今日の
読売俳壇に次の句があった。
新幹線窓に各地の桜かな 習志野市 西関真理子 (宇多喜代子選)
句を読みながら、過日終えたばかりの<春の旅>を思い出した。
旅の愉しみは、目的地だけにあるのではない。
車窓から眺める風景にも、四季それぞれの趣がある。
今年は、当地の桜があまりにも貧しく、美しい桜に飢えていた。
したがって、私も、新幹線の車窓から、各地の桜を目で追い、その盛衰の様を眺めることになった。
桜前線の北上が早かった今年だが、あちらこちらに、思いのほか、桜の花が咲き残っている。
特に美しかったのは、
福山城の桜であった。
お城に、桜はよく似合う。
(昨年は、桜の季節のころから体調不良で、遠出の旅を断念。
一昨年は、四国の旅に出かけ、松山城の桜などを楽しんだ。)
今年は、京都の旅。
桜と紅葉の季節には、幾たびも京都を旅している。
名所と言われる地を、あらかた訪れている。幾度となく足を運んだ名所も、かなりある。
今年は、ジパングの一日旅に参加した。
9日は、京都観光。
<知る人ぞ知る! 桜の名所 華やぐ桜5景>
10日は、琵琶湖観光。
<テノール歌手・加藤ヒロユキと行く海津大崎桜クルーズ ~琵琶湖岸を染める桜と歌を愉しむ~>
観光に都合がいいので、<京都グランヴィア>に連泊(4泊)した。
9階の部屋から、朝に夕に、タワーや北側の山なみを眺めることになった。
8日の昼過ぎ 9日の日暮れ前
8日の1時過ぎに、京都に到着。
部屋は準備完了とのことなので、荷物を部屋に置いて行動する。
まずは、ホテルの喫茶店<グランジュール>で昼食をとった。
オムレツサンドイッチとコーヒーで。
上質の味に満足!
初日の計画は定めていなかった。
出かける前から、上記のツアー以外は、無理をしない、欲張らない旅を考えていた。
なりゆき任せの旅。
夕方までの時間を考慮し、祇園に出かけた。
気がかりな円山公園の枝垂桜をのぞいてみたかった。
(円山公園の散策は、次回のブログで…)
散策の後、偶然、立ち寄った喫茶店は、昔の面影を残したお店であった。
かつての喫茶店は、現在のものに比べ、雰囲気に重厚さがあり、品格の高いものが多かった。
路地で見つけた<フランソア>は、まさしく懐かしい趣を備えていた。
クラシック(モーツアルト)が流れていて…。
コーヒーを飲みつつ、憩いのひと時を過ごす。
今の私は、京料理とか上質なご馳走には、あまり関心がない。
年のせいでもあろう。
だが今も、雰囲気のいい喫茶店で、コーヒーは飲みたい。
しかし、私の好みの喫茶店には、めったに巡り合えないのが残念だ。
(昔は、有名コーヒー店を紹介した本を頼りに、旅のついでに、喫茶店巡りを愉しんだものだ。)
朝食は、ホテルのヴァイキング。
夕食は、伊勢丹で求めた出来合いの食品で済ませた。
筍ご飯や赤飯、お寿司、その他諸々、ときどきの好みにあわせて。
それが、なんとおいしいことだろう!
吟味されたお味、見た目の美しさ!
地下2階のフロアにあふれる食品!
これほどの多種多様な品に恵まれて暮らせれば、毎日がどんなに幸せなことだろう。
この点では、都会が羨ましい。
田舎にも、生活に事欠かない食品はあるけれど、残念ながら、美味の点で質が落ちる。
食文化の豊かさと貧しさの差は、そこに住む人口数に比例するのだろうか? などと考えてしまう。
これも、旅の収穫!?