時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

『魔女の宅急便』 読書録

2012年03月20日 | 読書録
同タイトルのジブリ映画の原作、近くの公民館に娘を連れて行ったとき、そこの図書コーナーで見つけました。映画と同じエピソードは少しだけで展開も違うことが多い。その他の登場人物やエピソード多数。たとえば、キキが好きになる男の子、トンボは最初、飛んでみたくてキキのほうきを盗んでしまう役柄として登場します。でも、それぞれの登場人物のキャラクターは基本同じ。キキはちょっときかん気で、でも溌剌として機転も聞くやさしい子、ジジはちょっと皮肉屋。

実際には映画ほど派手ではないかもしれないけれど、とても素敵なエピソードがたくさんで、みんなやるわけには行かないから換骨奪胎して二三のエピソードに仕立てた。けれど、テーマや雰囲気は小説のものかなりそのままを受け取って映画が作られている、という感じを受けます。その意味で、あの映画は小説からは自由な翻案、ではない、この小説を「原作」と言うべきでしょう。できばえに軍配を上げるなら、小説の勝ち。映画の映像や音楽の魅力は強力だけど、この本の挿絵も素敵です。

それにしても、娘が13歳で独り立ちすることになっていて、13年しか一緒に生きられない、というのは、娘にメロメロの父親なら、さぞさびしいことでしょう。映画で、父親とのお別れに「高い高い」をするシーンがあります。Bloomingtonにいたとき、娘のいる父親3人で、たまたまこの話になりました。一人のお父さんは、これを見て滂沱の涙だったそうですが、そのときお嬢さんは確かまだ1歳! 私にいたっては、娘はまだ母親のおなかの中。気の早い父三人のアホ話ですが、それくらい早く出てってくれて、嫁さんとの生活が戻るなら、うれしくなくもないかも。。。 ええ、ええ、強がりです。

映画を見ても、この本を読んでももっとも強く感じるのは、新しい自分の住む街を見つけ、そこで受け入れてもらい、定着することに対する憧憬と羨望の入り混じった気持ちです。われわれも家族で暮らせる街を見つけたいものですが、私は英語通訳や日本語教室のボランティアを始めたし、4月からは「言語類型論」の授業を担当、嫁さんも仕事を得、娘は幼稚園に入学。とりあえず、たまたま住むことになった地域に溶け込み、受け入れられてもらえるよう、家族でがんばっていかないといけません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