親子の面会交流を実現する全国ネットワーク

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●HR1940 和訳(目次)

2011年06月28日 04時33分45秒 | Weblog
http://www.govtrack.us/congress/bill.xpd?bill=h112-1940

http://www.govtrack.us/congress/billtext.xpd?bill=h112-1940(原文)

(※以下、親子ネットメンバーによる私訳)

第112議会  H.R.1940
アメリカ合衆国が互恵的義務を享受している国々による、1980年ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)の遵守を担保するため、他国に連れ去られた子供の迅速な返還の手続きを確立するため、およびその他の目的のために、2011年5月23日 アメリカ合衆国下院においてニュージャージー州選出Smith議員は(Wolf議員と共に)以下の法案を提出した。この法案は下院外交委員会のほか、同歳入委員会、金融委員会、司法委員会、監視・政府改革委員会にも付託された。下院議長が後日決定する期間の間、関係委員会の管轄下に入る条項は各委員会によって検討される。

法 案
アメリカ合衆国が互恵的義務を享受している国々による1980年ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)の遵守を担保するため、他国に連れ去られた子供の迅速な返還のための手続きを確立するため、およびその他の目的のために、本法案が招集されるアメリカ合衆国上院および下院において法律となることを祈る。

第1項. 略称
第2項. 調査結果、議会の意見、目的
第3項. 定義

第1章 国務省の活動
第101項 国際的な子の奪取事例担当オフィス:国際的な子の連れ去りにおける特命担当大使
第102項 年次報告
第2章 大統領の行為
第201項 国際的な子の奪取事件における非協力のパターンに対応する大統領の行為
第202項 協議 
第203項 議会への報告
第204項 大統領の行為
第205項 既存の契約への影響
第206項 大統領による権利放棄
第207項 連邦官報での公刊
第208項 大統領の行為の停止
第209項 司法審理の排除
第210項 合衆国の援助
第211項 多国籍援助
第212項 優遇待遇の有資格性の修正
第3章 雑規定
第301項 14歳未満の子供に対するパスポート発行制限の修正
第302項 政府歳出予算の承認
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●HR1940 和訳(本文)

2011年06月28日 04時27分00秒 | Weblog
第112議会  H.R.1940

アメリカ合衆国が互恵的義務を享受している国々による、1980年ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)の遵守を担保するため、他国に連れ去られた子供の迅速な返還の手続きを確立するため、およびその他の目的のために、2011年5月23日 アメリカ合衆国下院においてニュージャージー州選出Smith議員は(Wolf議員と共に)以下の法案を提出した。この法案は下院外交委員会のほか、同歳入委員会、金融委員会、司法委員会、監視・政府改革委員会にも付託された。下院議長が後日決定する期間の間、関係委員会の管轄下に入る条項は各委員会によって検討される。
法 案
アメリカ合衆国が互恵的義務を享受している国々による1980年ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)の遵守を担保するため、他国に連れ去られた子供の迅速な返還のための手続きを確立するため、およびその他の目的のために、本法案が招集されるアメリカ合衆国上院および下院において法律となることを祈る。

第1項. 略称
本法は「国際的な子の奪取の防止と返還に関する2011法」と略称することができる。

第2項.調査結果、議会の意見、目的
(a)調査結果 ― 議会は以下を知る

(1)1980年ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関する条約)の
運営のための合衆国の担当機関である国務省の子供問題担当局は目下、親または法的保護者によって合衆国から他国に連れ去られた2,488人以上が関与する約1,793件の公になっている事例を取り扱っている。親による子の連れ去り事例の法的、現実的複雑性、および取り返す上での相当の障害を反映する多様な理由の故に、国務省にはすべての事例のうちほんのわずかしか報告されていない。
(2) 会計年度2010年において、合衆国の中央担当機関はハーグ条約のもと合衆国が互恵的義務を享受する国々へ合衆国から連れ去られた696人の事例に対応したが、その同一の期間においてわずか360人の子供たちがハーグ条約国から合衆国に返還されたに過ぎない。
(3) 合衆国の中央当局に報告されている国際的な子の奪取の継続中の事案の数は2006年以降約60%増加している。
(4)合衆国にいる親から連れ去られた子供を取り戻す上での障害を評
価する際、最初の困難はハーグ条約の締結国でありながら条約が規定する責任を遵守していない国々による。合衆国の中央当局によれば、St.KittsとNevisはハーグ条約の締結国として合意した条件を遵守していないし、バミューダ、ブラジル、ブルガリア、ブルキナファッソ、メキシコ、ホンジュラス、およびバハマは非遵守の姿勢を示してきた。これらの国々がその義務を果たしていないことは当該国の担当機関の行為、ハーグ条約を強制または満たすためになされた法的課程と決定に反映されている司法当局の措置、またはハーグ条約に準拠して宣告された命令の迅速な執行を担保する法執行機関の能力と意欲の中に見いだすことができる。アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、コスタリカ、フランス、ルーマニア、南アフリカ、スペイン、スイス、トルコはいずれも子供の返還および面会交流の命令の執行を2010年において為し得ていない。
(5) 合衆国とハーグ条約のほかの締結国は、条約を通じて、「子供たちの違法な連れ去りまたは拘留の有害な影響から国際的に子供たちを保護し、彼らが常居所である合衆国に速やかに帰れることを保証する手続きを確立し、加えて面会交流権を確保する」との願いを表明している。
(6) 合衆国からの子供連れ去りという問題を査定評価することにおいて、合衆国の中央当局は2010会計年度には523人の子供が合衆国から、親による子供連れ去り事件の取扱いに関し合衆国が合意を享受していないハーグ条約の締結国ではない国に、連れ去られた384の親による連れ去り事例につき警告した。連れ去りと面会交流の事例としては目下、積算合計として、日本で156人の子供が、インドで94人の子供が、ブラジルで60人の子供が、ロシアで29人の子供がいる。報告されている事例の数は、連れ去られた子供の居場所確認と連れ戻しの課程が国によって相当に異なり目下のところこのような事例に介入する正式な取り決めがないので、実際には該当している合衆国の子供の合計数よりもさらに小さな割合を示している可能性がある。
(7) 国務省の2010年4月の国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約の遵守に関する報告によれば、「親による子の連れ去りはその子を危険にさらし、その子と取り残された親の両方に対し相当な長期的影響を及ぼす。」
(8) 連れ去られた子供は深刻な情緒的、心理的問題の危険性にさらされていて、不安、食べることの問題、悪夢、感情起伏、睡眠障害、攻撃的な振る舞い、憤り、罪悪感、および恐怖感を体験することが分かってきている。ちょうど大人がアイデンティティ、自分個人の人間関係、養育に苦しむのと同様である。
(9) 取り残された親は相当な心理的、情緒的、金銭的問題に直面するかもしれないが、大多数は彼らの子供の取り戻しを試みる個人的な民事または刑事救済策を追求するのに必要な、巨額の財源を持たない。たとえ、このような救済策が外国の裁判所または政治システムにおいて活用できたか、または効果的であったとしてもである。
 
(b) 議会の意見 ― 合衆国から違法に連れ去られたり、合衆国内で違法に拘留されている子供の居場所の迅速な確認と子供の取り戻しにおいて、合衆国はほかのハーグ条約締結国に対し強い模範を示すべきである、とするのが議会の意見である。

(c) 目的 ― この法律の目的は以下のとおり。
(1) 確認された居場所がどこであったとしても、合衆国の子供を国際的な子の奪取の有害な影響から保護し、親との面会交流を安全かつ予見し得る方法で行う子供の権利を保護すること。
(2) 親たち、その弁護士、および裁判官に、確立された法的手続きを通じての家族の争いの解決を促進するために必要な情報、違法な子の奪取と拘留の危険性を評価するツール、および連れ去られた子を取り戻す上での障害を克服する現実的な手段を提供すること。
(3) 合衆国から外国へ、または外国から合衆国へ、子を連れ去られた親および軍役に服し海外に駐留している親に、援助と積極的な弁護を提供する効果的なメカニズムを確立すること。
(4) 親権に関係する事項では子の最善の利益が至高の重要性を持つという国際的コンセンサス、および親権の問題は奪取される直前の常居地であった合衆国州において決定するのが子の最善の利益にかなうという国際的コンセンサスを促進すること。
(5) 海外で起きる、または親が海外で兵役に就いているときに起きる、子の親権争いの解決の特殊な状況に対処するために、軍人に必要なトレーニングを、軍人家族にトレーニングと援助を、提供すること。
(6) 子供を違法な連れ去りと拘留の有害な影響から保護するための国際的なメカニズム、特に国際的な子の奪取の民事面に関する1980年ハーグ条約、の創造と効果的な施行を促進すること。
(7) 違法に合衆国に連れ去られたり合衆国で拘留されたりしている子供に関するハーグ条約に規定されている互恵的義務を合衆国が遵守しやすくすること。

第3項. 定義
この法律においては、
(1) 特命担当大使 ―「特命担当大使」なる言葉は第101項により指名された国際的な子の奪取を扱う特命担当大使を意味する。
(2) 年次報告 ― 「年次報告」なる言葉は第102項に規定する国際的な子の奪取に関する年次報告を意味する。
(3) 議会の適切な委員会 ― 異なる規定をする場合を除き、「議会の適切な委員会」なる言葉は下院外交委員会および上院外交委員会を意味する。
(4) 合衆国の中央当局 ― 「合衆国の中央当局」なる言葉は1980年10月25日ハーグにおいて締結された国際的な子の奪取の民事面に関する条約の第6条においてこの言葉に与えられた意味を持つ。
(5) ハーグ条約 ― 「ハーグ条約」なる言葉は1980年10月25日ハーグにおいて締結された国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約を意味する。
(6) ハーグ条約遵守報告 ― 「ハーグ条約遵守報告」なる言葉は1998年外交関連事項改革再編法(42 U.S.C. 11611)のセクション第2803により国務省が議会に提出することが規定されているハーグ条約遵守に関する年次報告を意味する。
(7) ハーグ条約締結国 ― 「ハーグ条約締結国」なる言葉は条約に調印しているかまたは同意している国で合衆国が条約に則り互恵協定を締結している国を意味する。
(8) MOU ― 「MOU」なる言葉は、合意に関する覚書を意味する。
(9) MOU国 ― 「MOU国」なる言葉は国際的な子奪取の事例を解決するために合衆国が合意に関する覚書を締結した国または組織を意味する。このようなMOUには以下が含まれるものとする ―  
    (A)合衆国から奪取された子供を、その子の取り戻し申請がそのような目的のために認められた機関によって受理された日から6ヶ月以内に、緊急に取り戻すことを確立し実効あらしめるために考案された特定の議定書の確認。
      (B)親子間の暫定的な面会交流と進行中の面会交流の両方の権利を確立し保護するための特定の議定書の確認。
      (C)子供奪取事例の解決を国際的な子の奪取事例担当オフィスおよび合衆国に残された親と協力して促進する権限を有する政府内の正式な組織の確認。
(D)奪取された子供の合衆国への取り戻し申請の迅速な司法判断を促進する権限を有する司法または行政機関の確認。
      (E)奪取された子供の居場所確認、保護、取り戻しを調査、援助し、合衆国への返還を命じる居住地裁判所の命令を即座に強制執行することを保証する法執行機関、利用可能なメカニズムと手続きの確認。
      (F)合衆国大使館と違法に奪取または拘留されている子との間の福祉および居場所での面会の確立。
      (G)第201(b)項の目的のために国務省が決定するとおりに満たされ維持されなければならない追加的に必須な要素。
(10) 非締結国 ― 「非締結国」なる言葉はハーグ条約締結国でもなければ、合衆国の子が奪取されているか合衆国の子が違法に拘留されているMOU国でもない国を意味する。
(11) オフィス ― 「オフィス」なる言葉は第101項に則り設立された国際的な子の奪取事件担当オフィス (Office on International Child Abductions)を意味する。
(12)非協力のパターン ― 「非協力のパターン」なる言葉は合衆国の中央当局が適切に準備し伝達した後18ヶ月以上当該国内で未解決の10件以上の親による子の奪取事例が存在していること、あるいは未解決事例が10件以下の国の場合いずれの事例も合衆国の中央当局が子の奪取事例の迅速な解決についてその国際的義務を果たすことを求めた要求を受領し伝達した後9ヶ月経過後も未解決のまま存在していることによって証明される当該国政府の組織的な失敗を意味する。
(13) 面会交流権 ― 「面会交流権」なる言葉は子が居住している国の内外で親子が合理的な、拘束のない接触を享受する権利を意味する。
(14)未解決の奪取事例 ― 「未解決の奪取事例」なる言葉は未成年の子が居住している国の法に則り、連れ去られる直前の居住地が合衆国であった子の国際的な連れ去り、または違法な拘留は、合衆国の中央当局による子の返還要求の受領と伝達の日から2ヶ月以上未解決のままであることが適正に確認され連れ去り事案を意味する。
(15)未解決の面会交流事案 ― 「未解決の面会交流事案」なる言葉は暫定的にせよ恒久的にせよ親の面会交流権の確立の申請または有能な管轄権を持つ裁判所によってすでに確立されている親の面会交流権の強制執行(接触命令)の要請で、合衆国の中央担当機関が面会交流権体系化における援助の要請を受領し伝達した日から2ヶ月以上未解決のままであるものを意味する。

