評価:☆☆☆★・
待ちに待ったオーガストの新作『大図書館の羊飼い』をクリアしたのでその感想です。
前作の『~ユースティア』は、あの暗い雰囲気が私にはついていけず、途中でドロップアウトしてしまいました。
そういった事情から、次作がオーガスト得意の学園ものというわけで期待してました。
……でも、よく考えるとオーガスト作品って外伝的なものを抜かすと学園ものって7作中4作とほぼ半分くらいだったりしますが。
まぁ、そんなわけで期待していた本作ですが及第点ではありましたが……正直、物足りなかったです。
まずは各ヒロインの評価から。
もちろんネタバレを含みますのでご注意を。
【白崎 つぐみ】
オーガスト作品ってメインヒロインの押しが弱い(初期3作で人気投票1位をとったのは羽根井優希のみ)印象があるのですが、やはり彼女もその例に漏れず……というかそれ以上に歴代で一番押しが弱かった印象です。
なんといいますか、彼女は属性をほとんど持ってないんですよ。先ほど上がった『バイナリィ・ポッド』のゆきのんは幼なじみ属性やらいろいろ属性という名の武器を持っていました。フィーナ姫とかもそうです。
ところがつぐみはメインヒロインというくらいしかなく、あとはただひたすら各シナリオで「いい人」という印象しかなく、私的には最後には「どうでもいい人」な感じになってしまいました。
もう少し個性を持たせてもよかったんじゃないでしょうか。
ま、作品発表の時からなんとなくどうでもいいキャラな感じを受けてしまっていましたけどね。(苦笑)
【桜庭 玉藻】
図書部4人の中では一番良かったと思います。
つぐみが無個性でいい人で人間臭さを感じなかった分、彼女は一人で抱え込んで突っ走りがちな性格とか人間味を感じました。
ポニーテールヒロインなのもよかった。
【鈴木 佳奈】
作品のムードメーカーであり、愛すべきキャラでした。
年下で明るい性格で作品をひっぱる『はにはに』のまつりんみたいなキャラでしたね。
また、ギャグメーカーのヒロインといえば『FORTUNE ARTERIAL』のかなでですが、個人的には彼女のようにギャグに走りすぎてうるさい印象はまったくなくちょうどいい塩梅でした。
よかったと思います。
【御園 千莉】
なっちゃん(バイナリィ)→フィー(プリホリ)→ちひろ(はにはに)→麻衣(あけるり)→白(FORTUNE~)と続く毎回おなじみのおとなしい年下キャラ。
特に髪の色と髪型から『はにはに』の橘ちひろを連想しました。
ただ彼女よりも従順さというか、大人しさをなくした感じで、千莉は千莉でいいキャラになっていたと思います。
ただ、せっかくのすごい歌声を持った将来が有望視されている学生というのがシナリオであまり生かせていなかった気もします。
【小太刀 凪】
メイン5人の中ではシナリオが一番良かった。
というか全部クリアしたからこそ言えますが、彼女のシナリオが真ルートであり、彼女こそ真のメインヒロインだったのではないかと思います。
動物が苦手だったり、キャラも生き生きしていた気がします。
意外や意外、彼女が今作における優希(バイナリィ)→エル(プリホリ)→ほなみん(はにはに)と流れを作っていったオーガスト定番の幼なじみキャラだとは思いませんでした。
<以下サブヒロイン>
とはいえちゃんとエンディングまである3人です。
というか、
もうこの人がメインヒロインでいいんじゃないか。
というくらいこの3人はよかったです。サブヒロインでシナリオが短いのがもったいないくらいでした。
【望月 真帆】
一途で健気で、本人は隠してるつもりなのだろうけど主人公のことが好きなのがバレバレな、とても可愛らしいヒロインでした。
