ふきのとうは単純に好きだ。
初めて聴いたのは、少年の頃深夜ラジオから流れてきた「白い冬」か「風来坊」だったと思うけれど、とにかく優しい、透き通るようなメロディーに魅せられて、小遣いを貯めてアルバムを買い、買ったばかりのアコースティックギターに乗せてよく弾いた。当時は高石ともや等の関西系フォークを中心に聴いていた頃だったけれど、澄んだふきのとうの旋律は素直に心に沁みて、徐々にハマっていった様に記憶している。
歩き疲れて立ち止まり振り向き振り向き来たけれど
影が長く伸びるだけ 坂は続く 続く… (風来坊)
アルバムを聴き出してさらに深みにハマッた。N.S.P.の哀しさとはまた違う、透明感のある曲調は、N.S.Pが東北、ふきのとうが北海道をバックボーンにしている違いなのかと思ったりもした。
雪が音もたてずにそっと僕の心まで冷たく積もるけど…(帰り道)
懐かしいなぁ。繰り返し繰り返し聴いたものです。
長じて、僕は旅が好きになり、特に北海道に何度も足を運ぶようになると、ふきのとうはまた目の前に違った視線で現われてきた。旅の宝物のような思い出とリンクして、さらに心に焼き付けられた。
噴水の前で記念写真を撮っているのは新婚さんかな
地下街はいつも都会の顔して狸小路を田舎あつかい (初夏)
大通り公園の噴水が思い出され、旅心また疼くのでありました。
好きな曲はそれこそ数え切れない。例えば「青空」の「吹き出す赤い血で廃墟を塗りつぶしてしまえ! !」という激しさも好きだし、「メロディー」の「あなたを何時しか愛していた…燃えるその心に照れながら」という優しさも好きだ。
そういえば、「やさしさとして想い出として」 (あなただけがこんなに変わるなんて…というフレーズはホント印象的)の中で、
もうあなたは冗談も云わずに 九月のことにかかりきりみたいで
夜の街は淋しすぎて その上冷たすぎて
とあるが、この「九月のこと」とはいったいなんだろう? と悩んだものです。今も解答はわかりません。
一番好きな曲は? との問いには答えられないけれど、「水車」には想い出がある。
僕は中学3年で、初めて女性と2人で喫茶店に入った。今から考えればまあなんとウブな時代だったのだろうと思うけれど、当時は喫茶店に入るのは保護者同伴で、などと言う事が真面目に学校で言われていた頃だった。別に恋とかそういうことではなかったけれど、ちょっと胸がざわめいた想い出だ。
どういうキッカケで2人きりになったのかは忘れたけれど、なんとなしに向かい合うと話題が途切れてしまった。沈黙が苦手な典型的関西人の僕は焦り、そしてさらに緊張してしまった。まあ、まだ頑是ない少年だった。
そんなとき、有線かレコードかはわからないのだが、たまたまふきのとうの「水車」が流れてきた。
長い旅の途中で僕を慰める 静かな小川のせせらぎは
何処から来て何処に帰ってゆくのだろう 唄う事で自分を見つけるのか
「僕なぁ、ふきのとうのこの歌好きなんや」
「へぇ、ふきのとうって知らんわ」
「僕、結構好きでな、LPも持ってるわ。よかったら貸すで」
「ホンマにきれいな曲やねぇ…」
水車 今日も唄っていた 緩やかに流れていた
寂しさを言い訳にしてはいけないと 優しさに隠れてはいけないと
その後彼女とは特になにもなかったのだけれど、あの場面はいわゆる「青春の想い出」として残った。僕はまだ青春と言うにも早い少年だったかもしれないけれど、そんなことから少しづつ大人になっていったような気がしている。
いつか僕も大きな海に出られるだろう 幾つかの悲しみを過ぎて…
山木康世さんと細坪基佳さんは今でもソロで活躍しておられるけれども、ふきのとうは解散してもう10年以上過ぎた。けれども、今もふきのとうの透明な旋律は色褪せることなく心に沁み入る。
初めて聴いたのは、少年の頃深夜ラジオから流れてきた「白い冬」か「風来坊」だったと思うけれど、とにかく優しい、透き通るようなメロディーに魅せられて、小遣いを貯めてアルバムを買い、買ったばかりのアコースティックギターに乗せてよく弾いた。当時は高石ともや等の関西系フォークを中心に聴いていた頃だったけれど、澄んだふきのとうの旋律は素直に心に沁みて、徐々にハマっていった様に記憶している。
歩き疲れて立ち止まり振り向き振り向き来たけれど
影が長く伸びるだけ 坂は続く 続く… (風来坊)
アルバムを聴き出してさらに深みにハマッた。N.S.P.の哀しさとはまた違う、透明感のある曲調は、N.S.Pが東北、ふきのとうが北海道をバックボーンにしている違いなのかと思ったりもした。
雪が音もたてずにそっと僕の心まで冷たく積もるけど…(帰り道)
懐かしいなぁ。繰り返し繰り返し聴いたものです。
長じて、僕は旅が好きになり、特に北海道に何度も足を運ぶようになると、ふきのとうはまた目の前に違った視線で現われてきた。旅の宝物のような思い出とリンクして、さらに心に焼き付けられた。
