おうちへ帰ろ KAT-TUNに会いに  

いい年して亀ちゃんに堕ちた。誰にも内緒の亀ちゃん愛。おうちでこっそり愛を綴ります。

KAT-TUN short story Splash....

2007-05-15 | KAT-TUNおはなしシリーズ
『Splash...』

目覚ましの音が鳴って、薄ぼんやりとした部屋の中で俺はけだるく目を開ける。
時計を確認して、再び目を閉じると夕べの歓声が脳裏に鮮明に蘇ってくる。
ぐるぐる廻るレーザービームと耳をつんざく馬鹿でかい音。
スポットライトは俺だけを狙い、ダンスナンバーに酔いしれてマイクを掴む。
超満員のコンサートホール。俺を見ようと集まった沢山の女の子達。
ハードなリズムからスローなラブバラードに変わると、照明を落とした会場は、客席のペンライトがまるで満点の星空のようにきらきら輝きだす。

ねぇ、どこにいるの?俺を見ていてくれている?

そうか。ここはホテルの中だったんだ。まだぼんやりとした意識の中で、俺は自分を確かめる。
どこからか花の香りがする。外のエレベーターホールにあったカサブランカ。
ぐずぐず起きれないのはそのせいか。この香りはいつだって俺を過去に引き戻す。

そうだよ。ここは、キミの生まれた街だったんだ。

「夢を見させて」それがキミの口癖だった。
人は一生のうちで何回、本当の恋愛をするのだろう。
誰と付き合っても、俺はいつでもマジだし、ちゃんと向き合ってるけれど
でも、きっとその中でももっともっと、深い恋愛ってあると思う。
たったひとつの恋?そんなドラマのタイトルあった気がするけど。
数ある恋愛の中でも一生に一度しかない本物の愛。それがキミだった。

俺、本気でキミを愛してたよ。

俺はその当時、まだレッスン生で、キミと知り合ったのは偶然、そう、こんな夏前の爽やかな5月だった。
いきがっていてもまだ子供だった俺より、キミはずっと年上だった。
そしてすでに結婚していて、あろうことか小さな女の子もいた。
特別何かがあったわけじゃない。なのに、ごく自然に俺はキミを愛し始めていたんだ。
誰かを好きになるって言うのは、相手が誰であろうと何も理由なんていらない。そんなもんだろ?
キミに俺の知らない世界がある事を俺は極力見ないでいた。
なんでも本当の事だけ知りたがってた俺だったけど、「真実を知ることが全てじゃない」って、その時初めて気づいたんだ。
これは今でも俺の中に生きている。
正直に言うと、怖かったんだろうな。事実と向き合って、俺のいないキミの世界を知ることが。
キミは俺の一方的な想いに戸惑いながらも、それでも二人の時間を大切にしてくれた。
俺といる事が「夢を見ているようだ」と笑うキミを帰したくなくて、時間が止まることだけを俺はいつも祈っていたよ。

俺はキミを幸せにしたかった。

俺の知らない世界の君は、いつも寂しい夜を過ごしていたんだ。
俺に見せる笑顔の下で、キミはいつも涙を流していた。
俺の腕の中で眠っていても、時々、ほほを伝う涙をどうしたら俺が止めれるのか。
「うそ」と「言い訳」と「疑心暗鬼」な毎日に疲れて、苦しむキミをただ、抱きしめるしかあの頃の俺にはなかったよ。
でもどれだけ強くキミを抱いても、俺にはキミを捕まえている実感がなかった。
すくった砂がさらさら、さらさら手のひらから流れ落ちるように、抱きしめればしめるほどキミが消えてしまいそうな気がしてた。

ねぇ。いつか、ふたりで夢の話をしたね。

キミの夢は「内緒」で、何度聞いても教えてはくれなかったね。
でもその後「幸せに毎日笑って暮らす事」って、あまりにも簡単な、ありふれた事だといいながら寂しそうに笑った顔を俺は忘れない。
俺はいつか、大きなステージで歌う事を夢見てた。
俺の夢は「キミを幸せにすることだ」って素直に言えばよかったのに、キミへのラブバラードを作って大勢の観客の前で、たった一人の為に歌うと約束したっけ。
本当はそんな俺の夢なんてどうでもよかった。
ずっとこんな生活をしてきたから、歌うしか知らなかっただけなんだ。
目の前にキミがいて、キミが笑ってくれればそれで十分夢はかなってたんだ。

暑い夏の日、キミが泣き腫らした目で俺の前に現れたとき、俺は決心した。
キミを縛り付けてきた糸を断ち切って、キミを幸せにする。
もう歌う事も、仕事も家族も友達も、過去の生きてきた全てを捨ててもかまわない。
キミを守るためなら、どんな罰でも受ける。
キミの罪もキミの痛みも全て、全部丸ごと俺が抱える。
もう誰も俺を止めることはできない。キミは俺と生きるんだ。

俺、大きな波にサブンと飛び込むのは得意なんだぜ。俺、そう約束したよね。


今日もいい天気だ。
ここのホテルはなぜか懐かしい気がするのはなぜだろう?
いつかキミがこの街で生まれたって言ってたからかなぁ

ねぇ、キミはいったいどこにいるの?