第1章 国務省の活動
第101項 国際的な子の奪取事例担当オフィス:
国際的な子の連れ去りにおける特命担当大使
(a)オフィスの設立 ― 国務省内に国際的な子の奪取事案担当オフィスが設立され、このオフィスはサブセクション(b)により指名される国際的な子の奪取を扱う特命担当大使によって統括されるものとする。
(b)指名 ― 特命担当大使は大統領によって、上院の助言と了解を得て、指名されるものとする。
(c) 責務 ― 特命担当大使は以下の責任を持つものとする。 
(1)一般的に ― 特命担当大使の主たる責任は
(A) 国際的な子の合衆国からの奪取を防止する施策を促進すると。
(B) 居住地が合衆国で他国に奪取された子のために擁護すること。
(C) 連れ去り事案または面会交流権の拒絶事例において残された親を助けること。
(D) 海外における国際的な子の奪取を防止し解決するためのメカニズムを促進すること。
(2)助言者としての役割 ― 特命担当大使は国際的な子の奪取と面会交流権の拒絶に関する事項について大統領および国務長官に対する主たるアドバイザーであるものとし、以下について提言をなすものとする ― 
(A) 国際的な子の連れ去り事案に関して非協力のパターンを持つ政府に対する合衆国政府の政策
(B) 刑事告発、逮捕礼状・警戒警報の発行においてインターポールへの協力、係属事件、合衆国軍隊のトレーニング、および海外に駐留する合衆国軍隊の保護協定の交渉に関するほかの合衆国機関との連携
(C) 国際的な子の連れ去りにグローバルに対処する政策
(D)問題の国においてハーグ条約が将来正常な機能を果たすための事案ごとの合衆国政府の立場
(E) ハーグ条約への加盟の受入れ要請についての合衆国政府の立場
(3)外交上の代表 ― 大統領と国務長官の指示により、特命担当大使は国際的な子の奪取と面会交流権の拒絶に関連する事項と事例については以下において合衆国を代表する権限を有する ―
(A)外国政府、民事と商業事項における国境を越えた協力のための世界組織、国際私法についてのハーグ会議、および合衆国が加盟しているその他の国際組織との接触
(B) 国際的な子の奪取に関連する多国籍会議とミーティング、および
(C)ハーグ条約への加盟の提唱、または、ハーグ条約への加盟が可能でない場合は、MOUの交渉。
(4)報告義務 ― 無任所大使は第102項が規定する報告義務を有するものとする。
(5)事案ファイル・マネジメント・システムと情報プロトコル ― 特命担当大使はオフィス内に事案ファイル・マネジメント・システムを確立し、オフィスが通知されたすべての国際的な子の奪取と面会交流権の拒絶事案につき、出来る限り、正確、完全で時機を得た情報の維持を保証し、さらに当該情報の受領、オフィスが取った行動と関係国による反応、ハーグ条約またはMOUが要求する期限を付記して、当該情報をアップデートするためのプロトコルも確立するものとする。
(6)事案受付統一手順 ― 特命担当大使は事例受付統一手順を確立するものとする。これにはハーグ条約かMOUのいずれか適用可能なものに従い回答期限も注記する。
(7)職員は公務員 ― 特命担当大使は、国務長官と協力して、オフィスの人員の大多数は公務員またはサービスのメンバー(この言葉は Foreign Service Act of1980の第103項に記述されている)から成ることを保証し、これらの人員は少なくとも4年間はオフィスに留まることを許されるものとする。
(8)法的助言 ― 特命担当大使は合衆国の中央当局のケース・マネジャーがある国特有の法的問題に対処するため、および取り残された親によってしばしば尋ねられる質問につき広く知らしめることのできる情報を当該ケース・マネジャーに提供するために、必要な場合には、当該ケース・マネジャーは法的助言を活用できるようにするものとする。
(9)ユーザーフレンドリーな資源 ― 特命担当大使は以下を含むユーザーフレンドリーな資源を確立するものとする ―
(A)オフィスに直接つながる無料電話番号、および
(B) 英語を話せない残された親のための通訳付き回線。
(10) 裁判官への援助 ― 特命担当大使は以下を行うもの とする ―
(A) ハーグ条約の事案を担当する可能性のある合衆国連邦裁判所判事と州裁判所判事のためのトレーニング・コースを考案し広める責任を有する。
(B) ハーグ条約事例を担当している合衆国連邦裁判所判事と州裁判所判事に、必要に応じ、助言することの出来る4人以上の特別に訓練された判事を雇っておくこと。
(d) 財源  - 国務長官は特命担当大使に以下のために必要となりうる財源を提供するものとする ―
(1) オフィスのためにスタッフの雇用
(2) オフィスによる捜査の遂行
(3) ケースファイル・マネジメント・システムの確立
(4) 問題の国において体系的な影響を持つかもしれない事例の関連書類の翻訳
(5) 訓練資料の開発、および
(6) 本項の規定を遂行するために必要な旅行

第102項 年次報告
(a) 一般的に ― 毎年3月31日までに、またはその後は適切な議会が開催される初日に、国務長官は特命担当大使の援助を得て、合衆国中央当局が通知を受けているが未解決の事件について、詳細な情報を記述した国際的な子の奪取に関する年次報告を議会に提出するものとする。各年次報告には以下を含めるものとする ― 
(1) ハーグ条約締結国 ― 以下についての情報
(A) ハーグ条約の下合衆国が互恵的義務を有する国々の現行リスト
(B) 彼らのハーグ条約への加盟を受入れるよう合衆国に要求した国々の現行リスト
(C) 合衆国から子を連れ去った、 面会交流を拒絶したとの争いが係属している事例数。サブパラグラフ (A) および (B)に言及されている国別、タイプ別内訳、当初の申請年月日、 拘留国名。
(D) ハーグ条約による互恵的義務の出現以来、各国において解決された合衆国からの子の連れ去り事案または面会交流拒絶事例の割合、各事案の継続期間。
(E) 現行報告年およびそれ以前の年において未解決で係属している各事例につき ―
  () 非難されている連れ去りまたは違法拘留の年月日
() ハーグ条約に従って行政府または司法機関から申請がなされた年月日(もし適用可能なら)
() 各事案についての詳細な情報。司法機関から申請がなされた場合には当該事件を扱っている裁判所、手続きの歴史、子が違法に奪取または拘留されているとされる国における合衆国在外公館長が取った特定の行動、および申請課程で要求された書類の提出年月日。および
() 各事件についての詳細な情報、未解決であることの評価、当該ハーグ条約締結国の有する体系的問題についての判断、将来事件の解決を改善するために協定を強化するための提言。
(F) ハーグ条約締結国内の非政府組織がハーグ条約に基づき子の返還を求める親を助ける活動をしやすくするように、ハーグ条約締結国を奨励する国務長官の努力について詳述。
(G) 合衆国とハーグ条約締結国との間にもはや互恵状態が存在していないのか否か、合衆国の親、弁護士、裁判官は、違法な連れ去りまたは拘留のリスクを評価しつつ、強固な保護および防止措置を要求すべきか否か。
(H) ハーグ条約遵守報告に記載されているすべての報告要件。
(2) MOU国 ― 以下についての情報
(A) MOU国のリスト
(B) サブパラグラフ(A)に記載されている各国との間に締結された合意に関する覚書の基本的要素の記述。
(C) 各MOU国がハーグ条約加盟に向けて動いているか否か。
(D) 各MOU国における合衆国から違法に子を奪取または拘留した、または子との面会交流権を拒絶した未解決事例の数。
(E) 適用可能なMOUの発効以来、合衆国からの子の奪取または子との面会交流権を拒絶した事例で、各MOU国で解決された事例の割合。
(F) 未解決の奪取または面会交流権の各事例について ―
 () 非難されている奪取または違法拘留の年月日
 () 未成年の子の合衆国への返還または面会交流権を求めて開始された行政または司法課程の年月日、および司法過程の場合は当該事件が持ち込まれた裁判所と手続きの歴史
 () 適用可能なMOUに従って確立された議定書が遵守されたか否か
 () 当該事件のそれぞれについての詳細な情報。子が違法に連れ去りまたは拘留されているとされる国において取られた合衆国在外公館長による特定の行為、および合衆国中央担当機関による行為を含む。
(Ⅴ) 未解決であることの評価、当該MOU国に関係する体系的問題の判断。当該MOUが規定する必要な要素の一切の不履行について特別の注意を払った上で。
  (Ⅵ) 事例の解決を促進し一切の体系的問題を改善するために該当するMOUを修正することの提言。
(3) 非締結国 ― 以下についての情報
(A) ハーグ条約締結国でもなければMOU国でもない国のリスト
(B)  ハーグ条約非締結国に締結国またはMOU国になるよう奨励する国務省による努力についての情報。
(C) 未解決の奪取または面会交流権の各事例についてー
 () 非難されている奪取または違法拘留の年月日
 () 未成年の子の合衆国への返還または面会交流権を求めて開始された行政または司法課程の年月日、および司法課程の場合、事例が持ち込まれた裁判所と手続きの歴史。
 () そのような各事例の詳細、子が違法に奪取または拘留されているとされる国における合衆国在外公館長による特定の行為と合衆国中央担当機関による行為。
() そのような各事例において解決を見ていないことの詳細情報とその理由についての評価、子供の違法な奪取または拘留に貢献したり増加させたりするかもしれないホスト国における体系的な問題の審査。
 () 事件の解決を促進し体系的な問題を改善するために合衆国政府によって取られるかもしれない特定行為のための提言。
(b) 例外 ― 本項の規定する各年次報告は当事者または未成年者の氏名を含めなくてもよい。当事者を特定する可能性のあるほかの情報も合衆国に残っているかまたは合衆国軍事施設にいる親が合衆国中央担当機関に文書で当該情報は公開しないよう要請した場合は除外されるものとする。弁護士-顧客間の守秘義務に従う情報は執行された権利放棄証書を付せば提供されてよい。
(c) 主題に関する追加の項 ― 本項による各年次報告には以下も含めるものとする ― 
(1) 合衆国軍隊に所属する親に影響を与える未解決事例の数および残された軍隊所属の親に対し申し出られた援助の要約
(2) 国際的な子の奪取事件での飛行機の利用についての情報。これには奪取事件で最もよく使われる航空会社、国際的な子の奪取を防止するための航空会社の自発的実践、航空会社に最善の実践をしてもらうための提言を含める。
(3) ハーグ条約の適用に関し国内判事と外国判事を訓練するために合衆国中央担当機関が取っている行為についての情報。
(d) 基準と援助 ― 国務長官は海外における合衆国外交使節と領事使節が合衆国から当該各使節のある国に向けての国際的な子の奪取事件について一貫した報告基準を保ち、奪取された子の取り戻し、その子との面会交流権、訪問権を獲得するために当該国を訪問している合衆国の親に適切な援助を提供し、合衆国から当該使節のある国に子が連れ去られた事件の推移状況につき間違いなく常に認識しているようにするものとする。
(e) 停止 ― 本項の規定する年次報告の第一次報告が発行され次第、年次報告に加えてハーグ条約遵守報告を提出しなければならない国務長官の義務は停止するものとする。

