夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その108 三彩山水文漢詩入手持角鉢

2017-12-08 00:01:00 | 陶磁器
畑で採れた里芋・・、数が多くなり、会社で皆さんに持って帰ってもらうことにしました。里芋の次はタケノコ芋、そして落花生(ピーナッツ)となります。




年末の挨拶廻り、現場巡回で原稿の作成時間がなく、手っ取り早く本日も源内焼の作品の紹介となります。まとめて購入しましたこともあり、源内焼の作品紹介が続きます。

源内焼 その108 三彩山水文漢詩入手持角鉢
合箱入 
幅185*奥行185*高さ80



このような器を茶席の菓子皿や会席の皿に使えばいいと思うのですが、未だに茶席で香合を含めて源内焼を見たことがありません。



軟陶器なので使うのには傷めないように神経を使うからでしょうか?



口縁の文様を愉しみながら、菓子や具が減っていくと見込みの図柄が愉しめる趣向の器です。



茶席では茶碗や茶入れ、茶杓、水指が重要視されますが、意外に注目されないのが菓子皿・・。



ところで当方のブログでは源内焼の水指も紹介されていますが、意外に家内には不評・・・
これはちょっと邪道だったかな?



漢詩?の末尾に印が押印されいますが、このような印のある作品は源内焼では珍重されています。



山水画における釉薬の掛け方にも色彩効果の出るように考慮されています。この辺が源内焼の素晴らしいところです。



手前の色の濃い部分は岩??



釉薬の剥離している部分は共色で補修されています。



ところで同図の作品は「源内焼 その21」にて紹介されています。



この図柄の源内焼はどの文献にも出典されていませんが、この図柄は下記の写真にあるように絵として残されています。

その絵の賛に「張志和字舜民号煙波釣叟」という文章が見られます。「舜民」という名と源内焼を平賀源内の指導のもとで製作したと伝えられる「脇田舜民」とどう関係するのかは不明ですが、いろんな絵から紋様を製作している源内焼の奥深さを窺い知れる一品です。

「脇田舜民」という名とこの絵の賛がどういう風な関係なのかは非常に興味深いところですね。



この図と同じような構図の作品が菅井梅関の作品として、本ブログに投稿されています。



漢詩の部分は家内が読み解いてくれています。

賛の漢詩は
  雨霽頃銷雲
 枝低花落水
 維舟憇此隈
 披飯愉真子

雨晴れ雲消える頃
枝低く花は水を落す
舟を維(つな)ぎこの隈に憩う
飯をひらき真子をたのしむ



真子というのは絵の賛にある「張志和」の号をもつ玄真子のことでしょう。唐代の詩人で、粛宗の時に出仕したが、のち致仕して江湖に隠棲とし、世俗の中にありながら煙波釣徒と称して脱俗的な日を過ごした人物で、水に筵を浮かべたり釣をする絵の画題となっています。



本日紹介された手付鉢では不鮮明で読み取れない部分を同図の皿の作品では読み取れているのも蒐集したからこその結果です。



「張志和字舜民号煙波釣叟」と脇田舜民との関連は新発見かもしれません。このことは源内焼だけの蒐集では解らなかったことかもしれません。




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