ぶっちゃけると彼女のシナリオはつぐみシナリオから分岐するのですが、私的には真帆の方がよかったのでつぐみシナリオ攻略の時は本当に断腸の思いで選択肢を選んでいました。
容姿・性格・設定等は最高で、私的には今作の№1ヒロインです。
【嬉野 紗弓実】
懐かしの『はにはに』の結先生を髣髴とさせるキャラで、彼女もまたサブヒロインにしておくのはもったいないキャラでした。なんでシナリオがあんなに短いんでしょうか。もったいない。
彼女もまた容姿・性格等が良く、私的には今作の№2ヒロイン。
【芹沢 水結】
彼女もサブヒロインにしておくのがもったいないようなキャラであり、現役声優という設定でしたが、なんというか掘り下げ方はさほどでもなく、「まぁ、サブヒロインだなぁ」という印象。
設定上、千莉との絡みが多いキャラでしたが彼女同様にもう少し設定を生かしても良かったんじゃないかな、と少し残念。
と、ここまではヒロインの評価でしたが、これからはゲームの総論的な評価になります。
演出面はよくなっていると思います。立ち絵が服装ごとに1枚しかなかった処女作の『バイナリィ・ポット』からブレイク作で立ち絵も大幅に増えた『月は東に日は西に』と進化し、それ以降も進化を続けてきただけのことはあります。
ただ欲を言えばもう少し動きが欲しいかな、というのはあります。『つよきす』やら『真剣で私に恋しなさい』みたいに立ち絵を動かせとは言いませんが、もはや数年前の作品になっているサーカスの『D.C.Ⅱ』のような背面の立ち絵を入れて普段の絵に奥行きを持たせるとかしてもいいのでは?
そしてシナリオ。
先に言った通り、前作の『~ユースティア』が私的にはイマイチだったので、それに比べればよかったと思うのですが、じゃあ他のオーガスト作品と比べたら、となると……
私的にはオーガスト№1の『はにはに』とは比べようもなく、次点の『FORTUNE ATERIAL』にも当然及ばず、『夜明け前より瑠璃色な』よりも下だったといわざるを得ません。
学園もの4つの中では間違いなく最下位です。
とはいえ、言うほど悪くはなかったです。オーガスト定番の学園ものの中に混ぜてくるファンタジーなものも入っていましたし、及第点には達しているとは思います。
ただ、シナリオの山場がなかったのが非常に気になりました。
そしてそれがほぼどのシナリオにも共通していました。
だからこそ各ヒロインの評価も、そのせいで低い…というか印象に残らないものになってしまっている気がします。
そして各ヒロインのルートに入る前の共通シナリオが長かったのも気になりました。もう少し短くしてもらえるとテンポが良かったと思うのですが。
それとメイン4人だけにあった小太刀ルートから分岐する真(?)ルート。あれは要りません。あのルートは9割くらいが共通ルートで最後にちょっと分岐するくらいで、あれをいちいち見させられるのがもはや苦痛レベルになるほどテンポが悪いです。
あのシナリオは小太刀ルートだけで十分。ほかの4人を混ぜることで小太刀ルートの印象が薄くなってしまいかえって悪かったです。
そのシナリオでメインになるのが生徒会長選挙、となんだか『恋と選挙とチョコレート』から持ってきたような展開でオリジナリティにかける気がしたのですが。(苦笑)
そういえばウェイトレスでありふれた苗字といえば『WORKING!』の山田を思い出すのですが、これもリスペクトでしょうか?
とりあえず満足できる作品ではありましたが、次回作ではもう少し山場のある、たとえば『FORTUNE ATERIAL』の真ルートや、『はにはに』の各ルートの終盤くらいグッとくるような、オーガストらしいシナリオを期待しています。
P.S.