第二章 大統領の行為
第201項 国際的な子の奪取事件における非協力のパターンに対応する大統領の行為
(a) 国際的な子の奪取への対応 ― 
(1) 合衆国のポリシー ― 以下は合衆国のポリシーである ―
 (A) 子供の親権または面会交流権に関連する事柄において、違法な奪取または拘留の有害な影響から彼らを国際的に保護することにより、子供の最善の利益を増進すること。
 (B) 国際的な子の奪取または子供の違法な拘留の事例において、当該奪取の直前まで当該子供の居住地であった合衆国への子供の迅速な返還を保証しない外国政府の実践またはポリシーに、サブセクション(b)の記述する活動を通じて反対すること。
 (C) 面会交流権を与えることによって子供と親の継続的接触を保証することをしない外国政府の実践またはポリシーに反対すること。
(2) 大統領の行為の要件 ― 大統領が、ある外国の政府が非協力のパターンをしていると判断したときはいつでも、大統領は第204(a)項の記述する行為の一つまたはそれ以上を通じて、未解決事件の解決を促進しなければならない。
(b) 国際的な子の奪取の事件において非協力のパターンを持つ国の特定 ― 
(1) 年次レビュー ―
(A) 一般的に ― 毎年3月31日までに、大統領は各外国における未解決事件の現状をレビューし、当該国の政府は過去12ヶ月間または本項による各当該国の最後のレビュー日以来、いずれか長期の方、非協力のパターンを行っているか否かを判断しなければならない。    大統領は大統領が非協力のパターンを行っていると判断した政府の各国を非協力のパターンを行う国として特定しなければならない。
(B) レビューの根拠 ― サブパラグラフ(A)により行われる各レビューは各当該国に関係する国際的な子の奪取の未解決事件への政府対応についての情報で、最新の年次報告に記述される事件の数、当該事件が未解決の年数を含むもの、および各当該国について利用できる一切のほかの証拠に基づいて行われなければならない。
(C) 実施 ― サブパラグラフ(A)により行われるある国についての一切のレビューは単独で行われてもよいし一つ以上の国のレビューと一緒に行われてもよい。
(2) 責任ある当事者の決定 ― パラグラフ (1) (A) により非協力のパターンを行う国と指定された各国の政府のために、大統領は本項による大統領の行為の目標を適切に定めるため、当該政府による非協力のパターンに責任を有する機関またはその機構を判断することを追求しなければならない。
(3) 議会への通知 ― パラグラフ (1) (A) により大統領が ある国を非協力のパターンを持つ国と指定したときはいつでも、大統領はその指定の後出来る限り早く以下についての情報を議会の適切な委員会に伝達しなければならない。
(A)当該国の指定で大統領が署名したもの、および
(B)第204(a) 項のパラグラフ(10)から(16)に記述される大統領の行為で当該国に対して遂行された一つ以上の行為。
(c) 非協力の定型を持つ国に関する大統領の行為 ― 
(1) 一般的に ― サブセクション(b)(1)(A)により非協力のパターンを持つ国と指定された各国についてのパラグラフ(2)、(3)、および(4)により、大統領は、第202項と203項の要件が満たされた後、しかし当該サブセクションによるある国の当該指定の日から90日(またはパラグラフ(2)による遅延の場合は180日)以内に、サブパラグラフ(A)または(B)に基づき以下の行為の一つ以上を遂行するものとする。
(A) 大統領の行為 ― 第204(a)項のパラグラフ(10)から(16)に記述される大統領の行為の一つまたはそれ以上。
(B) 対応する行為 ― サブパラグラフ(A)で言及されている一切の行為に代位する相応の行為。
(2) 大統領の行為の遅延に対する承認 ― もし、非協力の定型を持つ国に関連し大統領がパラグラフ(1)の規定する行為を取ることを求められた日またはその前に、大統領が議会に対し以下のために90日を超えない単一の追加的期間が必要であると判断し証言すれば ―
(A) 当該国による非協力の定型の停止を実現するために当該国と開始された交渉をさらに継続する、または
(B) ()当該国を非協力の定型を持つ国と指名した後に当該国によって取られた是正措置をレビューする、または
    () 是正措置は当該90日間に当該国によって取られると期待する場合、大統領は当該期間が経過するまで当該行為を取ることを要求されないものとする。
(3) 大統領の継続する行為の例外 ― 非協力の定型を持つ当該国に以下が当てはまるなら、大統領は本パラグラフ(1)が非協力の定型を持つ国に対して規定する行為を取ることを求められないものとする。
   (A) 大統領は前年に当該パラグラフに基づき行為を取っている。
(B) その行為は当該国がサブセクション(b)(1)(A)の規定により非協力の定型を持つ国と指名されたとき実施中であった。
(C) 大統領は議会に当該国に対して実施中の行為に関しパラグラフ(1)、(2)、(3) 、および(4)の規定する情報を報告する。
(D) 大統領がある国を非協力のパターンを持つ国と指名する時点で、当該国はすでに人権侵害を相当に大きな理由として多角的で広範な制裁措置を受けていて、当該制裁措置が継続中である場合に、大統領は当該制裁措置の一つまたはそれ以上は本サブセクションの要件も満たすと判断することが出来る。203(a)項のパラグラフ(1)、(2)、(3)、 および (4)による議会への報告の中で、大統領は大統領が本サブセクションの要件を満たすと判断する単数または複数の特定の制裁措置を特記するものとする。当該特記された制裁措置は第208項により有効であり続けるものとする。
(d) 解釈のルール ― ある外国は非協力のパターンを取っているとの本法による決定、または本法によりなされる一切の修正は1961年の外国援助法(22 U.S.C. 2151(n)および2304)のセクション116または502Bを含む法の一切のほかの規定に基づく当該国への援助またはほかの活動の停止を要求すると解釈されてはならない。

第202項 協議 
(a) 通知 ―
(1) 一般に ― パラグラフ(2)に規定されていることは 除き、既存の法および規則に従い、国務長官は残された親の地域を代表する下院議員に、当該親が国務省に国際的な子の奪取を報告したとき、文書で通知するものとする。国務長官はこのように報告された国際的な子の奪取事件を追跡監視するコンピューターによるデータ追跡システムを保持するものとする。
(2)例外 ― パラグラフ(1)は残された親が当該パラグラフの記述する通知に同意しない場合は当てはまらないものとする。
(b) 外国政府と協議する義務 ― 大統領は ―
(1) 子供が違法に奪取または拘留されているとされる国の政府に、第204項の規定する行為を生じさせた非協力の定型につき、協議を要請するものとする。および
(2) 合意されれば、当該協議に、私的にもまたは公にも入るものとする。
(c) 合衆国に取り残された親と協議する義務 ― 大統領はサブセクション(a)に記述する未解決事例の解決を促進するための合衆国政府のポリシーが与え得るインパクトにつき、外国で取り残されている親、または当該親の適切な代理人または代理人グループと協議するものとする。

第203項 議会への報告
  大統領が非協力の定型を持つ国と指定した国に対応するために大統領が第204項に規定する行為を取ることを決め、第204項のパラグラフ(10)から (16)までの規定による行為を取ることを決定した場合、大統領は議会の適切な委員会に以下につき報告するものとする。
(1)大統領の行為の明確化 ― 当該国に対して取る第204項のパラグラフ(10)から(16)の規定する行為(またはそれに代わる相応の行為)の特定。
(2)違反の詳述 ― 大統領によって取られるべき行為を生じさせた子の奪取の未解決事件の詳述。
(3)大統領の行為の目的 ― 大統領の行為の目的の詳述。
(4)評価 ― 
(A) 詳述 ― 国務長官、無任所大使、第202項のサブセクション(c) および(d)の規定する当事者、および大統領が適切と判断するほかの当事者と協議したうえで、以下についての評価 ―
 () 当該国における当該未解決事例への影響、
 () 当該国政府への影響、
 () 当該国の一般大衆への影響、
 () 合衆国経済およびそのほかの利害当事者への影響。
(B) 開示を留保する権限 ― 大統領は当該評価の一部または全部、もし分類されていれば、を公にすることから留保することができるが、議会には評価の全体を提供するものとする。
(5)ポリシーの選択肢についての声明 ― 当該国における非協力のパターンについて解決をもたらすための非経済的政策の選択肢は、第202項により要求される協議を含めて、合理的には既に尽きているとの声明。