俺、探したんだぜ。あの夜、キミが黙っていなくなってから何も考えられなくなった。
繋がらない携帯、明かりの灯らない部屋、キミと話した記憶をたどりながら、何か手がかりになるものはないかとあちこち探し回った。
なぜ、何も言わないで行ってしまったのか?俺といてくれなかったのか?
なぜ、俺じゃダメなのか?俺を愛してると言ったのはうそだったのか。

キミと過ごした僅かな時間。
これからもきっと俺は忘れない。

俺、やっとわかったよ。

キミの本当の夢は、「俺の夢をかなえる事」だったんだね。
俺がこんな風に大きなステージで歌える事を、キミはずっと願ってくれてたんだ。

あの夏の夜、二人で泊まったホテルにカサブランカの香りがしたね。
俺、これからの二人を祝う花の気がして覚えてたんだ。

・・・・会いたいよ。

今日のステージで、俺はキミだけに歌うね。
きっと、どこかで俺を見ててくれてる。そう信じて。

今でも愛してる・・・
I just want to be with you


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ジャイコ)
2007-05-16 12:10:12
たーちゃん!なんて素敵なのー
泣けたわ~
自分と・・・亀ちゃんで妄想した!(爆
Splashってこんな歌詞だったっけ?
ごめん、もっぱらメロディだけな人なもんで(汗
もっかい歌詞見てみよー
KAT-TUNお話シリーズなんだね! (Unknown)
2007-05-16 20:09:33
『Splash...』をここまで上手く小説風にかけるって!?
すごいよーーーーー!!!
もしかして?たーたさんって。。。
小説家?
募り思いが・・・これって?アタシと亀ちゃんの事だよな~♪と。。。
はいっ!ジャイちゃんと一緒で~~~~~っす★
Unknown (きらかめ)
2007-05-16 20:11:20
名無しのごんべいは・・・
↑ドンくさいきらかめです(爆)
Unknown (レオミー)
2007-05-16 23:04:17
わ~ 久しぶりのた~ちゃんのお話だ~
年上の女はやっぱり若い男から去っていくものなのね
彼の大成を願って....
そして 会場の隅で 涙しているのね
あ~ 恋愛っていいなあ
もうすっかりそういうの忘れちゃったけど~
私あんまり恋愛経験無いのよね~
もっといっぱい恋愛しとけばよかったわ
Unknown (まあちゃん)
2007-05-17 00:11:20
久ぶり~!たーたのお話し読みたかったよ。
ちょっと無理があるけど(汗)、雄ちゃんで夢見させて~。
『Splash...』聴いたら、このお話思い出して泣きそう。
朝からやばい!(笑) (さんちゃん)
2007-05-18 07:16:40
たーたさん、おはようございます!
朝から読んでいいお話じゃなかったですね~~~。(泣)
どーーーやっても、私が大好きな淳之介くんではなく、カメちゃんでしか想像できませんでした。(笑)
たーたさん、このお話、すてきっ!!
なんか、ほんとうにありそうで…。
今度こっそり、淳之介くんのお話、書いていただけません?(笑)
Unknown (mi)
2007-05-21 12:12:39
待ってました!
小説家たーたちゃんの本領発揮やね。
素敵だよ。

あたし、、若い彼のためを思っても、やっぱ別れられない人だわ。
好きで別れるって想いがずーっとずーっと残るから、次の恋に進めない。
ましてやお互いがまだ愛してるんだもん。
切なくて、たまんなーい。

あたしもレオちゃんと同じく恋したいよ。
恋したくてたまんなーい。

Unknown (ふるるん)
2007-05-27 21:21:19
なんだかすごく感動しちゃった(涙)
私も実はSplashから想像してた物語って
こんなかんじでした
すごく素敵な恋愛なんだけど
やっぱりこれはゆっちでは想像できないなあ~(笑)
相手は亀ちゃんで想像しちゃいました~
Unknown (たーたコメレス)
2007-06-06 23:36:44
すみません。コメントいただいていたのに、ずーーっと放置プレイで。\(__ ) ハンセィ

ジャイちゃん、きらかめちゃん、レオちゃん、まあちゃん、さんちゃん、miちゃん、ふるるんちゃん
コメントありがとう。

なんかこういう記事?をUPした時は、逆にコメントいただくと自分がこっ恥ずかしいので
すみません、ただ「読んでくれてありがとう」につきます。
もう、自己満足の世界なんで・・・
ただ、これは亀ちゃんでは想像できないんです、実は。
まあちゃん、ふるるんちゃんにしかられるかもしれませんが、これはゆっちがアタシの中にあります。
どうしてだかわかんないんだけど(笑)

不思議と亀ちゃんだとどうも何にも妄想できない。
いつも勝手に浮かんでくるのは、仁かゆっち。
きっとホントに恋愛するなら仁かゆっちなんだろうなぁ~・・・なぜ?!

みんなにコメントですみません。
本気で? (鍛冶原由圭里)
2009-12-05 12:31:50
ねぇ仁それってもしかして私の事本気で言ってるの・でも私だって会いたいよ。私も竜也達と同じ大きいなステージで舞台で歌う事を願っていたわよだって私の為に歌って欲しいから和也いい?私も聖達と私とマー君は一緒び幸せに暮らす為に私とマー君はお仕事頑張るから座布団と糸わけやアイロン頑張るから淳之介たちはライブとロケと撮影のお仕事頑張ってね毎晩会えるから、撮影は私の為にね