尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

明日の昨日

2012年02月18日 01時02分20秒 | 短詩集


夢の中で
現(うつつ)のあなたに出会うという不思議
現の中で夢のあなたに出会うという不思議
不思議はいつもなつかしいという不思議

今日という日は
明日の昨日だと
あなたは言っているのだ
明日の昨日のノスタルジアで

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詩「童話のような哀しみに」

2011年05月09日 01時24分51秒 | 短詩集
童話のような哀しみに
深夜 大男のような鼾をかいて目覚める

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短詩「サクラ」

2011年03月27日 00時08分20秒 | 短詩集
「サクラ」


サクラサク
ミヤコノサクラノ
ソノクラサ

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シャキシャキ

2009年11月29日 00時28分57秒 | 短詩集
明日の
嘘がつきにくくなる

みんな寝静まった
真夜中に
リンゴをかじりると
こんなにシャキシャキ
いい音がするので

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運命

2008年04月18日 00時20分18秒 | 短詩集
「運命」


オーケストラはいらない

お店の野菜のように
なかよく
ならんでいること

いつのまにか
うつらうつら
していること

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2008年03月30日 00時12分11秒 | 短詩集
花は樹のことばである

女が死んだていい
と言いつのるとき
花を散らして
樹だってそう思う

この世に千年生きても
これ以上のことって
ないだろうから

ほら
吠えているだろ
夜の花吹雪

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宇宙の旅

2008年03月26日 23時38分18秒 | 短詩集
137億年の
暗黒の旅路の果て
ついに星は
自分が星であることに気がつき
命を輝かせるのである
その星の名は
あなたと同じだ

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水族

2007年01月28日 22時04分08秒 | 短詩集
ガラスの向かいがわ
ひんやりと
生きているのは望みではない
興味である

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裸の王

2007年01月06日 01時45分44秒 | 短詩集
裸で生まれた
裸で暮した
死んではじめて
侍従が
服を着せた
みんなで
笑った

恥ずかしかった
寂しかった
誰が?

生きている間は
王が
死んでからは
神が

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「信号灯」

2006年12月30日 20時03分41秒 | 短詩集
信号灯がまた
ぶっ壊された

いつもそうなんだ
犯人は
信号を守らない人ではなくて
律儀に守ってきた人なんだ

泣きながら
壊してたんだよ

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モナリザ

2006年12月24日 13時47分52秒 | 短詩集
今裏切ったばかりの顔が
噴水の横で
モナリザの微笑み

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リアリティー

2006年12月24日 12時24分48秒 | 短詩集
赤ん坊と野良犬の
目の先にあるもの
金を数えられる目が
失ったもの
あらゆる懐かしさが
人に指し示している
ものの総体

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神話

2006年11月28日 09時49分55秒 | 短詩集
雨の日は
神話のように
魚のなかで眠る
晴れの日は
童話のように
花のなかで眠る
夢は見ない

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枯葉

2006年11月22日 23時39分41秒 | 短詩集
枯葉とは
枯れたのではなくて
燃えた

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岬の墓

2006年11月19日 12時59分53秒 | 短詩集
海を見つめる
モアイの石像を
思い浮かべるとよい
しかし石になる寸前
目と耳と鼻と口
顎を突き出した顔で
時間の風を
二つに切り裂いている
君だ

目に見えるすべてが墓だと
言い切ってよいが
その中で つまり
生きている人間だけが
宇宙の岬の先端で
ほんとうの墓である

花もトカゲもサボテンも
先祖代々
みんなここに眠ると
君の顔には書いてある

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