各ヒロインの着信メロディが今までのオーガスト作品のメインテーマになってたのはとてもいい試みでした。
小太刀の『divergent flow』で初めて気が付きましたけど。
それにしても嬉野さん、着メロがあの『バイナリィ・ポット』の主題歌『First Avenue』とは……どこまでもいいキャラなんだ!(笑)
待ちに待ったオーガストの新作『大図書館の羊飼い』をクリアしたのでその感想です。
前作の『~ユースティア』は、あの暗い雰囲気が私にはついていけず、途中でドロップアウトしてしまいました。
そういった事情から、次作がオーガスト得意の学園ものというわけで期待してました。
……でも、よく考えるとオーガスト作品って外伝的なものを抜かすと学園ものって7作中4作とほぼ半分くらいだったりしますが。
まぁ、そんなわけで期待していた本作ですが及第点ではありましたが……正直、物足りなかったです。
まずは各ヒロインの評価から。
もちろんネタバレを含みますのでご注意を。
【白崎 つぐみ】
オーガスト作品ってメインヒロインの押しが弱い(初期3作で人気投票1位をとったのは羽根井優希のみ)印象があるのですが、やはり彼女もその例に漏れず……というかそれ以上に歴代で一番押しが弱かった印象です。
なんといいますか、彼女は属性をほとんど持ってないんですよ。先ほど上がった『バイナリィ・ポッド』のゆきのんは幼なじみ属性やらいろいろ属性という名の武器を持っていました。フィーナ姫とかもそうです。
ところがつぐみはメインヒロインというくらいしかなく、あとはただひたすら各シナリオで「いい人」という印象しかなく、私的には最後には「どうでもいい人」な感じになってしまいました。
もう少し個性を持たせてもよかったんじゃないでしょうか。
ま、作品発表の時からなんとなくどうでもいいキャラな感じを受けてしまっていましたけどね。(苦笑)
【桜庭 玉藻】
図書部4人の中では一番良かったと思います。
つぐみが無個性でいい人で人間臭さを感じなかった分、彼女は一人で抱え込んで突っ走りがちな性格とか人間味を感じました。
ポニーテールヒロインなのもよかった。
【鈴木 佳奈】
作品のムードメーカーであり、愛すべきキャラでした。
年下で明るい性格で作品をひっぱる『はにはに』のまつりんみたいなキャラでしたね。
また、ギャグメーカーのヒロインといえば『FORTUNE ARTERIAL』のかなでですが、個人的には彼女のようにギャグに走りすぎてうるさい印象はまったくなくちょうどいい塩梅でした。
よかったと思います。
【御園 千莉】
なっちゃん(バイナリィ)→フィー(プリホリ)→ちひろ(はにはに)→麻衣(あけるり)→白(FORTUNE~)と続く毎回おなじみのおとなしい年下キャラ。
特に髪の色と髪型から『はにはに』の橘ちひろを連想しました。
ただ彼女よりも従順さというか、大人しさをなくした感じで、千莉は千莉でいいキャラになっていたと思います。
ただ、せっかくのすごい歌声を持った将来が有望視されている学生というのがシナリオであまり生かせていなかった気もします。
【小太刀 凪】
メイン5人の中ではシナリオが一番良かった。
というか全部クリアしたからこそ言えますが、彼女のシナリオが真ルートであり、彼女こそ真のメインヒロインだったのではないかと思います。
動物が苦手だったり、キャラも生き生きしていた気がします。
意外や意外、彼女が今作における優希(バイナリィ)→エル(プリホリ)→ほなみん(はにはに)と流れを作っていったオーガスト定番の幼なじみキャラだとは思いませんでした。
<以下サブヒロイン>
とはいえちゃんとエンディングまである3人です。
というか、
もうこの人がメインヒロインでいいんじゃないか。
というくらいこの3人はよかったです。サブヒロインでシナリオが短いのがもったいないくらいでした。
【望月 真帆】
一途で健気で、本人は隠してるつもりなのだろうけど主人公のことが好きなのがバレバレな、とても可愛らしいヒロインでした。
