おもいつくままに

身の回りのことや世の中のことについて、思い付いたことや気付いたことを記す

マイケル・J・モーブッシン著「偶然と必然の方程式 仕事に役立つデータサイエンス入門」田淵健太訳

2013年10月06日 22時48分32秒 | 
原題の
THE SUCCESS EQUATION -- Untangling Skill and Luck in Business, Sports and Investing
の方が内容に忠実で、ビジネス、スポーツ、投資において実力と運がどの程度働くかを議論したもの。

例えば2011年のMLBの各チームの勝敗の表から
分散(観察されたもの)=分散(実力)+分散(運)
として、実力と運(確率1/2の2項分布)の比を議論する。
運の割合、分散(運)/分散(観察されたもの)はNBAで12%, MLBで34%, NFLで53%!!であるという。

運の割合が小さい場合正しい訓練によって成果を上げることができる。運の割合が支配的な場合には、確実なことは何もない。ある程度運の割合が大きい場合には、不運やミスを減らすようや正しいプロセスの実行とそれを補助するチェックリストの利用が効果的である。

こうした議論を元にして、不確定性を考慮した上でのとるべき戦略は何かを議論していて非常に面白い。3年生のゼミで読ませる予定でいる。

しかし、議論は冗長である。amazon.comのレビューによるとこの本の元になったブログの方が読み易いそうだ。分かりづらいところは訳のせいかと思って原著も買ってみたが、原本でもよく分からなかった。そうしたこともあって、私のゼミの3年生にはハードルが高いと感じている。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする