「みんなねっと」8月号を読みました。
7月号に続き、
「それぞれの自立を目指して~本人・家族・医療者が、ともに考えられる社会へ~」
の「その2」として夏苅郁子医師が書いておられます。
7月号も「医師が変わらねばならない」という趣旨のことが書かれていました。
8月号では「医師はどう変わるべきか」について書いておられます。
このことは本当に大事なことでしょう。
当事者はどんな医者にかかるかで半分以上病気の回復が左右されると言います。
それを思うとほかの病気以上に医者の大切さが精神障がいには切実です。
この夏苅医師は精神科医療の当事者と家族にアンケートを実施されたそうです。
1万8000の質問票で7226通のの回答があったらしいです。
その内容も詳しく書かれていますが、その次には
「当事者と家族が自立すること」の必要性も書かれています。
確かにそれも大事なことでしょう。
このことについては多分9月号でもっと詳しく書かれるのではないでしょうか。
ただ、当事者と家族を支えるのは医者だけではないということをこの頃思います。
ソーシャルワーカーや看護師、保健師、精神保健福祉士、社会福祉士、
などの、医師ではないが専門の人たちもいます。
それと資格としては何もない単なる支援者もいます。
ですが当事者は医者以外の人に信頼を寄せるということが少ない現状のようです。
中には看護師に大きな心のよりどころを得る人もあるでしょう。
ですが当事者が、やはり専門の人に、つまりは医者にしか信頼を寄せられないとしても
それは無理もないことかもしれません。
だからこそ精神科の医者はもっともっと変わって頂きたいのです。
では、それ以外の人は何のために存在しているのでしょう。
先日聞いたのですが、ある当事者が支援者(ボランティア)に
「(ボランティアを)するのだったらもっと勉強してください」と言ったことがあるそうです。
確かにそう言われるのは的を得ているでしょう。
精神障がい者はえてして知能が高いことが多く、考えも深い、だから人をよく見ます。
単なる支援者だとしても精神障がいのことを理解していなければなりません。
しかしそういう風に限定すると、なかなか支援者という人に出会えません。
この夏苅医師のお話にはそういうことについても言及されているのでしょうか。
9月号、10月号と、一般の支援者はどうすればいいのかということに
お話が進むのでしょうか。
あの障がい者施設襲撃事件から1年がたちました。
知的障害の人たちを、不必要な存在だと思い込んで、またはそういう理由をこじつけて、
襲撃した犯人は、精神障がいだったのだとも言われています。
このことは二重に悲しいことです。
知的障害の人がこの世に不必要だということは決してありません。
ですがそう思い込んで襲撃した犯人を精神障がいだと決めるのはもっと悲しいです。
実際に医学的にそうだったのかもしれません。
仮にそうだったとしても、世間の大半の人が、
精神障がいであればこういうことをしてしまう、と思ってしまうことが恐ろしいです。
医師は変わらねばならない、当事者と家族は自立せねばならない、
と書いている夏苅医師に、では一般市民はどうなるべきなのか
一般市民が精神障がいについて理解できる世の中になるにはどうすべきなのか
そのことについてもぜひ書いていただきたいものです。