすけさん)
2006-04-20 20:05:41
どうも!

お久しぶりです☆

元気そうで何よりです。

これからもよろしくお願いしますね~
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。