第204項 大統領の行為
(a)大統領の行為の詳述 ― サブセクション(c)で規定する例外は除き、大統領は第201項により非協力のパターンを持つ国として指定した国に対して以下の行為を取ることが出来る。
(1) 私的な抗議
(2) 正式で公的な抗議
(3) ハーグ条約に基づく非互恵の声明
(4) 公的な糾弾
(5) 一つ以上の多国籍フォーラムでの公的な糾弾
(6) 一つ以上の科学面での交換の遅延またはキャンセル
(7) 一つ以上の文化面での交換の遅延またはキャンセル
(8) 一つ以上の実務、高官、または国家レベルの訪問の拒否
(9) 一つ以上の実務、高官、または国家レベルの訪問の遅延またはキャンセル
(10) 移民および国籍法 (8 U. S. C. 1101(a)(15))の第101項(a)(15)のサブパラグラフ(F)、(J)、または(M)により当該国の国籍を有する者に発行されるビザの数の制限
(11) 1961年外國援助法(22 U.S.C. 2151n)の第116項による合衆国開発援助の撤回、制限、または停止
(12) 合衆国輸出入銀行、海外民間投資公社、または貿易開発機構に大統領が当該非協力の定型に責任があると判断した当該政府または当該政府の機関または機構には一切の(または特定の数の)保証、保険、信用の延長の発行、または信用の延長への参加を承認しないように指示
(13) 1961年外国援助法(22 U.S.C. 2304)のセクション502Bによる合衆国安全保障援助の撤回、制限、または停止
(14) 1977年国際金融組織法(22 U.S.C. 262d)の第701項により、国際金融組織の合衆国執行役員に、大統領が当該非協力の定型に責任があると判断した当該政府または当該政府の機関または機構を利する融資には反対し、反対票を投じるように指示
(15) 1974年貿易法(19 U.S.C. 2461 et seq.) の第5章により、最恵国待遇の一般化システムに関連して、提供された利益の否定、撤回、停止、または制限
(16)合衆国の適切な機関の長に、大統領により当該非協力の定型に責任があると判断された当該政府または当該政府の機関または機構に一切の商品またはテクノロジーを輸出する一切の(または特定数の)特定のライセンスを発行しないように、そして一切のほかの特定な権限(または特定数の権限)を与えないように、以下に基づき、命令する ― 
   (A) 1979年の輸出管理法
   (B) 武器輸出規制法
   (C) 1954年原子力エネルギー法、または
   (D) 商品またはサービスの輸出または再輸出のための条件として合衆国政府の事前審査と承認を要求する一切のほかの制定法
(17) 大統領が当該非協力の定型に責任があると判断した当該政府または当該政府の機関または機構に、一切の合衆国金融機関が12ヶ月期間に合計$10,000,000以上の貸し付けをするまたは信用を提供することを禁じる
(18) 合衆国政府が、大統領が当該非協力の定型に責任があると判断した当該政府または当該政府の機関または機構から、一切の商品またはサービスを調達すること、または調達するための契約を締結することを禁じる
(b) 相応する行為 ― サブセクション(C)が規定する場合は除き、大統領はサブセクション(a)のパラグラフ(1)から(16)に記述される一切の行為のためには、もし当該行為が代用された行為に実質的に相応するなら、またもし当該行為がセクション2(c)の特定する本法の目的をさらに促進するなら、法が認める一切の他の行為を代用できる。大統領は当該非協力のパターンの停止を獲得するために法の認めるすべての適切で実現可能な行為を取ることを追求するものとする。もし本サブセクションに基づき相応する行為が取られたなら、大統領は議会の適切な委員会に当該行為についての報告書を、当該行為を取った理由と共に、提出するものとする。
(c)例外 ― サブセクション(a)または (b)により取られた一切の行為は薬品、医療機械、または日用品、食料、またはほかの人道的援助の当該国への提供を禁じたり制限したりすることは出来ない。                                                                     

第205項 既存の契約への影響
  大統領は以下の場合は第204項による一切の行為を適用または維持することを要求されないものとする ― 
(1) 防衛品目または防衛サービスの調達の場合 ―
(A) 合衆国の国家安全保障に必須の要件を満たすための既存契約またはサブコントラクトに基づくもので、生産量のオプション行使を含む
(B) 大統領がある外國の政府または当該政府の機関または機構が当該防衛品目またはサービスの唯一の提供源で、もしそうでなければ当該行為は適用されるであろうこと、また当該防衛品目またはサービスは必須であること、および代替ソースは容易には、合理的には活用できないことを文書で判断し、その報告書を議会に提出する場合、または
(C) 大統領が当該防衛品目またはサービスは防衛共同生産合意により合衆国の国家安全保障にとって必須であると文書で判断し、その報告書を議会に提出する場合、または
(2) 大統領が第207項により当該行為の通告を連邦官報に公刊する日以前に締結されていた契約に基づき提供される製品またはサービス。

第206項 大統領による権利放棄
(a) 一般に ― サブセクション(b)により、大統領はセクション204(a)のパラグラフ(10)から (16)が記述する行為(またはそれに代替し得る相応の行為)のいずれをも、もし大統領が以下のことを判断しその旨議会の適切な委員会に報告するなら、大統領が第201項に基づき非協力のパターンを持つ国と指定した国に対して適用する権利を放棄することが出来る ― 
(1) 当該国の政府は当該行為のいずれかの適用を生じさせた未解決事例を満足に解決した、および ―
(A) 当該国がハーグ条約締結国である場合、当該国はハーグ条約の規定の将来の遵守を保証する施策を取った、
(B) 当該国がMOU国である場合、当該国は問題となっているMOUの規定の将来の遵守を保証する施策を取った、または
(C) 当該国は、結果的に未解決の奪取または拘留が起きた時点では、非締結国であったが、当該国はハーグ条約締結国またはMOU国となっている。
(2) 当該権利放棄権限の行使は本法の目的を促進するであろう、または
(3) 合衆国の重要な国家利益は当該権利放棄権限の行使を要求している。
(b) 議会への通告 ― サブセクション(a)による権利放棄行使の日以前に、大統領は議会の適切な委員会に当該権利放棄または当該権利放棄の行使の意図を、その詳細な正当化理由を付して、通告するものとする。

第207項 連邦官報での公刊
(a) 一般的に ― サブセクション(b)により、大統領は以下の連邦官報での公刊を保証するものとする。
(1) 非協力の定型を持つ國の政府、機関、機構の判断 ―
第201項により大統領が非協力の定型を持つ國と指定した國の指定、もし出来得るならば現実的な程度に、当該非協力の定型に責任があると判断された機関、機構または高官のアイデンティティを付して。
(2) 大統領の行為 ― セクション204(a)のパラグラフ(10)から(16)に基づく一切の行為(またはそれに代替し得る相応の行為)の詳述と当該行為の発効日。
(3) 大統領の行為の報告書の伝達遅延 ― 第203項が規定する報告書の一切の伝達遅延。
(4) 権利放棄 ― 第206項が規定する一切の権利放棄。
(b) 情報の限定的開示 ― 大統領は本セクションにより情報の公刊を、もし大統領が当該情報の公刊は
(1)合衆国の国家安全保障にとって有害であろう、または
(2) 本法の目的を促進することにならないであろうと判断するなら、1961年外国援助法(22 U.S.C. 2414(c))のセクション654(c)に記述される事実調査と判断の公刊を制限するのと同じ方法で同じ程度に、制限することが出来る。

第208項 大統領の行為の停止
 ある国に関連して本法により取られる一切の行為または本法によりなされる一切の修正は以下の年月日の早い方で停止するものとする。
(1) 法により明白に再承認されない限り、当該行為の発効年月日から2年以内。
(2) オフィスとの協議の上、大統領が当該国の政府は当該行為を生じさせた問題の非協力のパターンを是正するために実質的で検証可能な諸策を取ったと判断し議会へ証明した年月日。

第209項 司法審理の排除
 いかなる裁判所も本法による大統領の一切の判断または機関行為または本法によりなされる一切の修正を審理する権限を持たないものとする。 

第210項 合衆国の援助
(a)  経済援助の禁止の実施 ― 1961年外国援助法 (22U.S.C. 2151n(c)) のセクション116(c))は以下のように修正される ―  
(1)パラグラフ(1)のすぐ前の文章の“自由”の後に“および国際的な子の奪取を担当する特命担当大使と協議の上”を挿入する。
   (2) パラグラフ(3)(B)では、最後のピリオドの後、“;および”を挿入する。
   (3) 最後に以下の新しいパラグラフを追加する ―
     「(4)当該政府は ―
       (A) 非難されている国際的な子の奪取または面会交流権の拒否の未解決事例について非協力のパターンを取っているか否か。当該表現は2009年国際的な子の奪取防止法で定義されている。または
       (B) 当該国に向けて奪取されたとされている子供の居場所を確認するために真剣で継続的な努力を、当該努力は合理的にすることが出来たときに、怠ったか否か。」
(b) 軍事援助の禁止の実施 ― 1961年外国援助法(22 U.S.C. 2304(a)(4))のセクション502B(a)(4)は以下のように修正される ―
(1) サブパラグラフ(A)は最後に“または”を挿入する。
(2) サブパラグラフ(B)は最後のピリオドの後に“または”を挿入する。
(3) 最後に以下の新しいサブパラグラフを追加する。
  「(C) 非難されている国際的な子の奪取または面会交流権の拒否の未解決事例について非協力の定型を取ってきた。当該表現は2009年国際的な子の奪取防止法に定義されている。または
「(D)当該国に向けて奪取されたとされている子の居場所を確認するために真剣で継続的な努力を、当該努力は合理的にすることが出来たときに、怠ったか否か。」
(c) 広範な協議 ― 1961年外国援助法(22 U.S.C. 2304(b))
のセクション502B(b)は、第一文章に、“国際的な宗教の自由を担当する特命担当大使”の後に“国際的な子の奪取を担当する無任所大使と協議しその協力を得て”を挿入する。


第211項 多国籍援助
  国際金融組織法(22 U.S.C. 262d)のセクション701項は最後に以下の新しいサブセクションを追加する。
  「(h) ある国の政府がサブセクション(a)に記述される国際的に認められた人権の完全な侵害の定型を取ってきたか否かを判断するとき、大統領は当該政府が
(1) 非難されている国際的な子の奪取または面会交流権の拒否の未解決事例について非協力の定型を取ってきたか否か。当該表現は2009年国際的な子の奪取防止法に定義されている。または
(2) 当該国に向けて奪取されたとされている子の居場所を確認するために真剣で継続的な努力を、当該努力は合理的にすることが出来たときに、怠ってきたか否か。
に特別の考慮を払うものとする。」

第212項 優遇待遇の有資格性の修正
   1974年貿易法(19 U.S.C. 2462(b)(2))のセクション502(b)(2)は以下の通り修正される ― 
(1) サブパラグラフ(H)に以下の新しいサブパラグラフを挿入する。
「(1)当該国は非難されている国際的な子の奪取または面会交流権の拒否の未解決事例について非協力の定型を持つ國である。当該表現は2009年国際的な子の奪取防止法に定義されている。」および
(2) サブパラグラフ(1)の後、
(A)“および(H)”を挿入する。
(B)“D))”の後、“および(1)”を挿入する。

第3章 雑規定
第301項 14歳未満の子供に対するパスポート発行制限の修正
  James Nance提督およびMeg Donovan対外関係認可法、会計年度2000および2001は以下の通り修正される ― 
(1) ()節は最後に“または”を入れる、
(2) ()は最後にピリオドを打った後“または”を入れる、および
(3) 最後に以下の新しい節を追加する。
「()その子は合衆国外に居住していて、当該人は合衆国市民で、その子の共同親権を持っていて、合衆国外でパスポートの発行を申請している場合。」

第302項 政府歳出予算の承認
   本法と本法によりなされる修正を遂行するために必要かもしれない金額を会計年度2010年から2013年の各年のために割り当てることが承認されている。
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●次回定例会のお知らせ

2011年06月25日 12時41分46秒 | Weblog
次回定例会の日程が決まりましたのでご連絡致します。

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【定例会】
日時:7月2日(土)14:00~17:30
場所:中央大学後楽園キャンパス (6413教室)
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen_j.html

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会員外でも参加は出来ますので、是非一度お越しください。
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●親権ある父親、子の未成年者略取容疑で逮捕 伊賀市

2011年06月23日 04時10分45秒 | Weblog
http://www.iga-younet.co.jp/news1/2011/06/post-1103.html

未成年者略取容疑で 父親を逮捕 伊賀署

編集部 (2011年6月22日 21:19)

