広島の山歩き(日記)

主に、広島の山を歩いています。
山のカテゴリーは「ひろしま百山」に準じています。

宮島の遭難事故無事救出

2012年12月26日 | 遭難

12月25日の朝日新聞。以下、記事全文。
『廿日市市宮島町の弥山(標高535m)に登っていた女性から23日午後5時30分ごろ、「奥の院まで行こうとしたが暗くなり道が分からなくなった.。」と携帯電話で110番通報があった。廿日市署や地元消防が24日、約35人で捜索したが見つからず、午後7時ごろ打ち切った。25日も捜索を続ける。
署によると、女性は県内在住の31歳。1人でツーリングし、バイクを宮島口においてフェリーで宮島に来たという。通報の際、「携帯電話の電池が無いので、ここでじっとしている」と話していた。』
12月26日朝日新聞朝刊。
『登山中に行方不明になっていた女性が25日正午ごろ、捜索中の消防団員に南側斜面で発見された。
見つかったのは青海苔浦神社の北約1.5Kの山中で、消防団員の呼びかけに応じたという。」

一人で登るくらいだから、山は初めてではなく、なれた方のように思われるが、いずれにしてもこの寒い冬の夜を無事生き抜かれ、救出されて良かったです。
それにしても青海苔浦神社は、港とは正反対の場所になります。恐らくは弥山から奥の院に行き、そこから帰路についたつもりが、反対方向にどんどん進んでいかれたようです。

以下、事故対策について。
登山教室の装備は以下の通りです。
*要否(必携:○>△> ×:不要、 無印:個人で判断)

装備名 要否 装備名 要否 装備名 要否 装備名 要否
ザック 着替え   登山計画書 食器&コップ&箸  
ザックカバー   靴下の予備   地形図 ゴミ袋
シュラフ × 手拭 コンパス ナイフ&ライター
シュラフカバー ストック 筆記用具 行動食
マット(エアー) ヘッドランプ 時計 非常食
シート又はツェルト 予備電池 水(行動用1.5-2L/1日) 嗜好品(酒類等)
雨具(上下) ヘッドランプ用予備球 ○  テルモス   常備薬
スパッツ   ロールペーパー   日焼け止めクリーム
帽子・手袋 ビニル袋大(ザック用)   保険証(写し) 虫除け
名札(胸・ザック) ビニル袋(靴用)       サングラス  
テーピングテープ シュリンゲ・カラビナセット        

これは7月の計画なので、12月なら、シュラフや防寒着が必要になるだろう。ボンベやバーナーも必要かもしれない。最低でも10kgか12kgの歩荷になる。
事故が無ければ、ほとんど必要の無いものばかりだが、私は最初にこの計画を見たとき、シュラフカバー・マット・ツェルト・ヘッドランプなどを見て、万が一の事態にも、絶対に生きて帰る、という登山教室の意志を感じた。

また山では携帯の電池は異常に早くなくなる。少ない電波をしょっちゅう探すので、電池の消耗が激しいのだ。山に行くときは必ず満充電にして行きたい。また不要のときは、電源を切っておきたい。

単独での山行の下山予定は、午後2時にしたい。何かあっても、時間的に余裕があれば、パニックにならずに済む。迷ったら元に戻るという鉄則を、実行する時間的余裕も生まれる。
警察に連絡したのが午後5時半というのは遅かった。この時期、山ではもう真っ暗だ。辺りの情報を連絡することが出来ないので、捜索が難航する。
こういうときランプがあれば、少しはゆとりが出るかもしれない。

地形図とコンパスについては、使い方が分からないと全く意味が無い。今では磁北線と緯度経度を引き、山行には必ず持参している。
緯度経度が引いてあれば、最近の携帯やスマホでは緯度経度が表示できるので、おおよその位置を確認することも出来る。マップポインターがあればさらに正確な位置を確認できる。
初めての山を歩くときは、等高線と実際の地形を見比べながら、今どこにいるか確認しながら歩くようにしている。

偉そうなことをいっているが、私も登山を始めた頃、何も持たずに歩き、臥龍山と掛頭山の間の、猿木峠からの下りで道に迷った。午後3時半ごろだった。尾根道になんとか戻ったのが夕暮れ間近の午後4時すぎ。10月の末なので夕暮れは早い。勿論ヘッドランプも無い。暗くなる登山道を1時間20分、必死で走るようにして登山口の千町原にたどり着いたのは、夕日が沈んだ丁度そのときだった。
これはそのときの写真。忘れないようにとってある。

このときの反省は、途中で計画を変えたこと、であった。
掛頭山から臥龍山へ帰る途中、猿木峠の看板があり、こっちのほうが早いんじゃないかと思い、峠を降りたのがそもそもの間違いだった。今なら迷うところでは無いが、10年以上前は、踏み跡不鮮明で、迷いやすいところだった。

今回の遭難では、弥山から奥の院に行ったようであるが、弥山からそのまま下山していれば、問題なかっただろう。私の記憶では奥の院に行くのはそんなに難しくないが、昼間ならいざ知らず、暗くなって奥の院方面から先に行くと迷いやすい。
これは奥の院の写真。

宮島は、弥山とか駒が林などに行く分には迷いようが無いが、一歩奥に入るときは準備無しでは迷いやすい。
宮島は神の島なので、奥は手付かずの原生林そのままなのだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2012年12月24日・白... | トップ | 宮島の遭難ルート »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

遭難」カテゴリの最新記事