時々雑録

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ふたたび愛媛へ 伯方島

2014年09月16日 | フィールドワークから
昨日からまた愛媛の言語調査に。福山で新幹線を降り、「しまなみライナー」で最初の調査地、伯方島へ。製塩業が知られているけど、この島の工場はもう古くて、現在、生産のほとんどは新しい工場が建ったお隣の大三島。だから、「伯方の塩」を買うと、製造地はそっち。就業者数でいうと、多いのはむしろ造船業だそう。写真は、大三島からこの島に渡る途中に見える、伊方(いかた)地区の熊口港。



調査のあと、一時間に一本のバスを逃したので、バスストップ近くの叶浦(かのうら)のビーチを散歩、地元の女の子たち三人だけが遊んでました(写真左手奥)。



それを遠めに見る怪しい男の影。さきほどの写真上の橋を渡っていくと、となりの大島。



お会いした三人とも東京式アクセントでしたが、それを指摘すると「東京!?」と驚くようす。「今治と違う」ことは分かるようでしたが、ここで暮らす自分たちのことばを東京とは結びつけにくい、ということでしょうか。話者はみんな、島の北の「北浦」地区出身の方でしたが、嫁ぎ先が有津(あろうづ)、叶浦といろいろだったし、調査地の木浦(きのうら)公民館周辺の方もいて、その方たちもみんな会話からうかがえるかぎり東京式。この島には中央式(いわゆる京阪式)の地域はなさそうと、とりあえず推測されました。以前は、婚姻もほぼ集落内で、いとこ同士の結婚も珍しくなかった。他の地域との結婚が始まったのは昭和40年代以降、と記憶してらっしゃるそうで、島のことばの独自性の保持(とその消失)への影響が考えられそうです。



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