 保育園の女児を連れ去ったとして、伊賀署は6月22日、尼崎市内の無職男(33)を未成年者略取と建造物侵入の疑いで逮捕したと発表した。男は女児の父親で、容疑を大筋で認めているという。【男が侵入したとされる保育園の裏側=伊賀市内で】
 発表によると、男は6月15日午前9時ごろ、伊賀市内の保育園のフェンスを乗り越え、同園に侵入。砂場で遊んでいた長女(4)を抱きかかえて、大阪市内で借りたレンタカーに乗せて連れ去った疑い。保育士らが発見し、追いかけたがつかまらず、園長が警察へ通報していた。

 男と妻(30)は離婚調停中。家族は大阪で暮らしていたが、11月に別居。妻は実家のある伊賀市へ長女とともに引っ越して来ていた。妻は同園に対して、母方の祖父母以外が迎えに来ても対応しないよう要請していたという。

 22日の午後3時ごろ、県捜査一課と同署の刑事が、尼崎市大庄北地内にある春日公園で長女と2人でいる男を発見、その場で逮捕したという。
 
 同署では詳しい動機などを調べている。


(伊賀タウン情報You HPより記事、写真を転載させて頂きました)
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●7.10後藤富士子先生討論集会~親権・監護権は親のものー裁判官の独裁を許すな!家裁に国民主権を~

2011年06月05日 16時13分49秒 | Weblog
※討論集会の後藤先生の講演開始時間が変更となりましたので、再度のご確認をお願いいたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

討論集会のご案内

                           弁護士 後藤富士子

子どもを拉致同然に連れ去られ、行方も分からず、会うこともできなくなっている事件で、平成21年に2件、親権侵害=不法行為損害賠償請求訴訟を提起しました。2件とも「不法行為にならない」とされ、最高裁に係属中です。
また、離婚前の面会交流申立事件でも、「親の権利ではなく、子どもの権利」という不思議な論理が罷り通っていますから、審判ではなく、調停で粘り強く面会交流を実現する対応を余儀なくされています。
つまり、司法の世界で最も焦点化されている問題は、親権・監護権が親の権利か否か、ということです。同時に、手続法にも問題があると痛感しています。家裁を利用する当事者の立場に立つと、次のような改革が必要でしょう。
① 家事審判を廃止して、人事訴訟手続に一元化する
② 単独親権を廃止して、父母の婚姻関係にかかわらず、共同親権にする

そこで、この改革を展望して、皆さんで問題を深めたいと企画しました。
  
  ~親権・監護権は親のものー裁判官の独裁を許すな!家裁に国民主権を~

日時: 平成23年7月10日(日) 午後1時(受付)~5時
場所:  日本青年会館ホテル 会議室 301号室
〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町7番1号
TEL03-3401-0101
http://www.nippon-seinenkan.or.jp/index.html

第1部(13時15分~)
「子どもを諦めない」当事者3名からの応援メッセージ

第2部(14時~)
後藤先生講演
「親権・監護権は親のもの-『国親思想』を撃て!」

第3部
討論会・質疑応答


連絡先:みどり共同法律事務所 (TEL03-5925-2831/FAX03-5330-8886)
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●後藤富士子弁護士論文 「DV生活保護受給と婚姻費用分担請求」

2011年06月05日 16時12分28秒 | Weblog
DV生活保護受給と婚姻費用分担請求
                       
2011年5月18日          弁護士 後藤 富士子


第1 夫婦の婚姻共同生活保持義務について
1 夫婦の同居・協力義務
  憲法第24条1項は、婚姻は夫婦相互の協力により維持されなければならない旨を定め、民法第752条は、夫婦の同居義務、協力義務および扶助義務を定めている。すなわち、同居義務、協力義務を一方的に怠った配偶者が、他方に扶助義務を要求することが信義に反することは、法文上自明である。
しかるに、本件のように、妻が「DV被害者」を装って、ある日突然子どもを連れて行方をくらまし、弁護士を盾にして、離婚請求と婚姻費用分担請求を同時にしてくる「事件」が多発している。婚姻を破壊する妻にとって、夫婦の同居・協力義務は存在しないものであり、ただ婚姻費用分担請求権だけが存在するのである。しかも、このような場合、子どもを連れて行かなければ、婚姻費用分担請求が認められないことも熟知しているから、父子から収奪するために子どもを連れ去るのである。そこで、この文脈の中で婚姻費用分担義務について検討する。

2 婚姻費用分担における夫婦平等原則
明治民法のもとでは、夫(または女戸主)が妻(または夫)の財産に対して使用収益権を持つ(旧799条)反面、婚姻費用を夫が負担すると規定されており(旧798条)、この分担者が無資力の場合に、夫婦相互の扶養義務(旧790条)の適用があると解釈されていた。これに対し、憲法24条の夫婦平等の原則に基づき、妻の財産に対する夫の使用収益権が廃止されるとともに、民法760条は婚姻費用についても夫婦が分担するものと改め、夫婦が平等の立場で、婚姻生活の維持・確保に共同責任を負うことを明らかにした。
そして、婚姻共同生活の存在する限り、婚姻費用分担が生活保持義務であることに異論はみられないが、婚姻費用の分担義務が法的問題として登場するのは圧倒的に夫婦が別居している場合についてである。しかも、離婚紛争の前哨戦として、離婚を請求する夫に対して別居中の妻が婚姻費用を請求するという事例が多く、夫婦関係の回復が困難な破綻状態にあることが多い(別冊法学セミナー基本法コンメンタール『親族』74~76頁参照)、というのがかつての実態であった。
しかるに、本件もその典型であるが、「ある日突然に妻が子を拉致して行方がわからない」状態で、弁護士を盾にして、離婚と婚姻費用を請求してくるという、全く法の想定外の事態である。夫にしてみれば、「何が何だか分からない」という状態で、離婚意思もなければ、別居の意思もない。妻子が戻ってくることを願っている。それが、善良な夫の姿である。ところが、そこにDV防止法が立ち塞がるのである。
すなわち、このような妻の行為は、その動機がどうであれ、婚姻を破壊するものにほかならない。したがって、夫婦が平等の立場で、婚姻生活の維持・確保に共同責任を負うとする婚姻費用の分担の前提を欠く。そして、婚姻破壊者である妻が無収入のため何ら婚姻費用を分担しないでおきながら、収入があるというだけの理由で無責の夫に婚姻費用を分担させるのは、夫婦平等を極端に逸脱している。

3 「扶養」と「婚姻費用の分担」
  民法第752条は、夫婦の同居義務とともに、夫婦間の経済的義務として扶助義務(扶養義務)を定め、手続的には家事審判法第9条1項乙類1号審判の対象とされている。これに対し、民法第760条は、夫婦とその間に生まれた未成熟子を含めた婚姻生活の維持のための費用の分担義務を定め、手続的には家事審判法第9条1項乙類3号審判の対象とされている。
  通説・判例は、両者は婚姻費用の分担と扶養というように概念的観念的には一応区別できるとしても、夫婦間扶養も未成熟子扶養も生活保持義務であるとして、本質的には同一であるとし、手続的にも差はないとしている。これに対し、両者を区別する見解があるが、なかでも、婚姻費用分担義務は婚姻共同生活の存在が前提であり、夫婦関係が破綻し、もはや婚姻共同生活の回復が期待できない場合は、婚姻費用の分担(生活保持義務)の問題ではなく、夫婦一方が生活に困窮しているならば、夫婦間の扶養(生活扶助義務=相手に最低生活費を保障すべき義務)の問題となるとの見解が比較的支持されている(別冊法学セミナー基本法コンメンタール『親族』74頁参照)。
また、未成熟子扶養についてみると、父母は親権の有無にかかわらず未成熟子(未成年者)に対して生活保持義務を負うので、未成熟子が自ら権利者(申立人)として(15歳未満であるときは法定代理人によって)、民法第877条以下・家事審判法第9条1項乙類8号「扶養に関する処分」事件の申立てにより扶養請求をすることができる。一方、民法第766条は、離婚後の子の監護に関する事項について規定しており、「子の監護について必要な事項」としては、監護者指定・変更、監護費用(養育費)分担、面接交渉、子の引渡などがあるが、いずれも家事審判法第9条1項乙類4号「子の監護に関する処分」事件とされている。
そうすると、「婚姻費用」は、夫婦間扶養と監護費用の合計となる。実務上、夫婦の一方が他方に対して行う生活費の請求に関して、婚姻費用分担審判の申立手続により処理することにほぼ統一されているのも、そのためである。
ところで、前記したように、本件では、妻が子どもを拉致同然に連れ去り、居所も秘匿し、父である夫を子どもにも会わせないで1年以上経過しているのであり、妻が失踪した時点で、いかなる意味でも婚姻関係は破綻していない。実在するのは、妻による婚姻関係・父子関係の破壊であり、妻は、夫婦同居義務を一方的に放棄して婚姻共同生活を破壊した配偶者である。
そこで、夫婦間扶養の問題として考えた場合、妻の夫に対する扶養請求が権利濫用であることは明白である。一方、妻によって拉致された子らの監護費用を妻から請求されることは、誘拐犯から「身代金」を請求されているに等しい。このように、夫婦間扶養と監護費用のどちらも「クリーン・ハンドの原則」に照らせば権利濫用であるのに、両方を合体させた「婚姻費用分担」になると、魔法のようにこの事情が消え去るのである。それは、家事審判官が、「破綻」の有無および「破綻」の原因について、実態を無視し、執務資料マニュアルにあてはめて行政処分をするからである。実際、本件のように、婚姻費用分担請求と離婚請求が同時に行われるケースでは、裁判上の離婚原因がない場合が多い。ちなみに、破綻主義を徹底させた平成8年の民法改正要綱では、破綻主義強制離婚がもたらすモラルハザードを予見しており、配偶者に対する協力及び扶助を著しく怠っていることによりその離婚請求が信義に反すると認められるときには裁判所は離婚請求を棄却することができるとしている。
本件審判は、妻の背信性を全く無視して、通常の婚姻費用分担義務を夫に命じている点で、法解釈適用を誤っており、取り消されるべきである。

4 家事審判―裁判官の独裁
   家事審判は、本質的に民事行政とされ、非訟手続で行われる。
   しかしながら、本件をみれば分かるように、夫婦の婚姻共同生活保持義務や親の親権=養育監護権の保障など、家族生活全体を考慮して紛争を把握しないで、ただ婚姻費用分担義務をマニュアルに従って行政処分するなら、夫の財産権や生存権を侵害するにすぎない。そもそも、主権者たる国民に憲法で保障された権利を制限ないし剥奪する権限が、官僚裁判官に付与されているはずがない。裁判官は、非訟手続で「行政サービス」を提供しているつもりかもしれないが、実態は、官僚裁判官の行政処分であり、独裁である。
このように、本件審判は、憲法第29条および第25条に違反するだけでなく、憲法第31条および第32条に違反する。
なお、離婚と子どもをめぐる紛争をとってみても、家事審判と人事訴訟と手続的に分断されるために、当事者にとって「サービス」になどならない。むしろ、裁判官の独裁により確定された「紛争の断片」のせいで、どうにもならなくなるだけである。したがって、まずもって家事審判制度を廃止し、人事訴訟に一元化することである。また、調停前置主義が機能するように、単独親権制を廃止し、父母の婚姻関係の有無にかかわらず共同親権とする民法改正をすべきであろう。とはいえ、改正前でも、親権と監護権の分属など、家事審判のサービスを駆使して同じような解決が可能である。そういう働きを裁判官がしないから、家事審判制度は有害物に転化するのである。

