王将戦第3局は第1局に引き続いて、久保利明王将が「ゴキゲン中飛車」(角道を空けたままの中飛車)を採用した。だが、第1局とは異なり、持久戦模様になった。
神谷広志七段の解説では、初日終了時点では佐藤康光九段がやや指しやすいのではないか、とのこと。
だが、2日目に入って早々に「佐藤有利」となり、昼食休憩時には「佐藤優勢」に変わった。久保さんの粘りも利かず、午後3時半に終局となった。
全体を通して、久保さんのいいところがまったく出ない将棋だった。
将棋ファンは贅沢なもので、両対局者にはギリギリの勝負を望み、結果としてファンの棋士が勝てばなおさらよい、と思う。将棋ファンの多くは特定の棋士を応援する以前に、いい対局を見たいと思っているのだ。その意味でこの第3局は物足らないと感じたファンが多いはずだ。
前回の第2局は終盤まで優劣を容易に判定できない勝負になり、大いに堪能したものだ。それに比べると・・・、久保さんに「喝!」を入れておきたい。
久保さんは3連敗。
ここで思い出したが、昔の王将戦では、王将が3連敗か1勝4敗した時点で王将位を失うばかりか、次の対局を「香落ち」の下手として指さなければならない、という規定があった。この規定を「指し込み制」という。
実際に、升田幸三八段が木村義雄王将(名人でもあった)を「指し込み」に追い込んだことがあったし、同じく升田幸三八段が大山康晴王将(名人でもあった)を「指し込み」に追い込み、しかも、「香落ち」将棋も勝ってしまった、という故事もある。
久保さんにそこまで厳しいことは求めないが、1局ぐらいは勝って意地を見せてほしいものだ。これは、将棋ファン全体の声だ。 (2012/2)
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