噴水の前で記念写真を撮っているのは新婚さんかな
地下街はいつも都会の顔して狸小路を田舎あつかい (初夏)
大通り公園の噴水が思い出され、旅心また疼くのでありました。
好きな曲はそれこそ数え切れない。例えば「青空」の「吹き出す赤い血で廃墟を塗りつぶしてしまえ! !」という激しさも好きだし、「メロディー」の「あなたを何時しか愛していた…燃えるその心に照れながら」という優しさも好きだ。
そういえば、「やさしさとして想い出として」 (あなただけがこんなに変わるなんて…というフレーズはホント印象的)の中で、
もうあなたは冗談も云わずに 九月のことにかかりきりみたいで
夜の街は淋しすぎて その上冷たすぎて
とあるが、この「九月のこと」とはいったいなんだろう? と悩んだものです。今も解答はわかりません。
一番好きな曲は? との問いには答えられないけれど、「水車」には想い出がある。
僕は中学3年で、初めて女性と2人で喫茶店に入った。今から考えればまあなんとウブな時代だったのだろうと思うけれど、当時は喫茶店に入るのは保護者同伴で、などと言う事が真面目に学校で言われていた頃だった。別に恋とかそういうことではなかったけれど、ちょっと胸がざわめいた想い出だ。
どういうキッカケで2人きりになったのかは忘れたけれど、なんとなしに向かい合うと話題が途切れてしまった。沈黙が苦手な典型的関西人の僕は焦り、そしてさらに緊張してしまった。まあ、まだ頑是ない少年だった。
そんなとき、有線かレコードかはわからないのだが、たまたまふきのとうの「水車」が流れてきた。
長い旅の途中で僕を慰める 静かな小川のせせらぎは
何処から来て何処に帰ってゆくのだろう 唄う事で自分を見つけるのか
「僕なぁ、ふきのとうのこの歌好きなんや」
「へぇ、ふきのとうって知らんわ」
「僕、結構好きでな、LPも持ってるわ。よかったら貸すで」
「ホンマにきれいな曲やねぇ…」
水車 今日も唄っていた 緩やかに流れていた
寂しさを言い訳にしてはいけないと 優しさに隠れてはいけないと
その後彼女とは特になにもなかったのだけれど、あの場面はいわゆる「青春の想い出」として残った。僕はまだ青春と言うにも早い少年だったかもしれないけれど、そんなことから少しづつ大人になっていったような気がしている。
いつか僕も大きな海に出られるだろう 幾つかの悲しみを過ぎて…
山木康世さんと細坪基佳さんは今でもソロで活躍しておられるけれども、ふきのとうは解散してもう10年以上過ぎた。けれども、今もふきのとうの透明な旋律は色褪せることなく心に沁み入る。
「九月のこと」は、勝手に「結婚式」と理解していました。根拠はありません。山木さんがデビューして東京に行ってる間に、札幌に残してきた彼女と別れて、その彼女が結婚することになったんだなぁと、物語を作って信じ込んでました。(ちなみに「雪の町へ」という曲がその前段階かと(笑)誰かに確かめたこともないんですけど、この解釈はいかがでしょうか?
NSPの天野さん急逝のニュースからあちこち見ているうち「五月雨」の歌詞が気になって、こちらのページに流れてきました。
ふきのとうはCD音源も何枚かあるんですがNSPは一枚も持っていないことに気付き、寂しい気分になっています。好きな歌もけっこうあるんだけど・・
結婚式か。それは考えられますねぇ。とすると、「雪の町へ」は、東京での出来事なのですね。「汽車が出る~君を乗せ 遠い雪の町へ」ですから彼女が北海道に帰るのだな。山木さんが札幌に帰ったときには彼女の結婚が決まっていた。それだと、彼女を残して夢を追いかけて出て行ったのは山木さんの方なのに、「あなただけがこんなに変わるなんて…」とは少し恨みがましい(笑)。山木さんだって変わったはずなのですから。でも、「九月のこと」とはやはり結婚以外考えられないような気もします。ありがとうございました♪
「五月雨」もいい歌ですよね。僕もCD音源じゃなくてレコードばっかりです(汗)。
またいらしてください。(^O^)
賛成して頂いて嬉しいです(笑
ちなみに札幌人なので、ふきのとうの歌はどれもこれもご当地ソングです。でも、聞くと行きたくなる詩なんですよね。「山のロープウエイ」とかね。
道外の歌では(変な括りですが)「風の船」を聞くと、佐渡が見える船に乗って金沢に行きたくなりますが、
友人は道玄坂に行って、単なる坂道だったことに凹んで帰ってきました。ていうかラブホ街らしいですね。
「風の船」、これも解釈が難しい歌ですね(笑)。僕は金沢に転勤で長いこと住んでいたのですが、金沢発着の客船はありませんし、地図で見ればわかるのですが金沢から佐渡は見えません。ということは、小樽発新潟行きか、あるいは室蘭or岩内発直江津行きの船で(それなら佐渡は見えます)列車に乗りついで…というスケジュールになりますね(笑)。
YABOなことを言いましてすみません(笑)。誰か「謎本」でも書いてくれないかな♪