第2 DV防止法による「自立支援」と婚姻費用分担請求
1 改正DV防止法の基本理念の欺瞞性―男女平等の実現?
     法第2条の2(基本指針)に基づく「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」(平成16年12月2日内閣府、国家公安委員会、法務省、厚生労働省告示第1号)において、「経済的自立が困難である女性に対する配偶者暴力は、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げになっている」として、「人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための不断の取組が必要である。」という。そして、通報、相談、保護、自立支援等の体制が整備強化されている。
しかしながら、夫婦間の問題にすぎないことを、妻を保護することによって「男女平等の実現」が図られるはずがない。経済的自立の困難な妻を、生活保護などの「被害者の自立支援」策によって自立させることも、常識的には不可能と思われる。第一、職業を有する女性たちが賃金における男女差別と闘っており、それこそ男女平等社会の実現に必要なことである。
また、「男女共同参画」というなら、「共同子育て」こそが推進されるべき施策であるはずなのに、「DV防止法」では、子どもは母親の附属物扱いであり、父親を「DV加害者」として「子育て」から排除する。
このように、全く欺瞞的で非論理的な法令によって、子どもを拉致同然に連れ去る破壊的な離婚紛争が誘発されている。すなわち、経済的自立の困難な妻たちは、家庭破壊離婚を法律により教唆されているのである。そして、前記したように、未成熟子の「監護費用」は経済力のある父親と同等の生活が保障されるから、経済力のない妻にとって子どもが「金蔓」として重要な存在になるのである。子どもを拉致する所以である。

2 DV防止法における「生活保護」と「配偶者扶養」の関係
DV防止法は、経済的に自立できない妻が夫からのDVから逃れること、つまり夫婦共同生活の破棄を前提とした「被害者支援」法である。そして、生活保護は、DV防止法の「援助」として位置づけられ、生活保護法の特例扱いがされている。DV防止法は、福祉事務所による自立支援を規定し(法第8条の3)、配偶者暴力の被害者の自立を支援するという趣旨で、通常の生活保護法による保護の実施要領の特例として、「扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる者であって、明らかに扶養義務の履行が期待できない場合」には、扶養能力の調査にあたって扶養義務者に直接照会することが真に適当でない場合として取扱われるのである。すなわち、DV防止法の「援助」としてされる生活保護は、配偶者から扶養を受けられないことを前提としている。
ところで、妻は、詳細を明らかにしないものの、生活保護を受給しているというのであり、これはDV防止法の「援助」としてされた生活保護にほかならない。すなわち、妻は夫から婚姻費用を得られない/請求しないことが前提なのである。したがって、仮に夫から婚姻費用分担金を受領すれば、生活費の二重取得になるはずである。
これについて、妻は、生活保護法を援用して、二重取得にならないと主張しているが、これはDV防止法を無視するものである。実際的に考えても、国庫に返還するために婚姻費用を請求するのは不自然であるし、妻に何のメリットもないと思われる。
   しかるに、本件審判は、妻が受給している生活保護の全容を開示させることなく、婚姻費用が国庫に返還される前提でマニュアルに従って結論を導いており、取り消されるべきである。

(以 上)
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●国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に向けた準備について(政府資料)

2011年06月04日 01時35分32秒 | Weblog
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/0520%20Hague%20Convention.pdf

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に向けた準備について
平成23年5月20日
閣議了解

近年増加している国際結婚の破綻等により影響を受けている子の利益を保護
する必要があるとの認識の下、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」
(以下「条約」という。)について、締結に向けた準備を進めることとする。
このため、条約を実施するために必要となる法律案を作成することとし、関
係行政機関は必要な協力を行うものとする。
法律案の作成に当たっては、別紙の関係閣僚会議了解事項に基づくこととす
る。
別紙
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)
<条約実施に関する法律案作成の際の了解事項>
平成23 年5 月19 日
関係閣僚会議
ハーグ条約を実施するための法律案作成に当たっては、下記の内容を盛り込むことと
する。なお、具体的な規定の仕方については、法制上の問題も考慮した上で検討する。
■中央当局の任務
1.中央当局は、外務省に設置する。
2.子の返還に関する援助の申請に対し、中央当局は次の任務を行う。
(1) 子の所在の特定に関すること。
(2) 子に対する虐待その他の危害を防止するため、必要な措置を講ずること。
(3) 子の任意の返還又は当事者間の解決をもたらすために助言すること。
(4) 司法上の手続を含め我が国の国内法制につき必要な情報を提供すること。
3.中央当局は、2.の任務を遂行するため、必要があると認める場合は、関係行政機
関の長に対し、資料又は情報提供その他必要な協力を求めることができる。
4.子との面会交流に関する援助の申請に対し、中央当局は必要な事務を行う。
5.子の返還に係る規定は、条約の規定を踏まえ、条約が我が国について効力を生じた
後に生じた事案についてのみ適用するものとする。
■子の返還命令に係る手続
1.子の返還命令のための裁判手続を新設する。
2.子の返還拒否事由
(1) 子に対する暴力等
子が申立人から身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動
(「暴力等」)を受けたことがあり、子を常居所地国に返還した場合、子が更なる暴
力等を受けるおそれがあること。
(2) 相手方に対する暴力等
相手方が、申立人から子が同居する家庭において子に著しい心理的外傷を与えるこ
ととなる暴力等を受けたことがあり、子を常居所地国に返還した場合、子と共に帰
国した相手方が更にかかる暴力等を受けるおそれがあること。
(3) 相手方が子と共に帰国することができない事情等
入国できない、逮捕・刑事訴追のおそれがある、帰国後の生計維持が困難等の事情
があるため相手方が常居所地国において子を監護することができず、かつ、相手方
以外の者が子を常居所地国において監護することが子の利益に反すること。
(4) 包括条項
その他子を常居所地国に返還することが、子に対して身体的若しくは精神的な害を
及ぼし、又は子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があること。
(了)
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●大阪でハーグ条約に関するシンポジウム(2011.8.5)

2011年06月03日 04時41分25秒 | Weblog
2011.8.5「1980年ハーグ条約」シンポジウム企画案 (2011年5月22日現在)

8.5日米シンポジウム「子どもの最善の利益と親の権利から、国境を越えた子の連れ去りを考える」~「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」への加入をめぐる課題

<開催趣旨>
日本政府は5月20日、「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」に加盟する基本方針と、日本国内に連れてこられた子どもの所在を政府によって特定するとともに、子どもを連れている親に裁判所が返還を命じるための手続きを設けることなどを柱とした国内法案の骨子を閣議了解した。
このハーグ条約は、国際結婚の破綻を機に、一方の親が国境を越えて子どもを連れ去った場合、その子どもをもとにいた国に即時返還させることを、国どうしが約束し実現するための取り決めである。1980年に採択され1983年に発効したこの条約は、2011年4月現在の締約国は85カ国。未加盟の日本に対して、近年とりわけ欧米諸国から早期加盟の要請が強くなってきている。そうしたなか、外務省を中心に加入に向けた検討が具体化してきたといういきさつがあった。
 しかし、夫による子への虐待や妻へのドメスティック・バイオレンス(DV)から避難するために、子を連れ帰るという日本女性が相当数含まれると考えられることから、条約加入に対する慎重論や反対論も強い。法案骨子には、配偶者や子どもがDV被害や虐待を受けていた場合に配慮し、さらなる暴力を受ける恐れがある場合には返還を拒否できる、といった例外規定も盛り込まれているという。
 本シンポジウムでは、ハーグ条約の実務に詳しく、かつ、DVからの女性の保護の観点からの問題意識を持つ弁護士のNancy Zalusky Berg(ナンシー・ザルスキー・バーグ)さん(国際家族法弁護士アカデミー米国支部会長President at International Academy of Matrimonial Lawyers-USA Chapter)をアメリカから招いて、ハーグ条約の実施と女性・子どもの暴力からの保護に関するアメリカにおける議論や実務の状況について報告をしていただく。それを受けて、条約の理念と子どもの最善の利益・女性の人権の保護との調整や、日本が条約を締結する場合に検討しておくべき日本における法的な課題などに関して、弁護士の大谷美紀子さんと東京国際大学教授で臨床心理士の小田切紀子さんをパネリストに報告いただき、考えていくことを目的とする。会場では、参加者とパネリストとの間の質疑や議論の時間を設ける。

<対象>
弁護士、法律家、自治体の男女共同参画課(DV担当など)や子育て支援課の担当者、女性センター、児童相談所などシェルター関係者、研究者、関心ある市民、および各国領事館。

<概要>
日時:2011年8月5日(金) 午後2時~4時30分

場所:大阪国際交流センター・小ホール
   (大阪市天王寺区上本町8-2-6)地下鉄谷町9丁目、近鉄大阪上本町駅下車

パネリスト:(同時通訳)
・Nancy Zalusky Berg(ナンシー・ザルスキー・バーグ)
(弁護士・国際家族法弁護士アカデミー米国支部会長)
・大谷 美紀子(弁護士)
・小田切 紀子(東京国際大学教授・心理学博士・臨床心理士)

参加者:会場スペース  172席

参加費:無料 (事前にお申込みください)
     ヒューライツ大阪 電話06-6577-3578、Fax 06-6577-3583
              メール webmail@hurights.or.jp

主催: (財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪) 
大阪弁護士会 

協賛:駐大阪・神戸米国総領事館 関西アメリカン・センター



連絡先・担当:
藤本伸樹
(財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)
〒552-0021 大阪市港区築港2-8-24 pia NPO 3F
電話06-6577-3578、Fax 06-6577-3583
Eメールnfuji@hurights.or.jp


(※転載歓迎)
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●記者の目:「ハーグ条約」加盟の方針決定=反橋希美 (毎日新聞)

2011年06月03日 04時05分59秒 | Weblog
●記者の目:「ハーグ条約」加盟の方針決定=反橋希美 (毎日新聞)
2011年6月2日

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110602k0000m070119000c.html

 国際結婚が破綻した夫婦の16歳未満の子の扱いを定めた「ハーグ条約」。政府は加盟方針を決め、賛否両論巻き起こっている。私も国際結婚ではないが離婚歴があり2人の子を育てている。さまざまな思いを抱え、子を連れて帰国した母親らのことは人ごとではないが、現段階では加盟はベターな選択だと考えている。

 ◇国際結婚破綻 子の扱いを規定
 条約は、離婚などで一方の親に無断で子が国外に連れ出された場合、子を元の居住国に戻して扱いを決めるものだ。連れ出された方の親が子の返還や面会交流を申し立てれば、相手国は子の居所を探し協力するが、ここでは、どちらが子の監護に適しているか審理はしない。

 日本政府が加盟を決めたのは、近年、離婚後の子を巡る国際間のトラブルが急増しているからだ。外務省によると「日本人の母に子を連れ去られた」などと問題視されているケースはこれまでに約200件にのぼるという。

 日本は離婚後、一方の親しか親権を持てない「単独親権制」だが、欧米を中心とする加盟国では両親に親権を認める「共同親権制」が主流だ。離婚後、一方の親とかかわりがなくなることも多い日本と、両親との密接な交流が求められ転居や進学も元夫婦が協議して決める欧米。離婚観の隔たりが背景にある。

