ぶらぶら人生

心の呟き

母の祥月命日

2009-07-29 | 身辺雑記
 今日は、母の祥月命日である。
 17年前の今日は、猛暑であった。当日だけでなく、死の前後の日々は、容赦のない暑さが続いていたことを覚えている。

 昨日から読み始めた本、池田晶子著『死とは』のとびらに、

 <生(ある)と死(ない)――存在の謎は、果てしなく>

 という表現があった。
 生と死を、<ある>と<ない>で表現してあり、確かにそうだと納得しながら、一方、生死には、<有><無>だけでは片付けられないものもある、と考えた。
 確かに肉体は存在しないが、母は、私の中で生きている。

 母の命を受け継いだかのごとく、裏庭には白い花をつける椿の木がある。
 それは、Kさんからお見舞いにいただいた椿の小枝を、花の終わった後、私ガ鉢に挿し、十分根付いたものを、庭師に植え替えてもらったものである。
 こうして、形として今なお命をつないでいるものもあれば、無形だが、心の中に深く根を下ろしているものもある。

 今日はひととき、理屈を超えて、母を偲ぶ日となった。

 母の思い出につながる椿は、今年も立派な実(かたし)をつけている。(写真)
 贈り主のKさんは、老人ホームで、今もつつがなくお過ごしになっている。


          
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