(17)掘立小屋
ハンブルクでの最終日はリューベックに日帰り旅行をする予定だった。
リューベックはトーマス・マン所縁の街であり、トーマス・マン博物館がある。彼の『ブッデンブロ-ク家の人々』に彼のリューベック体験がつぶさに描かれている。大学の友達に是非行ってみるように、と言われていた。
ところが、拠所ない事情でリューベック行は断念することになった。
リューベック行の換わりにブレーメンへの日帰り旅行を追加したのだ。
ハンブルクからブレーメンまでは列車で1時間20分ほど。ハンブルクを出るとすぐ、写真のような掘立小屋が目に入る。これは何だろう? ドイツを列車で旅するごとに、私は疑問になる。日本での常識に従うと、「家庭菜園」だろうか? 都会の仕事に疲れた人たちが週末に息抜きに訪れる場所。でも、今まで、ここにいる人を車内から見たことがない。あるいは、週末に列車旅行をしたことがないからかもしれないが。
または、同じく、都会の仕事に疲れた人たちが週末に小屋の中で木工などの「日曜大工」に励んでいるのだろうか? これなら、大いにありうる話だ。
さらに飛躍すれば、ジプシーの住処か? 不謹慎な連想だが。
いずれ、私は、「ドイツにおける掘立小屋の研究」をまとめようと思う。
その目次は、
1.掘立小屋の役割
2.掘立小屋の主人の素性
3.掘立小屋の主人へのインタビュー
これは、社会学的にも民俗学的にも面白いテーマになると思う。
(2014-04-13)