たまには社労士にふさわしい文章も書かなくては、ね。
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━━☆━━━━━━━━ 改正労働契約法 ━━━━━━━━
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┏┏ ◇ 期間の定めのない労働契約への転換
┏┏ ◇ 無期転換申込権
┏┏ ◇ 不合理な労働条件の禁止
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期間の定めのない労働契約への転換
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●反復更新で超5年は機関の定めのない労働契約へ(法第18条)
改正労働契約法が8月3日の参院本会議で可決、成立しました。
改正は、有期労働契約の反復更新の下で生じる雇止めに対する不安を解消し、期間の定めがあることによる不合理な労働条件を是正することにで有期労働契約で働く労働者の雇用の安定を目指したものです。
有期労働契約の予期せぬ終了は、有期契約労働者への影響が大きいことから、有期労働契約の終了場面における紛争を防止する必要がありました。このため、法第17条において、契約期間中の解雇及び契約期間についての配慮について規定することにより、有期労働契約の終了場面に関するルールを明らかにしています。
有期労働契約については、契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されずに終了する場合がある一方で、労働契約が反復更新され、長期間にわたり雇用が継続する場合も少なくありません。
こうした中で、雇止めの不安があることによって、年次有給休暇の取得など労働者としての正当な権利行使が抑制されるなどの問題が指摘されてきました。ゆえに法第18条において、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みが新設されています。
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無期転換申込権
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●『更新が1回以上行われ、かつ、通算契約期間が5年を超えていること』
ですから、労働基準法第14条第1項の規定により一定の事業の完了に必要な期間を定めるものとして締結が認められている契約期間が5年を超える有期労働契約が締結されている場合、一度も更新がないときは、この要件を満たさないことになります。
●『5年を超えることとなる有期労働契約の初日から契約満了日までの間に行使可』
無期転換申込権が生じている有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に無期転換申込権を行使しなかった場合であっても、再度有期労働契約が更新された場合は、新たに無期転換申込権が発生し、更新後の有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期転換申込権を行使することが可能です。
●『現有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から無期労働契約が成立』
5年を超える有期契約労働者が、使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、無期労働契約の申込みをしたときは、使用者が当該申込みを承諾したものとみなされ、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から無期労働契約が成立します。
●『無期転換申込権を行使しないことを更新の条件とすることは公序良俗に反する』
●『無期転換申込後の解雇は権利濫用に該当し無効』
無期転換申込が為された後、現有期労働契約の契約期間の満了もって労働者との契約関係を終了させようとする使用者は、無期転換申込権の行使により成立した無期労働契約を解約(解雇)する必要があり、「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして無効となります。
●クーリング
有期契約労働者と使用者との間で、間をおいて有期労働契約が再度締結された場合、その間の長さが6か月以上である場合等には通算契約期間に算入されません。
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不合理な労働条件の禁止
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有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、有期契約労働者にとって不合理と認められるものはダメです。個々の労働条件ごとに判断されます。とくに、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについては特別の理由がない限り合理的とは認められません。
法第20条の「労働条件」には、賃金や労働時間等の狭義の労働条件のみならず、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生等労働者に対する一切の待遇を包含します。
ただし、定年後に有期労働契約で継続雇用された労働者の労働条件が定年前の他の無期契約労働者の労働条件と相違することについては、定年の前後で職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲等が変更されることが一般的であることを考慮すれば、特段の事情がない限り不合理と認められないと解されます。
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【改正法の施行期日】
法第19条(有期労働契約の更新等)は、公布日から
法第18条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)及び第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」
【経過措置】
法第18条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)の規定は、同条の施行の日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用し、当該施行の日前の日が初日である有期労働契約の契約期間は、通算契約期間には算入しない。