「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20160926

2016-09-26 | 矮小布団圧縮袋

〇…週明けでしっかり仕事が始まってしまったところだが、写真は先日の、京急品川駅で電車を待つキイロイトリだ。

 
 JR品川駅からJR線と京急線を見ている

   
 品川から羽田に向かう沿線の景色。
 「シン・ゴジラ」を見た後で通ると、えも言われぬ感慨に襲われざるをえない。
 見た時のdetailな生活感を含めて、首都圏の空間に対するある種フェティシズムに近いような何とも言い難い偏愛が感じられる映画だと感じたのであるが、これらは、羽田空港と地元とを仕事で往復することの多い九州民はじめ地方民にも、毎回通って見覚えのある、おなじみの「東京」の景観なのである。そのへんの感覚に、じわじわと畳み掛けてくるのだ。ましてや、東京在住者の観客にとっては、どれほどだろうかと。そういえば松本隆さんもテレビのインタビューでこの映画を「見た」って言ってたけど、東京に対する思いや感覚に響くものがあるのかもしれない。


 本日のBGM:
 新必殺仕事人 仕事人出陣のテーマ (「新必殺仕事人・必殺仕事人Ⅲオリジナルサウンドトラック」)
 このテーマならmp3ファイルでうちのdigital walkmanに入っていて、気分によってBGMで流せる。
 日曜夜、ムービーフィルムではなさそうだけど、どうやら往年風を意識したような青く黒っぽいカメラワークの構図と照明のコントラストとをぼうっと見ていると、こうして、まだ子供の時(といっても中高校生の頃)、夕方のアニメ番組を見る他にも、必殺仕事人のシリーズを毎週金曜夜10時に見て育った、ということを思い出す。1980年代前半頃の時代劇だと、もっと朝比奈様や鬼頭の魔の手が結城さんの妻子側とか他にも及んで被害者が続出するような、加虐的趣味な非道な話になってた可能性があるな、とか。ことさらにハードボイルドだと言うまでもなく、むしろこの手のテイストの話が通常運行で、それも今の2時間分の話だったらそれが大体22時00分から22時54分の枠にもっと凝縮されてる(※昭和後期のどぎついテレビ番組文化の爛熟度を感じる)密度で、それでもって毎週見てたってんだから、そりゃ情操的にもひねくれた性格の勧善懲悪観が育つわけだこりゃ(爆)。中村主水とおでん屋の左門さんから秀さん勇さんのアダルトなアイドルとおりくさんの時期だったし。
 …「必殺仕事人2016」(KBC、9/25 21:00~)では、久しぶりにそういう気分になった。

(※未見の方へ 以下は結末に至る内容に触れます)



 所謂「中村主水のテーマ」が画面からBGMで流れてくると、藤田まことさんに朝比奈様をざっくり仕置していただくのを一度見てみたかったな、という気も、ちょっとする。主水の仕事の殺陣のテンポや間合いには、独特の重量感と色気があるからだ。さらに雪が降ってるとか、雨が降りだすとかでもよかった(過酷な視聴者)。でも、予想していたいくつかの想定の内では岸田森さんやこないだ御尊顔を拝してしまった藤木孝さん系を思い起こさせたとはいえ、蛇っぽいぬめぬめ感の安田顕さんのあの独特の語り口やハラッサーぶりは、やはり現代社会のリアルタイムでの何か狂った感じを表していて、昭和でなくまさに平成現在の演者なのだなと感じさせる。
 個人的には7月頃に「蟹頭十郎太」をDVDで見ておいて予習はしていた。安田さんはきっと、陣内さんの松平信祝みたいな「かっかっかっ」と豪快に悪逆を繰り返す役も、今回みたいな偉そうで慇懃無礼で実はしょぼくてせこずぎるけど悪魔的かつ生理的に気持ち悪い(始末が悪い)のも、どちらもできるのだ。朝比奈様の「三番めは…」の時の、SPECのヤスケンの海野先生みたいな一瞬の表情の微妙な変化(数mm単位か!?)も「…来た!」とぞくっとするところだった。
 凄く端麗な所作で最初からずっと動いてきて(話の場面上そこにいるのが必要だろうとはいえ、普通だと手を汚さないならなぜその身分でそんな下賤な下々とそんな場所でわざわざ直接接触しているのかが謎すぎる。もしかして単に不良な行為を見るのとか言葉苛め自体にフェティッシュな快感を覚える性癖なのか、あるいはもはや幕末近いからありなのか)、だいたい汚い仕事を全部人にさせておいて影で見ててほくそえみつつおいしい所だけ略奪する、本当に嫌いになりそうなくらいあまりにも嫌な奴なので、観ている人に「渡辺さんやっちまえ!」という気持ちになるような必然性を十分に持たせておいて、そしてラストで絶対かっこよくは死なない。ちゃんとヒーローに花を持たせる、と同時に、またトラウマというかひっかき傷のような何かを、見る人の心の中に残して画面から去っていく。なんなんだこれは。
 1回目見ると、本当に嫌なのだが、2回目に見るとだんだん、こ、これはある種創り手も楽しいのかもしれない、と思ってしまう。今回もいただきました。チャンネルNECOからのHK/変態仮面のBD-REの続きに謹んで入れさせていただきます。
 ※今週のKinKi Kids記念企画表紙のTV誌を何種か買っておいたおかげで、この仕事人2016の番宣ページがわりと載ってて、参照資料的にはありがたい。

 というわけで、意外にもふと偶然自分が予感した時には、本当に既に作品が作られていた、と後で知った。いや、結構世の中、インスパイアされる人々が決して少なくない、ということだろう。そういうこともあるもんだ。そしてまた今週から「アリアドネの弾丸」やるみたいだな日本映画専門チャンネルは。マーケティングしとんのか。
 そんなことが次の日になっても自然に頭によみがえってきて、本当に仕事に集中できなくて、困る。
 なんてことを書いてはいますが、しげさんおめでとう。(20160926)
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