ぶらぶら人生

心の呟き

今日はオペラ観賞

2006-10-29 | 身辺雑記
 今日は、グラントワの大ホールで、モーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」が公演された。錦織健プロデュース・オペラVol・3として。(今までに「コシ・ファン・トゥッテ」や「セビリアの理髪師」が、プロデュース公演されているようだ。)

 日々が田舎での生活で、なかなかオペラに接する機会がない。特別なオペラファンならば、田舎住まいであろうと、時空を超えて、観賞を楽しむ人もあるのだろう。
 が、私には、それほどの熱意はない。
 それでも機会があれば、ぜひ生演奏を聴き、舞台を観たいと思う。

 今回はいい機会だった。
 現田茂夫指揮・オペラハウス管弦楽団による演奏。
 演じ歌う人は、「日本オペラ界の最高のキャスト」とあるが、その世界について無知なため、同県人の錦織健さん(ドン・オッターヴィオ役)しか知らない。
 存分楽しませていただいたのを機に、その他の歌手の名も心に留めておこうと思う。ドン・ジョバンニ役の大島幾雄、レポレロ役の池田直樹、騎士長役の三浦克次、マゼット役の志村文彦、ドンナ・アンナ役の大倉由紀枝、ドンナ・エルヴィラ役の澤畑恵美、ツェルリーナ役の足立さつき等。

 無類の好色漢ドン・ジョバンニの女性遍歴ぶりが存分に演じられ歌われ、最後には自分の殺した騎士長の亡霊によって地獄に突き落とされ、哀れな最期を迎える、というドラマティック筋書きだが、単純といえば単純なお話を、優れた歌唱力と演技力で楽しませてくれるのだから、オペラは面白い。
 語れば、二、三十分で終ってしまいそうなお話を、オペラでは二部仕立て、延々三時間をかけて楽しませてくれる。そのオペラの魅力を心ゆくまで堪能した。
 ドン・ジョバンニの従者・レポレロのコミカルな演技がしばしば笑いを誘った。
 本間公(ほんまいさお)の著書「思いっきりオペラ」(宝島社)に、
<オペラは舞台総合芸術ではあるが、究極のところは歌唱によるドラマである。つまり、歌唱(声)で聴き手を納得させなくてはならない。……>
 と、書かれていたことを思い出し、私には、歌唱力の細やかな差など、聞き分ける力がないこと、それができたらオペラが更に楽しくなるだろうことを、しみじみ思った。
 が、とにかく目と耳を通して至福のときが得られたので、今日は幸せな一日だったといえる。

 「ドン・ジョバンニ」は、モーツアルト31歳(1787年)の作品。
 志鳥栄八郎の「不滅の名曲はこのCDで」(朝日新聞社)によれば、
<台本ができるはしから曲をつけていったが、……有名な序曲だけは初演の前日になってもできあがらず、その晩わずか四時間ほどで書き上げられたいうエピソードが伝わっている。>とのこと。
 天才モーツアルトにも、隠れた苦労はあったらしい。
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