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日本人初!女性初!カンヌで河瀬直美監督に功労賞 浄土真宗親鸞会講師のブログ

2009-05-15 | 
 
河瀬直美さんに、62回カンヌ国際映画祭で、
功労賞「金の馬車賞」が贈られました!!


同賞は、フランスの巨匠ジャン・ルノワール監督の映画『黄金の馬車』
から名付けられたものだそうです。
同部門に貢献し、カンヌでも高い評価を得ている監督に贈られるもので、
今年で7回目。
2003年にはクリント・イーストウッド監督、昨年はジム・ジャームッシュ監督と
いったそうそうたる面々が選ばれています。


[東京 14日 ロイター] 
国内各メディアの報道によると、第62回カンヌ国際映画祭で14日、
日本の河瀬直美監督に功労賞「金の馬車賞」が贈られた。
同賞を日本人が獲得するの今回が初めて。
過去にはクリント・イーストウッド監督らが受賞している。
 河瀬監督は、2007年の同映画祭で「殯(もがり)の森」が
審査員特別大賞「グランプリ」に輝いた実績がある。
 今回のカンヌ国際映画祭では、最高賞「パルムドール」を競う
コンペティション部門に日本の菊地凛子が主演したスペイン映画
「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」も出品されており、
最終日24日の各賞発表に注目が集まる

授賞式では河瀬監督が満場の拍手に迎えられて登壇。
金色の冠を受け取り、
「今晩はこの素晴らしい賞に酔いしれるが、明日からは映画作りの初心者、
赤ちゃんに戻って世界に残る映画を作り続けたい」と語った。

式が行われたのは「監督週間」の上映会場。1997年に河瀬監督が
カメラドール(新人監督賞)を受賞した「萌(もえ)の朱雀」が上映されたのも
同じ会場だっただけに、「12年前にこの場所に立ったのを思い出す」と
感慨深げだった。



河瀬直美さんに『沙羅双樹(しゃらそうじゅ)』
という作品があります。
 ※河瀬 直美監督自身も母親役で出演
http://www.kawasenaomi.com/ja/works/feature_film/post_20/

『沙羅双樹』平家物語冒頭

『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす』


の沙羅双樹ですね。

釈迦がクシナガラで入滅(死去)したとき、臥床の四辺にあったという、
4双8本の沙羅樹。
時じくの花を咲かせ、たちまちに枯れ、白色に変じ、さながら鶴の群れの
ごとくであったという(「鶴林」の出典)。

          (Wikipediaより)

川端康成の「雪国」や「源氏物語」の翻訳で知られる
サイデンステッカー教授の名訳で読んでみると、こうなります。

The bell of the Gion Temple tolls into every man's heart to warn

him that all is vanity and evanscense.

 ※toll・・・・・〔鐘などが〕繰り返しゆったりと鳴る
  warn・・・・・ 警告する
  vanity ・・・・虚栄心、はかなさ、むなしさ、空虚
  evanescence・・消失、はかなさ


逆訳しますと


「一切は、はかなく、失われゆく」
祇園精舎の鐘の音は、すべての人の心のうちに、
そう鳴り響く。

といった感じでしょうか。


この言葉が
『YOU WERE BORN FOR A REASON』

という本に引用され、続いてジョーン・ディディオンというアメリカ作家の
言葉が書かれてありました。




Life changes fast.
Life changes in the instant.
You sit down to dinner and life as you know it ends.

 人生は急激に変化する。
 人生は一瞬に変化する。
 夕食の席に着いたと思ったら、命は終わる。

(『THE YEAR OF MAGICAL THINKING』ジョーン・ディディオン)



『THE YEAR OF MAGICAL THINKING』は40年連れ添った夫が、
心臓発作で急死してからの出来事を記したノンフィクション。
この本はナショナル・ブック・アウォード(アメリカで最も栄えある文学賞の一つ)を
受賞しました。

日本でも公開された映画『スター誕生』『アンカーウーマン』などの脚本は、
ディディオンさんと夫との共同執筆だったそうです。

夫を突然の心臓発作で亡くした彼女は次のように書いています。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

2003年12月30日の夜、一緒に夕食の席に着いて間もなく、
夫は突然の重い心臓発作で亡くなった。
それはいつもと変わらぬ、ありふれた一日の終わりに起きた出来事だった。

夫は、スコッチをチビチビやりながら、私と会話していた。
ふと顔を上げると、彼は左手を宙に上げ、ぐったりと動かなくなった。

何かの冗談だと思った私は、「やめてよ」と言った。
しかし、夫が返事をすることは、二度となかった。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


 健康だ、財産がある、名声を得た、立派な家がある、という私たちが日ごろ、
 当て力にしている現実は、絶えず変化している。
 大きく変化するか、少しずつ変わるかは違っても、刻一刻と移ろい、
 容赦なく崩壊に向かっているのは間違いない。
 配偶者に恵まれても、生身の人間。いつ病や事故で倒れるか分からない。
 その現実に驚いたJ・ディディオンは、こう書かずにはおれなかった。

Life changes fast.
Life changes in the instant.
You sit down to dinner and life as you know it ends.

 人生は急激に変化する。
 人生は一瞬に変化する。
 夕食の席に着いたと思ったら、命は終わる。



 釈尊が、命の長さをお尋ねになった時のこと。
 修行者たちがそれぞれ、思いを述べる。

「五、六日間でございます」
「食事をする間くらいのものです」
「いやいや、命の長さは、一息つく間しかありません、
 吸った息が吐き出せなければ終わりです」

最後の答えに、釈尊はようやく満足なされ、大いに称賛されたという。
出息入息 不待命終「(しゅっそくにゅうそくふたいみょうじゅう)」
とも説かれる。
無常は、食事をする間も待ってはくれないのである。

肉親を事故や病気で失った遺族が、事実をすぐに受け入れられないのは、
無常があまりにも突然だからであしょう。
J・ディディオンにとっても、大事件が平凡な日常に起きたことが衝撃的でした。

「夫の死の直前まで、何もかもがいつもと同じだったために、
 夫の死が実際に起こったのだと信じることができず、
 それがために、受け入れることも、乗り越えることもできなかった」

 無常はいつも突然である。交通事故の犠牲者が、
 "今日がこの世の見納めだ"と、その朝、泣き泣き洗顔したであろうか。
 痛ましいどんな事故も、「ありふれた日常」の中で、ふいに起こるのだ。
 釈尊は、人は生まれた時から、一人に一頭、背後に飢えた虎を連れていると
 教えられている。
 突然、ガブリとやられる時が来る。
 「だれでもよかった」という通り魔殺人事件や、飲酒運転の悲惨な事故に、
 一時は驚いても、いつの間にか私たちは聞き流している。
 空腹の大虎が牙をむいていることを忘れているのである。 


沙羅双樹を思い浮かべ、今ある生命の尊厳をかみ締めずにおれません。

河瀬直美監督は、人生の悲哀や老い、生と死といったテーマが
見受けられます。
もっともっと素晴らしい作品をと願っています。


ダン・ブラウン原作 映画 天使と悪魔  浄土真宗親鸞会講師のブログ - 浄土真宗 親鸞会 講師のブログ・人生の目的と生きる手段
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