パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

こころ

2017-07-16 | book
平成26年,2014年の4月から9月まで100年ぶりに新聞掲載された夏目漱石の人気小説,「こころ」(当時は心)を読んだ。110回。

新潮文庫で累計部数1位の名作。ところが,高校時代から何回かチャレンジするも挫折している。藤沢周平,山本周五郎しかり,読者側がのめり込むには,そのとき,そのタイミングで作品とマッチするかどうかだとわかっていても,取り残され感いっぱいの小説だった。

心理描写の手法なので劇画的に盛り上がりはない。先生と私,両親と私,先生とKのこと。この3部構成は新聞掲載時はなかった。大正3年1914年に連載され,1部と2部は「私」,3部は「先生」の心の吐露を通し,明治が終焉を迎える中,家族,異性,若者と仕事などの価値観が垣間見える。自己中心的な価値観,それを支える自立感の登場。コミュニティから個への変化。時代とともに社会は変化し,これらのあり方も100年で大きく変わった。一方で変わらない価値観もある。

しかし,漱石は,これだけの心情描写を次々と繰り出し,これだけで小説を完成させる技量。それも江戸が終わり,近代の風がどんどん送られてきた時代だ。いわゆる小説の有り様も手探りときに,小学6年からのファンレターもあったという。

ロングセラーの由縁は,人間の深層は,そんなに変われないのかもしれないということか。100年の時代の流れを感じて,読了した。

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