ぶっちゃけると彼女のシナリオはつぐみシナリオから分岐するのですが、私的には真帆の方がよかったのでつぐみシナリオ攻略の時は本当に断腸の思いで選択肢を選んでいました。
容姿・性格・設定等は最高で、私的には今作の№1ヒロインです。
【嬉野 紗弓実】
懐かしの『はにはに』の結先生を髣髴とさせるキャラで、彼女もまたサブヒロインにしておくのはもったいないキャラでした。なんでシナリオがあんなに短いんでしょうか。もったいない。
彼女もまた容姿・性格等が良く、私的には今作の№2ヒロイン。
【芹沢 水結】
彼女もサブヒロインにしておくのがもったいないようなキャラであり、現役声優という設定でしたが、なんというか掘り下げ方はさほどでもなく、「まぁ、サブヒロインだなぁ」という印象。
設定上、千莉との絡みが多いキャラでしたが彼女同様にもう少し設定を生かしても良かったんじゃないかな、と少し残念。
と、ここまではヒロインの評価でしたが、これからはゲームの総論的な評価になります。
演出面はよくなっていると思います。立ち絵が服装ごとに1枚しかなかった処女作の『バイナリィ・ポット』からブレイク作で立ち絵も大幅に増えた『月は東に日は西に』と進化し、それ以降も進化を続けてきただけのことはあります。
ただ欲を言えばもう少し動きが欲しいかな、というのはあります。『つよきす』やら『真剣で私に恋しなさい』みたいに立ち絵を動かせとは言いませんが、もはや数年前の作品になっているサーカスの『D.C.Ⅱ』のような背面の立ち絵を入れて普段の絵に奥行きを持たせるとかしてもいいのでは?
そしてシナリオ。
先に言った通り、前作の『~ユースティア』が私的にはイマイチだったので、それに比べればよかったと思うのですが、じゃあ他のオーガスト作品と比べたら、となると……
私的にはオーガスト№1の『はにはに』とは比べようもなく、次点の『FORTUNE ATERIAL』にも当然及ばず、『夜明け前より瑠璃色な』よりも下だったといわざるを得ません。
学園もの4つの中では間違いなく最下位です。
とはいえ、言うほど悪くはなかったです。オーガスト定番の学園ものの中に混ぜてくるファンタジーなものも入っていましたし、及第点には達しているとは思います。
ただ、シナリオの山場がなかったのが非常に気になりました。
そしてそれがほぼどのシナリオにも共通していました。
だからこそ各ヒロインの評価も、そのせいで低い…というか印象に残らないものになってしまっている気がします。
そして各ヒロインのルートに入る前の共通シナリオが長かったのも気になりました。もう少し短くしてもらえるとテンポが良かったと思うのですが。
それとメイン4人だけにあった小太刀ルートから分岐する真(?)ルート。あれは要りません。あのルートは9割くらいが共通ルートで最後にちょっと分岐するくらいで、あれをいちいち見させられるのがもはや苦痛レベルになるほどテンポが悪いです。
あのシナリオは小太刀ルートだけで十分。ほかの4人を混ぜることで小太刀ルートの印象が薄くなってしまいかえって悪かったです。
そのシナリオでメインになるのが生徒会長選挙、となんだか『恋と選挙とチョコレート』から持ってきたような展開でオリジナリティにかける気がしたのですが。(苦笑)
そういえばウェイトレスでありふれた苗字といえば『WORKING!』の山田を思い出すのですが、これもリスペクトでしょうか?
とりあえず満足できる作品ではありましたが、次回作ではもう少し山場のある、たとえば『FORTUNE ATERIAL』の真ルートや、『はにはに』の各ルートの終盤くらいグッとくるような、オーガストらしいシナリオを期待しています。
P.S.
各ヒロインの着信メロディが今までのオーガスト作品のメインテーマになってたのはとてもいい試みでした。
小太刀の『divergent flow』で初めて気が付きましたけど。
それにしても嬉野さん、着メロがあの『バイナリィ・ポット』の主題歌『First Avenue』とは……どこまでもいいキャラなんだ!(笑)