 離婚などで外国に子を残したまま帰国したり、日本に住んでいたのに子を国外に連れて行かれた日本人の親たちは、加盟を歓迎している。

 大阪市内に住む女性(38)は約3年前に米国人の夫と離婚し、当時10歳と5歳の息子を残して帰国した。元夫は「条約未加盟の日本に連れて帰られたら、二度と会えなくなる」と単独親権を主張。女性は経済的負担などから争えなかった。子供たちを自分の親に会わせたいが、元夫は日本への一時出国すら許さない。「加盟すれば元夫の態度が軟化するかも」と期待する。

 一方、加盟に反対するのは子を連れ帰った母たち。中でも深刻なのは、元夫のドメスティックバイオレンス(DV)や虐待から逃れて帰国した例だ。相手国に渡れば、母子が再びDVや虐待を受ける恐れがある。さらに、母が相手国で誘拐罪に問われているケースすらある。

 ◇元居住国へ返還 拒めるケースも
 条約には「元の居住国に戻すと子を耐え難い状況に置く重大な危険がある」と、連れ去った親が証明できれば、例外的に返還を拒める規定がある。日本にいる親子の場合、返還拒否できるかは日本の裁判所が判断することになる。

 だが、DV問題に詳しい吉田容子弁護士(京都弁護士会)は「『重大な危険』の認定基準が極めて狭い」と指摘する。条約事務局(オランダ・ハーグ)の03年調査でも、司法判断されたうち拒否が認められたのは約3割だった。

 日本政府は国内関連法を整備して「重大な危険」の基準を規定する方針だ。だが吉田弁護士は「条約上、DVや虐待があっただけでは例外事由にならない。他国では子への性虐待すら『深刻でない』と元の居住国に戻される例もある。日本も本当に子を守れる規定を定められるか疑問だ」と話す。

 それでも、私が「現段階で加盟はベター」と考える理由は二つ。まずは子を日本から国外に連れ出されたり、相手国に置いてきた親に、救済の道を開くから。さらに国内関連法の整備次第で、DV問題を抱える親子の問題も解決できる可能性があるからだ。

 子供を守れるかは、国内関連法で、どこまで弾力的な例外規定を設けるかにかかる。国際条約である以上、限度はある。だが、運用実態を精査し、当事者や子供の心理の専門家らの意見も聞き、せめて「性虐待が確認されたら返還を認めない」などギリギリの線を探るべきだ。同じ危機感を持ったスイスは例外規定を独自に定めている。日本も各国の理解を得られるよう努めるべきだ。不可能なら加盟撤回するぐらいの覚悟を持ってほしい。

 私は国内の離婚問題について昨年8月の当欄で「面会交流と養育費を決めてから離婚する制度にするよう」訴えた。5月末に成立した改正民法(1年以内に施行)で、離婚後の協議事項に養育費と面会交流が明文化されたことは、素直に評価している。ただ、これらがスムーズに履行されるには、面会交流施設や相談員の整備など、離婚後の親子のかかわりを支える仕組みが欠かせない。ハーグ条約加盟で、国際間の面接交流も増えることが予想される。今こそ社会のサポートを真剣に考える時だ。

(大阪学芸部)
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●仏サミットで菅首相が各国首脳にハーグ条約加盟の進捗状況を説明 (外務省HP)

2011年06月03日 03時55分45秒 | Weblog
菅直人首相が仏 ドーヴィルG8サミットで各国首脳との会談においてハーグ条約加盟に向けての進捗状況を説明しました。 (5月26日・27日) 


・日加首脳会談の概要(外務省HP)
平成23年5月26日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/europe1105/canada_sk1105.html

G8ドーヴィル首脳会議出席のためフランスを訪問中の菅総理は,現地時間26日午前10時45分(日本時間26日17時45分)から約30分間,ハー パー・カナダ首相との間で日加首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおり(日本側:福山官房副長官,河相官房副長官補,別所外務審議官ほか,カナダ側:ベアード外相,ライト首相首席補佐官,キャリエール外交国防担当首相顧問,スーダス首相府広報課長,マクグイガン首相府外交・環境・エネルギー安全保障担当政策アドバイザーほか同席)。

1.冒頭発言
 菅総理から,先般のカナダ下院総選挙において,ハーパー首相の率いる保守党の勝利及びハーパー首相の再任を祝し,日本をはじめとするアジア重視のハーパー政権の再任は日本にとっても心強い旨述べたのに対し,先方より,祝辞を謝し,日加関係の一層の強化につき緊密に協力していきたい旨述べた。

 菅総理から,東日本大震災に関し,ハーパー首相からのお見舞いの言葉に加え,カナダから毛布,サーベイメーターの支援を頂いたことにつき謝意を表明したところ,ハーパー首相からは改めてお見舞いと連帯の意を述べるとともに,カナダとしてできることがあれば支援を行いたい旨述べた。

ー略ー

4.子の親権(ハーグ条約)
 菅総理より,ハーグ条約については,20日の閣議で締結に向けた準備を進めることにつき政府として決定した旨述べたところ,ハーパー首相から,カナダとしても経験を共有していきたい旨述べた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・日米首脳会談(概要)(外務省HP)
平成23年5月27日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/europe1105/usa_sk1105.html

 26日(木曜日)午後6時10分(日本時間27日午前1時10分)から約1時間(共同プレス機会15分,会談45分),G8ドーヴィル・サミット出席のためフランス訪問中の菅総理は,オバマ米大統領との間で日米首脳会談を行ったところ,会談の概要以下のとおり(米側:デイリー大統領首席補佐官,ドニロン国家安全保障担当大統領補佐官,バーンズ国務次官ほか,日本側:福山官房副長官,藤崎駐米大使,河相官房副長官補,別所外務審議官ほか同席)。

1 日米関係
(1)日米関係総論
 オバマ大統領から,再会できて嬉しく思う,復旧・復興に大半の時間を費やしておられると思うが,米国として更に何ができるか伺いたい旨発言。菅総理から,震災後米国から多大な支援を受けたことに改めて感謝するとともに,米国の支援もあって,原発も少し安定してきており,来年1月には冷温停止させたい旨述べた。

 菅総理から日本は必ず復旧・復興して世界の諸問題につき米国と共に色々な活動に参加し,一層力を発揮していきたい旨述べた上で,グローバル及び地域の課題に取り組むためにも,引き続き安全保障,経済,文化・人材交流といった分野で日米同盟を深化させていきたい旨述べた。

 オバマ大統領から,復興と再建の最中であると思うが,強い日本は非常に重要であり,日本が大震災にもかかわらず,世界の舞台で経済や平和にかかわる様々な問題に効果的に参加していくとの菅総理のメッセージを評価したい,米国として日本の復興を支援していきたい旨述べた。


ー略ー


(6)子の親権(ハーグ条約)
 菅総理から,20日の閣議でハーグ条約の締結に向けた準備を進めることにつき,政府としての方針を決定した旨述べた。


(※写真提供:内閣広報室)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・日英首脳会談の概要(外務省HP)

平成23年5月27日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/europe1105/uk_sk1105.html

 G8ドーヴィル・サミット会議出席のためフランスを訪問中の菅総理は,現地時間27日午前8時50分(日本時間27日15時50分)から9時24分(日本時間27日16時24分)までの34分間,キャメロン英国首相(The Rt. Hon. David CAMERON)との間で日英首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです(日本側:福山官房副長官,河相官房副長官補ほか,英側:ルウェリン首相主席補佐官,カンリフ首相補佐官,リケッツ国家安全保障担当首相補佐官ほか同席)。

1.冒頭発言
 菅総理から,震災に際する見舞いと支援に謝意を表明し,ケンブリッジ公同妃両殿下のご結婚に祝意を述べました。これに対し,キャメロン首相から,地震・津波・原発事故に際する同情の念が表明され,その文脈で,先方より3月24日に実施した日英電話首脳会談後,欧州理事会で日本支援のためにも日EU・EPA交渉をさらに進めるよう主張した旨述べる一方,日本に対しても非関税障壁に関し,一層の努力を求めました。
 菅総理から,28日の日EU定期首脳協議で,日EU・EPA交渉に向け前進すべく努力したい,英国の強力な支援に感謝する旨述べました。さらに,非関税措置に関しては,さらに努力するよう国内に指示している旨応答しました。


ー略ー

(2)ハーグ条約
 菅総理から,ハーグ条約締結に向けての国内準備状況を説明したのに対し,キャメロン首相から,検討の進捗を評価する旨述べました。
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●「全米行方不明の子どもの日」(5月25日)に際したクリントン国務長官の声明(米国大使館)

2011年06月03日 03時52分26秒 | Weblog
●「全米行方不明の子どもの日」(5月25日)に際したクリントン国務長官の声明(米国大使館)

(*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。)

http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20110527a.html

2011年5月24日

 昨年、2000人近くの子どもが親によって米国へ、あるいは米国から連れ去られました。毎週ほぼ40人の子どもが自分の家や愛する人たちから引き離されたことになります。子どもの連れ去りは子どもだけでなく、その親、友人、家族にも心の傷を負わせます。国際的な親による子の奪取は非常に多くの人につらい苦しみを与えており、私はこの問題を深く憂慮しています。

 国務省は子どもの連れ去りの防止と、このような非常に複雑な状況に置かれた子どもと家族の支援に力を注いでいます。領事局児童課の献身的な職員が毎日、子どもの連れ去りに巻き込まれる恐れのある家族や子どもの支援に取り組んでおり、子どもの旅券発給警告プログラムのような、国際的な子の奪取の防止手段を親が利用できるよう手助けしています。

 一方、実際に子どもが連れ去られた場合には親と協力して適切な対応策を明らかにし、子どもを連れ戻すために役立つ方策を見つけ出します。2010年には米国と世界各国で575人を超える子どもを家族のもとへ連れ戻す手助けをしました。

 こうした取り組みは個々の家族に対するものだけにとどまりません。私たちは外国政府に対し「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」への加盟を働きかけています。米国はハーグ条約を通じて68カ国と協力関係にあり、私たちはこの数が増えることを望んでいます。ハーグ条約はこのような難しい事例を解決し、より多くの子どもたちに家に戻る機会を与えるために必要な手段です。

 「全米行方不明の子どもの日」に際し、最も弱い立場にある米国市民である子どもの安全を守るために、今後も毅然(きぜん)とした態度で発言し、自分の役割を果たしましょう。そして世界中の子どもたちが家に戻れるよう支援しましょう。

※クリントン国務長官のビデオメッセージはこのサイトで視聴可能(英語)。
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●ハーグ条約関連ニュース

2011年06月03日 03時47分10秒 | Weblog
●社説:ハーグ条約加盟 子供の利益を前提に (毎日新聞 東京朝刊 2011.5.23)

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20110523ddm004070020000c.html

 国際結婚が破綻した場合の子供の扱いを定めたハーグ条約に加盟する方針が閣議了解された。菅直人首相が26、27日に開かれる主要8カ国(G8)首脳会議で表明する。

 「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」と呼ばれるもので、83年に発効した。欧米を中心に84カ国が加盟する。

