TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 125

2017年08月06日 | エッセイ
 左目の手術は右目より多少時間がかかったように感じた。以前の損傷の影響のないように手術をして下さった。その分余計に時間がかかったのであろう。通常の方法で人工レンズが所定の位置に納められなかった場合は、水晶体の裏側に人工レンズを縫い付けるために再度の手術が必要であった。名医のお蔭で、今回で全ての白内障の手術が終った。感謝である。

 先のブログのTDY編を終るにあたり、思い出したことを逐次書くことを約束した。今回はビルマ編を補足したい。

 私はアルコールに強くはないが、情報収集のためにホテルのバーに行くことを心掛けている。初めて会う相手でも同じホテルの住人には何となく親しみを感じる。これは何処の国、何処のホテルでも同じ現象のように思える。たった一杯のビールでも、顔がすぐに赤くなる。相手は余程アルコールが入っているとみて、最初から気を許して私に近づいてくる。私もそうであったが、一人で出張してくると商売抜きで話せる相手が欲しくなる。その国の噂話、或いは自分だけが知っていると思い込んでいる取って置きの情報を誰かに話したくなる。そのような場で聞いた話が異国での寂しさを癒し、思わぬ商売のヒントになるのである。

 ビルマ(現ミャンマー)のラングーン(現ヤンゴン)の代表的ホテルであるストランド・ホテルのバーはその夜も人であふれていた。ホテルの外へは出られないのである。当時は戒厳令が敷かれており、夜の10時から翌朝の4時迄は外出禁止になっていた。我々外国人であっても、この禁を破れば確実に撃たれてしまうと取引先の社長から厳重に注意されていた。若い女の子もいない、男だけの面白くもないバーに集るしかないのである。

 その中の一人が私に笑顔を向けると、「貴方は日本からいらしたのでしょう?私は日本に駐留したことがあります。横田基地でした」と云った。以前はアメリカの軍人であったと判断した。そして全くの偶然に驚いた。私が日本政府から派遣されていた6100サポート・ウィングと同じ旅団であった。そのことを云うと、彼は私に抱きついてきた。男にハグされても嬉しくはないが、親しみを感じた。「日本語を話す男には気を付けた方がいいです。それらしく見えませんが、政府のスパイです。貴方が何の目的でビルマに来たか探ろうとしています」と声を潜めるように云った。この情報は既に取引先から聞いていたが、初めて聞くことのように大きく頷いた。彼は続けた。欧米人がビルマでスパイ活動をするのは目立ちすぎて難しい。而し、アジア人、特に日本人はスパイに向いている。顔立ちがビルマ人に似ており、日本語を話すビルマ人が多い。その上、日本人を好きなビルマ人が多くいる。以上の事柄から、日本人を見ると、彼らはスパイではないかと疑うらしい。私が取引相手の社長から真っ先に受けた留意点と全く同じことを云われた。このような話を聞くと、探られては困るどんなことがビルマにあるのかと非常な興味を持った。

 申し訳ないが、今回の写真も一昨年の今頃に写真仲間と初めて行った等々力渓谷のものである。非常に興味ある被写体が多く、何度も行きたくなる場所の一つになった。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/8秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 この川にかかる橋を渡って渓谷に入る。橋を渡り終えると、此処が世田谷区かと思えるほど涼しかった。通常よりずっと感度を上げないといけないほど陽がさしていなかった。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 日本庭園を思わせる飛び石。これだけを被写体に選んでも撮りつくせないほど魅力を感じた。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f5.6、 1/20秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 鹿威し(ししおどし)ではなく、竹の樋を通って湧き水が流れていた。大勢のカメラマンがこの風情に魅せられ写真を撮っていた。私も何枚も、何枚も撮った。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/15秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 鬼?の口からだけではなく、岩の壁からも多くの水が染み出し、豊富な湧き水のある渓谷であると感じた。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 なんと穏やかなお顔をした石仏であろうか!どのように撮ればその雰囲気が出るか、悩みながら撮った。


キャノンEOS7Dに24-105mm、4Lを装着。 ISO:800、 f11、 1/13秒、 露出補正:-1、 WB:オート。
 一番最初の橋の映り込みである。文字通り、この橋が暑さにうだる外界と、別世界の渓谷との懸け橋である。



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2 コメント

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左目の手術 (M/M)
2017-08-06 09:55:18
無事に終り、おめでとうございます。水晶体の裏にレンズを縫いいつけるなど聞いただけでも痛そうです。
別天地の等々力公園の写真は素晴らしいです。
白内障手術終了 (Jamco)
2017-08-06 10:10:32
M/Mさん、ありがとうございます。術後の養生が大変ですが、何事もなく無事に手術が終ったことを考えれば、文句は云えません。
等々力公園は何度も行きたくなる場所ですが、まだ一回しか行っていません。目の養生が終われば行きたいと願っています。

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