夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

羅漢図 寺崎廣業筆 その55

2017-06-17 00:01:00 | 掛け軸
*先日、未了の原稿のままパソコンの操作を誤り、本文を投稿してしまったようです。

当方の蒐集作品に共通しているのはメンテナンスの必要な作品が多いことです。陶磁器、掛け軸、漆器、掛け軸類ですが、硝子製品や洋食器のような綺麗なだけ?の作品は基本的に面白味がないので蒐集対象になっていません。

性分として仕事も同じくメンテナンスの必要な組織、あらたな分野に興味が湧くようです。そして実体の遺る仕事が・・・。

当方は地元に縁の作品を数多く紹介していますが、刀剣についてもその縁が多く、ずべてが地元縁の作品です。



いずれいくつかは男の隠れ家に戻すことになりますが、しばしメンテナンスのため手元に置いてある作品もありますが、その後はどうなるのやら・・・。



一応は由来から、メンテナンス、登録証、鑑定の経緯まで専用のファイルにすべて記録に残すようにしています。



本日紹介する研ぎや補修する前は非常に痛みの酷かった刀剣です。刀剣自体は錆だらけで、拵えの鞘は割れており、鯉口は散々な状態でした。

脇差 無銘
長さ:一尺七寸 反り:四分 目釘:一個
無銘 刀 白鞘 拵え有

見ていただいた「刀剣柴田」の見立てでは作行は美濃の関氏のものに近いとか。



当方では金銭的な価値から判断すると直す必要はないだろうという思いもありましたが、最終的には代々伝わる刀剣ですから、少しでもきちんと修復しておくことにしました。



とはいえ法外に費用をかけることもできませんので、鞘部分は漆器修復で縁があった輪島工房に依頼しました。研ぎはむろん「刀剣柴田」に依頼したものです。



鞘の部分は全体を塗り直すと費用もかかり、時代感も無くなるので部分補修にしておきました。



刃は錆だらけでしたが、きれいに研いでおきました。白鞘がなかったので新調しました。なんと前の所蔵者は紙やすりで錆を落としていたとか



金銭的な判断からなら、これらの補修などされずに打ち捨てられていた可能性の高い刀剣です。蘇った刀剣は新たな愉しみとなります。



刀剣類は物騒なので所持したがらない、刀剣柴田の方も所持していることは公表しない方が多いとおっしゃていました。最近は下火となり、闇に隠れている作品の多い分野ですが、改めてもっと評価されていい分野でしょう。



他の骨董と同じく刀剣類もまたメンテナンスなどをしながら、手元に置いて初めてその良さが解るものと痛感しています。刀剣女子などには価値が解ろうはずもない代物です。

さて、本日の作品は地元に縁のある寺崎廣業の作品の紹介です。すでにその作品の数も55作品目となりました。

羅漢図 寺崎廣業筆 その55
絹本水墨軸装 軸先象牙 後年箱書共箱二重箱
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦1275*横515



箱書には「十三年前作 辛亥(明治44年 1911年)冬日 廣業自題 押印」とあり、明治31年頃に作と推察されます。

  

「1898年(明治31年)東京美術学校助教授に迎えられ、翌年、校長の岡倉天心排斥運動がおこり、天心派の広業は美校を去った。天心と橋本雅邦は日本美術院を興し、橋本門下の横山大観・下村観山らと広業もこれに参加した。」という波乱の頃の作品です。



寺崎廣業の作品は数多く投稿していますので、詳細な説明は省略させていた台ますが、郷里出身の画家ということもあり、今後も蒐集を続けていくことになりそうです。



墨一色で描かれた大きめの作品です。俗に言う大幅というほどでもないにしろ広めの床の間でないと掛けられない大きさかと思います。



掛け軸の人気がない理由のひとつが飾るスペースの無さなのですが、飾るにはやはりそれなりのスペースがいるものです。



羅漢に龍・・・・、廣い空間、もとい広い空間が必要な作品ですね。



印章は他の紹介した作品の幾つかにも押印のある作品です。ただこの印章もちょっと厄介な印章です。本作品は真作なのですが、贋作に酷似した印章を用いているものがあり、検証が必要な印章だからです。

 

ニ重箱の蓋が欠落しています。これはよくあることで、落としたりすると軸箱の蓋は溝、ほぞが破損しやすく、そのうち簡単に取れて蓋を失くしてしまうからでしょう。さてこれをどうにかするのもひとつのメンテ・・・
ジャンル:
コレクション
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