 条約では、子供が居住国から連れ出された場合、一方の親が返還を申し立てれば、相手政府は子供の返還や面接交渉に協力する義務を負う。

 最近、欧米から加盟への働きかけが強まっていた。それは日本人の母が子供を連れ帰る例が多数に上るためだ。事例が多い米国とフランスとの間では、外務省が定期協議の場を作り、両国で130件の個別事例について話し合ったという。

 子供の連れ帰りが誘拐罪に問われ、指名手配されたケースもある。だが、難しいのは、子供を連れ帰った親の多くが、配偶者からの暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)を訴えていることだ。その意味で、加盟は「自国民の保護」や「子供の利益」に反するとの懸念の声が出るのは理解できる。

 一方で、外国人配偶者によって子供を海外に連れて行かれた日本人は、加盟に解決の糸口を求めていた。

 条約には「子供が身体的・精神的苦痛にさらされる危険性が高い」場合は、返還しなくていいとの例外規定がある。その運用がポイントだ。

 外務省がハーグにある事務局などで調べたところ、世界各国で返還をめぐり訴訟になった約800件のうち、3割は例外規定を適用し「返還しなくてもいい」との結論だった。

 「母子が一緒に帰国すれば再び母親がDV被害を受ける恐れがあるが、母親から切り離されると子供がつらいケース」「帰国先で子供が十分な監護を受けられないケース」などである。各国の裁判所が比較的柔軟に判断しているようだ。

 条約に加盟した上で、世界共通のルールに基づいて解決を図るという道筋は、避けられないだろう。ただし、条約の枠内で、実情に合わせて自国民の保護を図るべきである。

 日本に連れ帰った子供の返還の適否は、法律に基づき日本の裁判所が判断する。政府は、配偶者へのDVや児童虐待が疑われるケースは、返還を拒否できる規定を法案に盛り込む方針とされる。妥当だろう。

 この問題の背景には、親権に対する考え方の違いもある。加盟国の多くは「共同親権」で、離婚後も子供は父母の間を頻繁に行き来する。一方、日本は「単独親権」で、離婚後は母親が親権を取る場合が多い。国際離婚が増える中で、どう「子供の利益」を図るかしっかり考えたい。




http://blogs.fco.gov.uk/roller/burn2/entry/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B0%E6%9D%A1%E7%B4%84_%E4%B8%80%E6%AD%A9%E5%89%8D%E9%80%B2

Tom Burn(トム・バーン)英国大使館広報部長

ハーグ条約:一歩前進
Posted by Tom Burn 2011 5月24日

今週、良いニュースがありそうです。日本の新聞は、管総理が、今週フランスで行われるG8サミットで、日本が、子供の奪取について定めるハーグ条約に加盟することを発表すると報じています。福山哲郎内閣官房副長官は、日本政府が同条約の発効に必要な法的手続きを推し進めることを確認しました。

何故、このことが重要なのでしょうか?

ハーグ条約とは、両親の一方が、もう片方の親の同意を得ずに、居住国から子供を連れ去る事件を取り扱うために国際的に使われる法的枠組みです。このような状況では、多くの場合、子供達のニーズが忘れられてしまいます。ハーグ条約の下では、 居住国の裁判所が、家庭が崩壊した状況下で見過ごされてしまいがちな子供の利益を保護する上で、極めて重要な役割を果たします。現在のところ、両親の一方が、もう片方の親の同意なしに子供を日本に連れ去った場合、子供がもう一方の親と二度と再会できない可能性があります。日本の国外に連れ去られた子供たちについても同じです。ハーグ条約に加盟していない日本の親は、自分の子供に面会する権利を保護するために、同条約を用いることができないのです。

今回の発表は、英国をはじめとする様々な日本のパートナー諸国が長きにわたりロビー活動を行った結果もたらされた前進であり、日本が国際的な最善の慣行に従うことによって、離婚や家庭崩壊により子供が親から永遠に引き離されることがないようにするためのものです。しかし、為すべきことがまだ残っており、私たちは、条約加盟に伴い整える必要のある国内法について、日本政府と引き続き連絡を取り合って行くつもりです。私達は、日本が条約の精神、文面共に組み込む努力をされると確信しております。このことは、条約が意図した通りに機能するために重要です。複雑で色々な感情に満ちたケースの多い家庭崩壊という状況下では、バランスの取れた公正な決定が行われることが必要不可欠です。その決定を行う最良の場所が居住国の裁判所なのです。

大使館の同僚達は、今後も、この問題について日本側との話し合いに参加いたします。また、ハーグ条約が遡及的に適用されないことから、英国人が関わる既存のケースの解決方法を探し出すよう日本側に求めてまいります。管総理が、今週、ハーグ条約加盟に伴う国内法整備について措置を講じることが広く期待されています。私たちは、このことを心から歓迎いたします。これは、公正でバランスの取れた、そして、何にもまして、巻き込まれた子供達の利益を中心に据える制度に向けて一歩前進することを意味するのです。


●日経:米国務省顧問「ハーグ条約、早期批准を」 日本などに呼びかけ米国務省顧問「ハーグ条約、早期批准を」 日本などに呼びかけ
2011/5/26 11:29

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E4E2E2868DE0E4E2E7E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000

http://oyakonet.org/documents/6263b3acc99d499be62b0eb984b666e4.pdf

【ワシントン=中山真】米国務省のジェイコブス児童問題担当特別顧問は25日、世界失踪児童の日にあたって電話で会見に応じた。国際結婚の破綻などで子どもが親元から引き離された事件は米国では昨年だけで2千件以上報告されるなど、急増傾向にあると説明。日本などを念頭に国際結婚の破綻時の夫婦間の子どもの扱いを定めたハーグ条約の早期批准の必要性を訴えた。

 ジェイコブス氏は国境を越えて子どもを引き離された親が被る影響について「外国の法的、文化的、言語的な壁に直面するだけでなく、長期的な金銭的な負担も強いられる」と指摘。国境を越えた子どもの連れ去りは重大な犯罪行為であり、解決した後も子どもや親に長期間にわたって被害を与えかねないと警告した。

 日本が加入を検討しているハーグ条約については「奪取された子どもを子どもの定住地に迅速に連れ戻すルールを定めたもので、多くの国が参加する必要がある」と強調。一方で「誤解されることが多いが、ハーグ条約は親権そのものを決めるものではなく、親権の決定をどの国ですべきかということを定めるものだ」と理解を求めた。


●愛媛新聞5月26日(木)社説:ハーグ条約加盟へ 家族観の隔たりどう埋める

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201105263257.html

社説:ハーグ条約加盟へ 家族観の隔たりどう埋める
国際結婚が破綻した夫婦のどちらかが不法に子どもを連れ去った場合、生活していた国にいったん戻すことを原則とする「ハーグ条約」に加盟する方針が閣議了解された。
菅直人首相はきょうからフランスで開かれる主要国(G8)首脳会議で加盟方針を表明。年内にも条約承認案と関係法案を国会に提出したい考えという。
ハーグ条約は「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」が正式名称で、1983年に発効。子どもの迅速な返還や、離婚後の親子の面会交流の権利保護の手続き整備などを求めている。今年1月現在、84カ国が加盟。G8では日本とロシアが未加盟だ。
国際結婚、離婚の増加に伴い、日本人女性が子どもを国へ連れ帰ることを欧米諸国が問題視。日米関係の懸案事項ともなり、日本は条約の早期加盟を迫られていた。
加盟は国際協調の上でもやむを得ない。だが子どもにとって返還が望ましいかどうかを第一に考えねばならない。
日本が加盟に慎重だった背景には、ドメスティックバイオレンス(DV)で子どもを連れ帰ったと訴える例が多かったことがある。これを受け法案の柱として、子どもを国外に連れ出す理由が子どもや配偶者へのDVの場合、返還を拒否できることも盛り込まれる見込みだ。
しかしDVの立証や、児童虐待の解釈の違いが壁となる懸念は残る。DVをめぐり加盟をためらう声は根強い。
また話し合いで解決しなければ、裁判所が原則6週間以内に返還の可否を判断する。返還申請は年間約1300件に上り、裁判所が半数に関与しているのが実態だ。
このため家庭裁判所での調停、審判、訴訟による解決と迅速な処理が必要になる。子どもの意思を尊重する手続き上の地位や、代理人制度の整備も検討課題となろう。激しい親権争いとなる前に、外国で法的措置を十分に取れるような支援策も求められる。
何より子どもの連れ帰りがここまで国際問題化した背景には、欧米との親権制度の違いが挙げられる。
欧米では離婚後も両親双方が親権を持つ共同親権が一般的。日本は片方が親権を持つ単独親権制度を取り、母親が親権者となる場合が多い。離婚後の親子の交流の権利を保障する規定もない。
国内でも共同親権にするよう民法改正を求める声は高くなってきている。
だが法務省は子どもの奪い合いが一層激しくなる恐れがあるなどとして慎重姿勢だ。
現状では「子どもを母親から引き離すのはかわいそう」との感情論にとどまりかねない。家族観の隔たりをどう埋めるか、加盟後も問い続けねばならない。


●北海道新聞 社説 (2011.5.29)


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/295619.html

ハーグ条約 国際離婚の子を守ろう(5月29日) 

国際結婚の増加に伴い、離婚後に子供の親権などをめぐる両親の間の争いも増えている。

 子供を勝手に連れ去ったとして、海外から日本政府に約200件の訴えが寄せられている。

 政府は、国際結婚が破綻した夫婦間の子供の扱いを定めたハーグ条約に加盟する方針を決めた。

 今後、加盟に必要な国内法の整備に取り掛かる。最優先に考えるべきは、子供の利益である。

 条約は、離婚した夫婦のどちらかが無断で16歳未満の子を海外に連れ出した際、子をいったん元の居住国に戻すまでの手続きを定めている。

 連れ出した親が住む国の政府は、もう一方の親の申し立てに応じ、返還に協力しなければならない。

 親権や面会権など子の養育に関する問題は、子が育った国で判断するのが望ましいとの考えに基づく。

 条約は1983年に発効した。現在、欧米を中心に84カ国が加盟しており、主要国(G8)で未加盟なのは日本とロシアだけだ。アメリカやフランスなどから早期加盟を求められてきた。

 条約に未加盟のままだと、子供連れで日本に帰った親が元の居住国に戻ったときに誘拐罪などで摘発される恐れもある。

 欧米など多くの国が離婚後も両親に親権を認めているのに対し、わが国では片方の親にしか親権を認めていない。親権に関する考え方の違いが、争いの背景にあるだろう。

 だが大人の都合で、子供が父母双方と自由に面会できない事態は解消すべきだ。加盟自体は妥当な判断ではないか。

 ただ、課題も残る。元夫の家庭内暴力から自分や子供を守るために、日本に帰国した女性が少なからずいることだ。わが国がこれまで条約に加盟しなかったのも、こうした邦人を保護するためという。

 条約では子供を返還しなくてもいいケースとして「子供の心身に重大な危険を及ぼす場合」と規定するが、何が重大な危険なのかまでは記していない。

 政府は国内法の骨子案に、返還の例外として、児童虐待の恐れがある場合を挙げた。当然のことである。法案にはそれを明確に盛り込んでもらいたい。

 親や子供本人が引き渡しに抵抗した場合なども想定して法案を策定してほしい。

 国際間だけではなく、日本人同士の離婚でも、親権を失った親が子供を連れ去ったり、面会を拒否されてトラブルに発展したりする例がある。条約加盟方針を機に、国内での親権のあり方なども考えたい。
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