日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

BLOGOSの“やってはいけない”?

2012-05-09 | その他あれこれ
一昨日夜のエントリー「告発!アマゾンの“やってはいけない”~隠ぺいはダメよ!」(http://blog.goo.ne.jp/ozoz0930/e/3b9e8e8caef5167ff045b81edbd2c695)に関して続きです。

当ブログはBLOGOS(http://blogos.com/)との転載契約により、日々のエントリーがBLOGOSサイトでも読めるようになっており、お陰様で多くのネット利用者により拙原稿は読まれております。もちろん、個人的なエントリーや何らかの理由で転載がふさわしくないとBLOGOSサイドが判断したものは転載が見合わされることがあります。実は一昨日の上記エントリーがまさしくその転載見合わせ原稿となっています。理由は分かりません。あくまで「BLOGOS独自の判断」と言うことなのでしょう。

何が転載にふさわしくなかったのか考えました。私が一昨日のエントリーを拙ブログにアップさせたのが夜9時過ぎのことです。内容としては、通販サイトアマゾンで発生した「100倍請求」について私の友人から事件発生の報をもらい、アマゾンおよびアメックスという「当事者」が、事故発生確認からある程度の時間が経過していながら全く事故発生に関するアナウンスをしてないことを知り、利用者への注意喚起と通販サイト運営者の責任における“やってはいけない”を指摘すべきと思いこのエントリーを書いたのです。

この時点で、ネットニュースサイトでもこの件は未報道。後から分かったことですが、この時点までにツイッターでは一部で話題になっており、私のエントリーアップ数十分前に大手メディアでは唯一NHKが事故発生の事実のみ簡単に伝えたようでした。一方私のニュースソースは実際に「100倍請求」を受けた事故の当事者で、私の情報入手はさかのぼること8時間ほど前の一昨日昼過ぎでした。新聞・テレビ・ネットいずれでも本件の報道が見当たらなかったため、彼のメール文面を転載し事の経緯と「当事者」の対応の良し悪しを紹介しつつ、その時点までに入手できた情報をもとに論評を加えたのでした。「当事者」が口をつぐんで詳しいことを明らかにしていなかったその段階では、かなりニュースバリューのある情報を提供できたと思い書きあげました。

翌朝、日経新聞が本件を報道、朝9時過ぎあたりからネットニュースサイトにも“追っかけ記事”が出始めてきました。私のエントリーアップが夜9時でしたので、通常ですとこの時間の原稿のBLOGOSへの転載は翌朝9時以降。私が知る限り、前日夜間アップのエントリーはスタッフが8時台ぐらいからチェック・準備を進めるのか、通常9~10時台に転載アップされているようです。私の原稿はその時点では一般に知られていない事実を述べた“被害者”生の声も盛り込まれており、「当事者」からの正式説明がなされていない9~10時台に転載アップされれば、その時点ではそこそこ有益な情報としてニュースバリューは十分あると考えてもおりました。

しかし私の一昨日エントリーは、結局BLOGOSにはアップされることはありませんでした。原因は不明。前日もしくは当日早朝段階で、「当事者」からの事故に関する説明が利用者に対してされていたのなら「ニュースバリューなし」とされることも分かるのですが、まだ「当事者」から何ら説明がなされていなかった9時の段階で「ニュースバリューなし」と判断されたと考えるのは、どうにも腑に落ちなかったのです。しかし、個人的に転載オミットの理由と思える事実がほどなく判明しました。

私は朝9~10時代に何度かBLOGSのトップページにアクセスし、都度自己の原稿が転載されたか否かを確認しました。するとその何度目かに「アッ!」と思わず声を出してあることに気がついたのでした。BLOGSのトップページになんと、アメックスのゴールドカードの広告がデカデカと掲載されていたのです。アメックスは今回の事件におけるまさしく一方の「当事者」。納得です。要するにBLOGOSにとって大口の広告クライアントが、公式に発表していないマイナス報道に関するエントリーを、クライアントの利益擁護目的およびその広告を掲載している広告媒体としての自己防衛目的から、意図的に関連エントリーをオミットしたということではないのかと。よくよく見れば、ネットネタ大歓迎のハズのBLOGOS上でこの「100倍請求」関連のエントリーがひとつも見当たらないのも違和感があり、これが単なる偶然とは思えません。

もちろんBLOGOSから正式コメントをいただいているわけではないので、現時点では一応“推測”の域を出ない、とはしておきますが、「黒」は濃厚に思えています。もしそうだとしても、報道機関ではなく中立を義務付けられているわけでもないBLOGOSが、自社の広告クライアント擁護の目的で特定のエントリーの掲載を排除することは法的にも倫理的にも問題はないのかもしれません。しかし、どうも納得がいきません。BLOGOSは、「規制されない自由な意見」「制約の少ないネットだから出せる情報」という看板を自らが掲げ、既得権益に縛られたテレビ・新聞などの既成メディアに対するアンチテーゼとして、ネット言論の純粋性や有効性を広く認知させることを旨としていたのではないのでしょうか。

私の“推測”が正しいのなら、この特定エントリー排除はまさしくBLOGOSの“やってはいけない”であると思います。編集部として、本件に関してご意見・コメントをいただけるのであれば、ぜひともコメント欄に寄せていただきたく思います。「BLOGOSの、広告クライアント擁護でのエントリーオミットは許せる?」という議論を立ち上げていただくのもいいかもしれません。

※余談ですが、友人のところにアマゾンから本事故に関する事情説明のメールが届いたのは、昨日午後2時前とのこと。遅すぎます。一昨日のエントリーにも書きましたが、アマゾンは本当に顧客のことを思ったサービス提供など、これっぽちも考えていないと改めて思わされました。

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